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第51話 ドワーフの国アヘンバッハ

カミラ達は自分たちのエアフルトドワーフの国(アヘンバッハ)の国境まで来ていた。

エアフルト側の国境には砦のような建物が有り入出国者を厳しくチェックしていたがカミラ達は何も問題なく通過できた。しかしドワーフ側の国境には砦はおろかドワーフ一人すら居ない。



「師匠、何も無いですね。ドワーフ達には危機管理が無いのですか?」


「いや、そんなことは無いぞ。王都(ルフタ)まで行けば立派な城壁が有って検問も厳しいからな」



カミラ曰く、ドワーフの国は岩場だらけで瘦せた土地が多いため他国からしても魅力を感じない土地らしい。そのため他国から侵略される心配がとても低く国境に砦を造ってまで守るメリットが無いらしい。

対照的に王都のあるリート火山には希少価値の高い鉱石が大量に地下に埋まっているのでしっかり管理している。



「だからな、王都(ルフタ)からこんなに離れた場所を守ったりしないし、ドワーフ達を見ることも余り無いと思うわよ。居たとしても、鍛冶仕事が嫌いで商売や冒険者になってる数少ない変わり者ぐらいよ!」



国境から王都までは、まだ馬車で一ヶ月ほどかかる距離が有る。



「王都まで結構暇になりそうですね」


「いや、結構楽しめると思うぞ。もうすぐドワーフ国の8割を占める岩場地帯に入るから結構強いモンスターが出てくるようになるはずだから」


「師匠!ホントですか?狩りまくるぞ~」



ドワーフの国(アヘンバッハ)の岩場地帯にはロックタートル・クリフワイバーン・各種ゴーレム・地竜などが出る。


●ロックタートル 岩の鱗と岩の甲羅に覆われた亀。体調10mで非常に防御力が高く普通の攻撃力ではダメージが通りづらい。逆に攻撃力は弱く動きも遅い。時間をかければ倒せなくもないが効率が悪い。


●クリフワイバーン 崖に巣を作る飛竜で頭上から高速で攻撃をしてくる。鋭いクチバシトと爪で攻撃してくる。スピードも速く攻撃力もそこそこあるが、直線的な攻撃が多く避けやすいので遠隔からの攻撃手段が有れば倒せる。


●各種ゴーレム 様々な鉱石のゴーレムが存在して倒し方が違う。物理攻撃は基本効果が弱い。魔法もゴーレムによって属性を使い分ける必要がある。ゴーレムを見極めて相性の良い属性魔法で倒すしかない。


●地竜 ワイバーンなどの亜竜と違い源種の竜。強さの次元が違うため普通は倒せないがカミラのよう冒険者ランクS以上の者なら倒せる。竜の根源種はドーラただ一人で、その下に源種の地竜や水竜などが多く存在する。(ドーラは創造神が創造して産まれてきたらしい。ドーラに記憶はない。)


アンジーが馬車から身を乗り出してモンスターを探し始める。



「早くこいこい!モ・ン・ス・ター♡」



数時間後・・・・モンスターは現れなかった。その日は何もない岩場地帯で野営することになったが結局何事もなく終わってしまう。



「何だよ~~!明日こそは見つけて倒してやるんだからね!」


「速く寝なさい!バカ弟子」


「おやすみなさい (T_T)/~~~」



その後、クリフワイバーンやロックタートルに遭遇して倒していく。7歳のアンジーは想像以上に強かった。しかし、一番出会いたかった地竜に出会う事ないままドワーフの国(アヘンバッハ)王都(ルフタ)へ順調に近づいていた。



「師匠!地竜は居ないですかね?戦いたいです」


「フフフ、アンジーにはまだ無理でしょうね。ロックタートルの甲羅を一撃で真っ二つに出来ないようでは、傷を与えることなど出来ないですからね」



カミラの言う通りアンジーはロックタートルの甲羅の防除力にかなり苦戦していた。倒しはしたが、甲羅に傷を付けることは出来ても一撃で真っ二つにする程の攻撃力はまだ無い。



「えぇ~アイツより硬いんですか?それは無理ですね。やはりドワーフの国(アヘンバッハ)で剣を新調しないと駄目ですね」


「武器もだが、剣技も鍛えないとな!」


「はい!師匠今後もよろしくお願いしますね」


話をしていると前からこちらに向かってきていた数台の馬車と一台の豪華な馬車を見てカミラが何かに気づく。

エルフであるカミラは視力がとても良いので遮るものが無ければ馬車の中まで見ることが出来る。



「おかしいな?沢山のドワーフを乗せた馬車なんて初めて見る。しかも御者が普通の人間なんて・・・・!!」



カミラがドーワーフ達の首に付けられた物を見付けた瞬間、鬼のような表情になった。



「あいつ等は絶対に許さん。ぶち殺してやる」


「師匠どうしたんですか?顔、怖いですよ」


「説明は後だ!手綱をたのむぞ!」



カミラが御者台から飛び降り前から来ていた馬車に向かって走っていった。



「師匠~~!」



あっという間に馬車の前に立ちふさがったカミラが怒号を上げる。



「馬車を止めろ!貴様らどこの国の者だ!」



カミラの殺気を纏った怒号によって大気が震え大地が揺れる。

馬車を引いていた先頭の馬がカミラの殺気を受け、絶命して倒れる。



「何だ何だ?」



馬車からの男達が降りてくるがどいつもこいつもまともな顔をしていない上に武器を片手に持っていた。その面々を見た瞬間にカミラが動き出すと、男達は次々に地面に正座したように崩れ落ちる。

男達の両脚の腱をカミラが切り落としていく。



「お前たちは、奴隷の首輪を使ってドワーフを誘拐し何をしている!答えなければ一人づつ四肢を切断し首を刎ねていく!さぁー話せ!」


「それから、後ろの豪華な馬車に乗っている貴方も今すぐ出てきなさい!」



男達は自分達に何が起こったのかまだ理解できていないようだ。

余りにも一瞬の出来事で痛みを感じる時間すらなかったので気づけば地面に座っていた、そして数秒後から脈打つように両足首に熱さと痛みを感じ始めた。

土色の地面が男達の足首の傷から流れ出す血液によって赤黒く染まっていく。



「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


「ぎゃぁー!」


「死。死ぬーーー!」



男達が遅れてやってきた恐怖で悲鳴をあげる。

余りの悲鳴のうるささに、普段は苦手であまり使わない火魔法で足首の傷を焼いて止血してやるが苦手な事もあり1人は全身に火がついて絶命してしまう。



「うるさいぞ!止血はしてやったんだ死ぬことは無いから泣きわめくな!バカどもが!」


「それから、馬車の中の貴方は早く出てきなさい!出てこないなら馬車ごと燃やしますよ!」



先程もだがカミラの口調が馬車の中の人物に対してだけ少し違う。

ようやく豪華な馬車の中から一人の男が出て来た。

貴族のような服装の男が降りて来るとカミラが冷たく氷のような表情でその男をにらみつける。



「久し振りね、クーロ伯爵何年ぶりかしらね。こんな所で第一王妃の犬が何をしているのかしら?」









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