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第45話 ガラの悪い男達

アーロン達はゆっくりと馬車を進めていく。

シルフィーとドーラは前方から近づいて来る馬車など一切気に留めずに馬車の中で寛いでいた。

アーロン達の馬車とガラの悪い男達の馬車との距離が徐々に近づく。



「アーロン!頑張ってね~ フフフ。」



急にシルフィーが変な事を言いだす。アーロンが後ろに居るシルフィーに振り返ると同時に、アーロン達の馬車が静かに停止した。

何事かと思いアーロンは直ぐに御者台のドワーフのクローンに意識を送ると前方の馬車が街道を塞ぐように横向きに停車している。

ガラの悪い男達が武器を持ってニヤニヤと笑っているところだった。


アーロンは面倒事を避けたかったのに向こうから仕掛けてきたのだ。



「止まれ!馬車を止めるんだ!」


「御者の爺~馬車の中には他にも誰か居るのか?」


「ワ、ワシ以外は荷物だけじゃ~。」



アーロンの最新クローンは最低限の会話もできるようになっている。

今は、アーロンがクローンの口を通して会話していた。



「御者はドワーフだったか!丁度いい。馬車と荷物は俺達が貰ってやるぜ!」


「解った!馬車と荷物をお前たちにやるから命だけは助けてくれ~」



アーロンが馬車の中から迫真の演技をクローンにさせている。

シルフィーとドーラも楽しい事が始まったとウキウキしだした。

ドーラは馬車の幌の隙間から外の様子を覗き見している。



「爺~残念だったな。今はお前みたいなドワーフでも金になるんでね。命は助けてやるが奴隷になってもらうぞ。」


「そんな~」



男達が少しずつアーロン達の馬車に近づいて来る。



「お前達!爺が嘘言ってる可能性があるから馬車には慎重に近づくんだぞ。それから馬車とそのデカい馬は無傷で手に入れろ分かったか!」


「ヘイ!了解ですぜ。」



馬車の中では作戦会議が行われていた。



「どうしようか?」


「向こうから仕掛けてきたのじゃから皆殺しで良いのではないか?」


「良いわね~やっちゃう?。フフフ」



二人は相変わらず残酷である。



「そうじゃなくてね。近づいてきて気付いたんだけど檻の中に沢山の首輪を付けたドワーフが居るんだよ。しかも、あの首輪はたぶん奴隷の首輪だったと思うんだよね。」


「昔あの奴隷の首輪は、僕がこの国での使用を禁止したんだよね。あいつ等が何故持ってるのか気になってて、出来れば入手先を知りたいんだけど。」


アーロンが奴隷の首輪に気付いた。多種族と仲良く暮らせる国を目指していたアーロンからすると放置出来ない事が目の前で起こっているので調べておきたい。



「じゃぁ~皆殺しは無じゃの。皆、半殺し?  半殺しは手加減が難しいから妾は好かぬ!」


「ドーラ!半殺しもダメよ。色々と聞きだせなくなっちゃうでしょ!。」


「どうしようか?」


「そんなの簡単じゃない。リーダーぽい奴がいるでしょ、あいつ以外を皆殺しよー! フフフ。そうすれば面倒くさくないし、全部話してくれるはずだわ。」


「それなら手加減しなくていいから簡単じゃの。後は妾に任せるにじゃ。」


「・・・・・(;一_一)」



あっという間に作戦会議が終了する。  過激派の勝利!!



アーロンは考えるのを放棄する。

正直、相手は強盗しに来てるわけだし平気で人を殺すような輩だ。こちら側が優しくしてやる必要なんてないし自業自得である。

アーロンは奴隷の首輪の入手先さえ解れば問題ないと割り切る事にした。



「よし!そうしよう。ドーラにお願いするね。あの偉そうなやつ以外は好きにしていいからさ。」


「任せよ。久しぶりに暴れてやるのじゃ、奴らには竜神の恐ろしさを見せ付けてやるとするかの!」


「たっぷりと怖がらせてやりなさい。その方がベラベラ喋ると思うし、次の作業も楽になるってもんでしょう。」



アーロンはこれから起こる惨劇を見る勇気が無くなり馬車の中でうつ向いている。

そんなアーロンの肩をポンポンとドーラが叩いて話しかけてきた。



「そんなに落ち込む必要などないぞ。妾が全て終わらせてきてやるから元気を出すのじゃ。」



ドーラはアーロンが奴隷の首輪の事で落ち込んでいると勘違いをしている。

アーロンを励まし終わると肩をブンブン回して軽くストレッチをして気合を入れはじめた。



「やってやるのじゃ!アーロンに妾の有能さを見せるのじゃ~!」



その姿を見たアーロンは嫌な予感がしたのでシルフィーに話しかけた。



「シルフィー。嫌な予感がするから一緒に行ってくれる?」


「そうね。ドーラの奴かなりやる気になってるから、とんでもない事になりそうね・・。」



準備体操が終わったドーラは掛け声と共に馬車から飛び出して行ってしまった。その後をシルフィーが追いかけて出て行く。



「とう!」


「待ちなさいよ!」



馬車に残ったアーロンは再びクローンに意識を送り直して、外の状況を見ることにする。









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