98/149
断章 ノ Ⅱ
――微睡みから、覚める。
夢を、見ていた。
温かい夢、だっただろうか。
記憶は曖昧で、事実は泡沫に消える。
この手には何も残らず、胸はさらに空虚だ。
それでも、使命感だけがある。
なにを、するんだっけ――
――リィン。居るか?
――はい。ここに。
――俺は、何をしていたんだっけ。
――貴方は……。
――いや、どうでも、いいか。
――……えぇ。そうですね。どうでも、いいことです。
――ゆめを、見ていたよ。
――夢、ですか。
――ドワーフ達の、国を旅したときの……ゆめだ。
――えぇ。貴方はそこにも行きましたね。
――俺が……? あぁ、いや、もう……覚えていないな。ゆめは、ゆめだ。
――えぇ。そうです。夢は夢。泡沫に消える、ただの、夢。
――そう……全ては、泡沫。
俺は、微睡む。
王座が光る。
人の魂の光が、俺を包み。優しくそっと、抱きしめてくれる。
あぁ、温かい。
――それで……。
――うん?
――次は、貴方は何処へいったのでしたっけ。
――あぁ、次は……――――
俺は、微睡む。
ここで。
独り。
この世界が平和になるまで。




