4 勝てる相手?負ける相手?からの……
こんにちは、こんばんわオジサンです。
今日も、普通の生活を通常営業で送っています。
平岡くんとの戦いの後、色々考えて静かに過ごしていた。
お金の使い方も考えなきゃだし、ただのオジサンがそんなにポンポン札を出せるわけもないんだからと、自重していた。
相変わらず、掲示板パトロール的な事をしていると、色々な人がいる。
プロフを見て考える。
やはり、ワタシが勝てそうな相手が良いのか? スゴい体格の人過ぎるとヘンナオジサンに勝ち目はない。何せただのオジサンなのだから。
うーん、シゴトシゴト。
と、早朝まだ暗い時間に納品するとあるお店。
搬入口が開く時間に朝イチ早番の人が出勤している。
バイクで出勤して、ワタシの作業中あいさつしてくれる男子。
バイク置場から、ピョコピョコ小走りでいつも移動している彼は、小柄だが何となく学生時代は陸上していたのかな?と思うほど身軽な動き。
ただ、顔はカワイイ系の普通イケメンさん。
多分身長が高かったら相当モテそうだけど、ワタシの肩より低い身長の彼は一般的にはモテない方になるのか? あいさつしてくれるけど人見知りもありそう。
彼は、赤木さん【仮名】。
僕の中では赤木君って勝手に君付けしたくなるようなバンビ系男子。
ピョコピョコなイメージだが、仕事は真面目。
一度営業時間中に行った時に、すぐワタシのことに気付いてくれた彼は真面目に作業してましたよ。
うん、そんな好印象の彼赤木君。
扉の中に吸い込まれるいつもの彼の姿……とはいかず何故か朝イチで鍵が開かないらしい。
赤木君はどこか開いてるドアが無いか探してたけど、まあ当然全滅。
扉の前で呆然としてます。
オジサンは、納品の支度を済ませて、整理をしていた。
そこで、オジサンの脳ミソがピンと働きました。
『あれ? 今って赤木君と腕相撲出来るんじゃない?』と。
他の人は、とりあえず自分の車に引き上げて行った中、バイク出勤の彼はドア前に佇んでいる。
オジサン、ふらふらと赤木君に忍び寄る。
私「何か開くまではヒマそうですね」
赤木「(ビクッ!)え、えぇ鍵持ってる人がくるまでは……」
会話が止まりそうになるけど、ここで勝負でしょう。
私「ちょっとだけヒマ潰しに、トラックのあそこで腕相撲してみます?」
目線の先にはトラック後部の観音扉が開いた荷台の床面。
赤木「僕弱いですよ」
私「それはやってみないと分からないですよ」
と、肩をポンポンしてみると、赤木君は僕を見上げてきて、荷台の方に足を進めてくれた。
赤木「ほんとに弱いんですけど良いですか?」
と、バイクの彼は上に着込んでいるジャケットを脱ぐ。
私「ちなみに、身長体重ってどのくらいですか?」
赤木「え?152cm……40kgです」
めちゃくちゃ恥ずかしそうに小声で言ってくれる。
私「でも、バイク乗ってきてるから、筋肉付いてそうだけど」
赤木「全然大したこと無いです」
謙遜してるけど、彼は色々な物を品出しするのも知っているので、腕の細かな筋肉まで鍛えられているのでは?と本当にワタシは思っている。
私「まあ、一度やってみますか」
右手同士組んで用意OK。
赤木君は、30代真ん中行かないくらいに見える。
身長と同じく小さい手とワタシの比較的大きめの手を組むと、完全にワタシの手が包み込むような感じ。
私「レディー…Go!」
グッと力のこもった状態。
んんっ? これ、平岡くんの右より強いわ。
あまり余裕無いから、こっちも必死に力を入れる!
赤木「あっ……」
それでもじわじわくらいの勢いで赤木君が追い込まれる。
こんなの、余裕こいたら反対に負けてしまう。
一気に押し込む。
赤木「んっ、やっぱり負けました」
私「いや、予想よりだいぶ強いですよ!」
これ、平岡くん赤木君がやったら、完全に下克上的な画が出来上がってしまうと思う。
私「想像越えてましたよ!じゃあ左も…」
赤木君も、まあ仕方ないって感じで、左を構える。
私「レディーGo!」
『コンッ』
私「えっ?」
簡単に勝ってしまった。
赤木「左、弱いんです(苦笑い)」
ちょっと左右差激しすぎてびっくりなんだけど、左はワタシが最初から気合い入れてたからか、どのくらいの強さか分からないくらいあっさり勝てた。
私「でも、右の強さには驚きましたよ」
赤木「そんなことないですよ」
右腕軽く掴んでみると、そこそこ普通の太さ。
さっき、肩をポンポンしたとき、ちょっと肉付きを感じたから、40kgでも付くところには付いてるんだろう。
平岡くんの細長い腕より太いところは太い。
身長だけでは分からないところもあるなー。
誰か「ハイハイ、鍵持ってきたよー」
赤木君が反応して、
赤木「あ、開きそうなので」
私「あぁ、ありがとうございました」
赤木「いえいえ」
私「仕事頑張って下さい」
すると、手を上げて合図してくれながら、店の中に入っていった。
正直、小さいけどカッコよかった。




