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とある男の航海日誌  作者: なるで
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七月九日

七月九日     快晴


今日は二人を迎えに行く。生きた姿で見られるといいが・・・。ガイドはアンジェリンの父親がやってくれる。フーゴという名らしい。まるで地獄に落ちたのかのような表情をしていた。そんなに私たちと居るのが嫌なのだろうか。二人を引き取った後、すぐに島を発ち、この島の事を誰にも言わないと約束させられた。フーゴは、二人は村はずれの洞窟に居ると言っていた。もう行かなくては。

追記:二人は緑の苔に覆われた洞窟の中にいた。洞窟の入り口には鉄格子が嵌められていて、その奥にフィリップとトーマスが居た。フーゴが私に檻の鍵を投げ、それをキャッチして鍵を開けた。フィリップとトーマスが走り出てきて、安堵のためか泣きそうになっていた。フーゴに鍵を投げ返すと、その目が「さっさと消えろ!」と言っていることに気付き、お暇することにした。

コンパスを頼りに進んでいると、数百メートル進んだところでフィリップが「みんなに言わなきゃいけないことがあるんだ」、と話を切り出した。「こんなものを見つけたんだ」そう言って鞄から取り出したのは高さはおよそ十五センチほどのガラスのビンだった。一目でその中に何かが入っていることに気が付いた。それは羽の付いた人形のようだった。フィリップがビンの蓋を開けると、その人形が飛び出した。「紹介するね、檻の中での同居人のベルだよ」「初めまして、ベルよ」ベルが挨拶したため、私も挨拶を返した。「初めまして、私はスミーという」私にならい、ほかの皆も自己紹介をする。本題に移る前にひとつ質問をする。

「もしかしなくても、貴女は妖精なのかい?」「ええ、そうよ」

そして本題のほう。「貴女はなぜビンの中に?」すると少し躊躇った後、話し始めた。

「えーっとね、この島に興味があって、ちょっといろいろと調べてたんだけど、知りすぎちゃったみたい。で、捕まっちゃたわけ」

「それで何を知ってしまったんだ?」

「そうね・・・。例えばここの人たちが植物を扱ってるのを見た?あれはその辺の植物じゃなくて、あの人たちの指とかを変化させてるの。器用な人だと髪でもできるらしいの。年を取るにつれて、変化させることが出来る部分が広くなるの。で、寿命で死ぬと、全身が植物に変わるのよ。例えばこの木」

コンコン、と彼女のそばにあった木の幹を叩いた。

「この木も昔は人間だったのよ。で、もし寿命じゃなくて、事故とか病気とかで死ぬと土になって、この島の一部になるの。それで、死んじゃったとしてもまだ意思?みたいなのが生きていて、動くことが出来るの。だからよく木が日当たりがいい場所に移動しているし、この島自体も移動しているのよ。」

「だから地図にはこの島が描き込まれていなかったのか」

「ええ、そうね。きっと全く違うところに描き込まれているわ。あ、あと、この植物たちは実際は植物ではないから、冬になっても葉っぱが落ちないんだけど、なぜか実は食べられるし、薬にもなるの」

「そういえばなぜフィリップとトーマスは大丈夫だったのに私たちは村に入れなかったんだ?」

「それは、さっきも言ったように、大地も木も動いているから、人を同じ場所をぐるぐる回るようにするのは簡単よ。二人が村に行けたのは多分、森も大地もそんなに早く人の侵入に反応できなかったからじゃないかしら」

「そんなこの島の名前は何かい?」

「エヴァーグリーンよ。常に緑の島」

「この島に合うな。では私たちはそろそろ行くとするか。貴女はどうするんだい?私たちと来るかい?」

「ほんと!?いいの?ちょうど、これからどうしようかと考えていたところなのよ。飛ぶにしても島間の移動はかなり疲れるし・・・。ありがたいわ」

「よし、皆、必要なものは全部持ったか?村人たちからも何か拝借してきたか?」

「はい!俺は金を!」

「おいらは飲食料!」

「あなたたち人から盗むの!?」

「そりゃあもちろん。私たちは海賊だからね」

こうしてエヴァーグリーンでの冒険が終わった。新たな乗組員とともに。


メモ:深夜を過ぎたころ、船に着いた。二日ぶりに食べるカイルの飯はいつもと変わらずおいしかった

読んでいただきありがとうございます。これでこのシリーズはおしまいです。また何かを

書く気になったら投稿するのでお楽しみに。

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