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第二話 「危険生物」

『フェンネル王国・クロミタ洞窟』

ルテティアとマーズは入り口に着いた。

「ここが例の場所。」

「結構歩いたね……」

洞窟の入り口は僅かな松明のみが照明であった。奥は見えない。

「大丈夫、ランタンは持ってきた。」

ルテティアは懐から小さなランタンを取り出した。

「対象はなんだっけ?」

「ここに生息する危険生物、フェロ・クリス。鋼鉄の体を持つ獣。」

「へぇ……」

「よく周りの魔獣を引き寄せる音波を出すから、注意しないといけない。」

「音波……どこから?」

「……わからない。」

「怖いね……!」

二人は洞窟内へ入った。

道中白骨が散らばっていたり、小さな魔獣がいたり。そんな魔獣程度はルテティアにとっては朝飯前だった。

少ししてルテティアは足を止めた。

「ここ……確かここによく出現するらしい。」

広い場所。四方に大きな穴がある。

「全方向警戒……いつくるかわからない。」

「うん……!」

マーズは小さな肩掛けバッグから何かを取り出した。

「それ……何……?」

「カード。僕の武器。」

「武器……?」

「そう!」

マーズは思わずいつものテンションで話してしまった。

「静かに!」

「ごめん……!」

奥の穴から、黒い影が出てきた。

「あれは……フェロ・クリス……」

「あれが?!」

そこには鋼鉄に覆われた鰐のような、豚のような獣がいた。

「なんか思ってたのとチガウ……」

「それはどうでもいい……!」

ルテティアは杖を取り出した。

[風の拘束(ウィンド・バインド)]

風が形となってフェロ・クリスの四肢を固定する。

「今!」

「う、うん!」

ルテティアの合図と共にマーズはカードを三枚投げた。

ただ、火花を散らして鋼鉄に弾き返された。

「固い……!」

フェロ・クリスは風の拘束(ウィンド・バインド)を振り解き、二人の元へ突進してきた。

「避けて!」

二人は反対方向にステップを踏み、突進を避ける。

しかし、突進の跡は紫に染まっていた。

「毒……?!」

マーズは踏みそうになった。

「踏むな!溶ける!」

ルテティアは風をマーズの方にやり、毒から離した。

「奴の足跡は即効性の毒。触れたら溶ける!」

「ご、ごめん!」

マーズはカードを五枚、フェロ・クリスの顔面へ投擲した。

「グアア!」

そのうち二枚が鋼鉄の隙間から見える目に刺さった。

「今だ!」

ルテティアは杖を構えた。

[風の刃(ウィンド・カッター)」

風は鋭く突き進み、奴の体にぶつかった。

「グゥ!」

少し鋼鉄にヒビが入った。

「!」

マーズは閃いた。

「ルテティア!もう一回!」

「……!」

ルテティアはもう一回風を飛ばした。

「ギャア!」

鋼鉄が一部崩れ落ちた。

「そこだ!」

マーズはカードを三枚飛ばした。

それは鋼鉄の隙間に入り込んだ。

「それ!」

マーズは手を握った。

その時、鋼鉄にヒビが入り始め、バゴッと音を立てて崩れた。

「カードが……?!」

ルテティアは驚愕した。

カードが三つ重なり、鋼鉄を内側から剥ぎ取ったのだ。

「今!」

マーズが合図する。ルテティアはもう準備ができていた。

風の刃(ウィンド・カッター)。

露わになったヤツの皮膚を風は切り刻んだ。

マーズはカードを五枚投げて突き刺した。

「グゥ……」

ヤツは倒れ込んだ。

「よし……倒した……」

マーズは一息ついた。ルテティアはヤツの頭を風の刃(ウィンド・カッター)で切り落とした。

「こいつの頭部には毒の爆弾がある。時間経過で爆発して、周囲は立ち入ることができなくなる。」

「大丈夫……?」

「大丈夫、処理はできる。」

ルテティアは爆弾を取り出し、ひょいと上に投げた。

「風の刃(ウィンド・カッター)……十個……!」

風の拘束(ウィンド・バインド)で固定し、風の刃(ウィンド・カッター)を飛ばす。十個のカッターは爆弾を細切れにし、粉塵にした。

「これでよし……」

ルテティアはヤツの頭を退かし、歩き出す。

「待って〜!」

マーズはルテティアの後を追い、外に出た。

「報酬は折半。」

「うん!」

第二話 「危険生物」 完

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