#88 xxx(クロス)
最終回です。
交わる空間。
エンタースイッチ。
◆
「あの禿にも、二つ名があんのかよ」
小林がジュースを噴きこばした。
「あ~~汚いやっちゃな~~」
その様子に、江頭が噴き出す。
「みんな、なんやかんやとあんのさ」
江頭が煙草の煙を噴く。
「…どんな、二つ名なの」
「聞きたい~~? 興味あんだ」
「--あるよ」
「いい趣味じゃあねェ~~なぁ」
「--アンタも、大概でしょうが」
ぷっは~~。
「だな」
◆
江頭も凛も《移住住民票》とか言い出していた。
意味が分からず。
「何の話し、してんだよ」
入江の言葉の語尾も強くなる。
「何って。ゲームの参加の選択用紙ですよ」
「あの魔女どもとの戦いの場だ」
江頭と凛の息が合う。
「いま、全スタッフの元に通知した」
江頭が顔を窓の外へと向ける。何も見えはしないのに。
「行きたい奴ぁ、行けばいい」
「チーフも行くんですか? やっぱり」
「当ったり前だろうが! ボケが。俺ぁ、魔女側だ」
その言葉に、入江の胸が痛む。
「小林さんは勇者ポジなので、必然的に強制ですよ」
その言葉に、入江はなんの興味も沸かなかった。
「あっそ!」
五十嵐は顎に手を置いていた。
すると。
『五十嵐冬生、21歳。貴方には選択肢があります』
目の前にキラキラと光る黄金の紙が浮き、クルクルと回っていた。
それを、入江も横目で見ていた。
(へェ、これが。アレか)
『貴方の妻、五十嵐みおの選択は《移住》でした』
五十嵐の肩が大きく揺れた。
「さっすが、俺の嫁さんだわ!」
膝を何度も、両手で叩く。
「行くぜ! 俺は《移住》の選択する!」
そして、入江の肩を叩く。
すると。
『入江出口、19歳。貴方には選択肢があります』
入江の前にも、金の紙がクルクル回っていた。
しかし。
「…俺の選択肢はーー」
「行くよな~~出口ちゃんも~~」
チラ。
入江は江頭を見た。
ニッコリ。
江頭は笑っていた。
彼は分かっているようだった。
同様に。
苦笑する、凛。
「俺はーー行かない」
◆
「あいつの二つ名は《情愛の出口》だってよ」
小林の目が点となる。
「何、それ」
「なんやかんやとあいつ、誰にでも手を貸して手伝うだろぉ~~?」
「そうだな」
二人が見る空は、黄昏色だった。
「溺れてんだ、愛にも色々あっからな」
「救いようがない、お人よしだもんね。あの禿」
「そうそう」
ぷっは~~ーー…。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
ノクターンノベルズに引っ越します。
また、出来ればよろしくお願いします‼(泣)




