#20 不穏な空気。
アマゾンのような密林。ただ、違うのは。
木や虫、空や地面。
似ていて、異なること。
「ま。さっきの砂漠よかましっぽいっスねー小林さん」
「どっちもどっちな感じなんだけど」
◆
「フフフ。来た、来おったぞォ~~クラリス~~」
オペラグラスを向ける。
「煩い。クラレント」
クラレスは、はしゃぐクラレントを叱咤する。
細い目をさらに細め、クラレスをクラレントは睨む。
「……何?」
低い声でクラレスは聞く。
「べっつにぃ~~!」
この二人は、彼を監視するために、ある人物から派遣されている。
「さて。今回はどうーーこの窮地を乗り越えるのかのぉ~~」
クラレントが肩を揺らし、ほくそくむ。
(悪趣味)
クラレスがため息交じりに呟く。
そして、眼下に広がる原始林。そして、あの4人を見下ろす。
「--どっちも、どっちか」
そう吐き捨てた。
◆
「俺、一度は探検隊とかになりたかったんだよな~~」
能天気に入江が言う。
「出口ーはしゃぎ過ぎだー」
さすがに五十嵐が注意する。
「え~~でも五十嵐チーフだってそうじゃないのか~~??」
「とっくにそんな興味心は捨てたよ」
「ぅっわ~~面白味の……」
グイ!
五十嵐が入江の両方の頬を掴み伸ばす。
「うっせ~~よ! 子供が!」
バンッバン!
入江は五十嵐の腕を叩く。
頬が痛い。そりゃあ、そうだ。
「ほら。コントはいいから」
小林が五十嵐から、入江を奪う。
入江は小林に抱えられる恰好となっている。
「……小林さん、アンタってばー」
入江も呆然とする。
(腹ンとこに圧迫が……なんでだ??)
入江が腹へと手をやると、小林の腕が巻きついていた。
「ぅオ゛‼」
ジタバタ!
入江が、小林の腕の中で暴れ出す。
「っち」
小林も入江を離した。
「う、浦飯さん、だ、大丈夫だったかい??」
ヨタヨタ、と浦飯へと入江が小林の身体を腕で弾き寄っていく。
「うんーありがとねー~~」
「へへへ」
二人が頬を朱に染める。
◆
ガサ、ガササ。
4人は道のない場所を、手で葉をどかし、当てもなく進んで行く。
「暑い! あっつい~~‼」
暑さが、あの最初の舞台と同じだった。
火傷を負うメリットがないだけ、ここはいいがーー細心の注意払わなくては。
なんて思う五十嵐や、小林を他所に。
「あーこの花きれい~~」
「お! あの木、実っぽいのあるぜ!」
あの二人は、和気藹々とする。
この二人には注意することや、危険察し能力が欠如しているようだった。
「「おいおい……」」
五十嵐と小林が呆れた声を漏らす。
◆
(それにしても。ここはーー……)
小林が辺りを見渡す。
(何か、何だろうか。この違和感)
顔を被り振る。
何も視るな。
頭の中で、そう言葉が浮かぶ。
小林も、頷く。
「何も、考えない」
◆
入江は小林を見ていた。
小林は半歩後ろで歩いており、遅れていた。
「ん? どったの? 入江ちゃん」
「んー~~いや。何でもねェよ」
半分、嘘。
小林の異変に、入江が気づいていた。
恐らく、この3人の中、入江だけが。




