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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第四章 行商仕入れ旅編
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第七話 ノーステリア大公爵領到着

2021/05/30 シャルロッテのステータス表記を追加し、一部内容の修正をしました。

王都を発ってから、《ノーステリア大公爵領》に約一ヶ月掛けて辿り着いた。


その間も、色々と仕入れる事ができた。


《ヤッチマッタ街》を発って程無く、生姜と蓮根を安く手に入れた。

ワインとエールの生産地では、樽で大量に購入する事で安くして貰った。


特別安いという訳ではないが、服や生地や靴を多く扱う街があった。

《エシャット村》には地味なものしか無いので、大量に買ってしまった。


その街では、ミーリアに丁度いいお土産を買う事ができた。

いつまで経っても帰らない僕に、多分怒ってると思う。


そして、忘れずにダニエル商会にも商品を卸しに行っている。


正体不明の喋る《子狐》は、あれ以来現れなかった。

シロンは、『動物枠は、もういっぱいニャ!』と言って、牽制していた。


僕はモフモフしたかったのに、実に残念である。



「ノーステリア大公爵領に入ったぞ」


「やっと、着いたニャ!」


「ヒヒーン!」


「残念だけど、目的地の領都まで、まだ結構あるからな」


「ご主人と一緒なら、別に構わないニャ!」


「ヒヒーン!」


シロンとシャルロッテは目的地に到着していない事を知っても、落ち込む様子は無かった。

旅自体が、楽しいみたいだ。



この間、シャルロッテが《元日本人の転生者》だという事が分かった。


シャルロッテは、偶に走るスピードが急に速くなる事がある。

その理由は、ステータスを見て分かった。


【名前】シャルロッテ

【年齢】三才

【種族】馬

【性別】雌

【職業】ニコルのペット

【称号】-

【レベル】4

【体力】1300/1300

【魔力】80/80

【攻撃力】80

【物理防御力】1300

【魔法防御力】8

【筋力】80(40×2)

【敏捷】80(40×2)

【持久力】80(40×2)

【精神力】8

【知力】8

【運】8


【固有スキル】走行経験値取得(負荷変動)/[?]

【スキル】筋力上昇(Lv1)/敏捷上昇(Lv1)/持久力上昇(Lv1)

     体力回復(Lv1)

【魔法】-

【武器】-

【防具】-

【アイテム】荷車



《固有スキル》の《走行経験値取得(負荷変動)》で、レベルが上がっていたのだ。


シャルロッテが自走するだけでは、経験値は入らなかった。

あくまでも、荷車を引いたり騎乗して負荷がないと駄目らしい。


しかも、負荷が大きい方が経験値も良かった。


試しに《鉄の荷車》を引かせてみたら、シャルロッテは喜んだ。

しかし街中だと目立つので、直ぐに止めてしまった。


今は普通の荷車に、水の入った樽をいくつも積んでいる。


《固有スキル》にシロンと同じ《[?]》があったが、これは調べても分からなかった。



三日後、目の前に領都を囲う壁が見えた。


領都の名前は、領名と同じ《ノーステリア街》である。


「やっと、目的地の領都の壁が見えたぞ」


「着いたニャ!」


「ヒヒーン!」


ノーステリア大公爵領に入ってから大規模農場や酪農場が多くあったが、そこで仕入れる事はできなかった。

どこも、『販売先が決まってる』と断られた。


「大きな壁ニャ!」


「王都と同じで、立派だな」


高さや佇まいは勿論立派だが、壁の中の面積を比べると王都の約二倍ある。

そして、その壁の門の前には多くの人が並んでいた。


暫く待つと、衛兵に商業ギルドカードを見せすんなり門を潜る事ができた。



門を潜ると商店が多く立ち並び、立ち寄ったどの街よりも人が多く活気に溢れていた。


僕は早速、商業ギルドへ情報を仕入れに足を運んだ。

そして、いつもの様に塩を売った。


「査定した結果、大変上質だったので十キロで三十万マネーになります。よろしいでしょうか?」


ここの土地は内陸という事もあり、塩の値段がエシャット村の隣街と比べ五割り増しの値が付いた。

実は王都から北に行くにつれ、少しずつ塩の値段が上がっていたのだ。


「はい、その金額でお願いします」


「分かりました。それでこの上質の塩、まだお持ちではないですか?」


「そうですね。あと四十キロなら」


「はい、ありがとうございます。助かります」


塩が欲しい理由を聞いたら、どうも《貴族用》に多めに欲しかったらしい。

僕は五十キロの塩と引き換えに、百五十万マネーを受け取った。



そして恒例の、売れずに困っている人はいないか聞いてみた。


「この領地では、そういう方はいないんじゃないですかね」


あっさりと、そう告げられてしまった。

その回答は、道中なんとなく予想していた。


「そうですか」


「それじゃ、露店を開ける場所を教えてください」


「すみません。この領都では、そういう場所は無いんです。みなさん、お店を構えてらっしゃいます」


「えー! 折角、ここまで来たのにー」


そんな情報、《検索ツール》では分からなかった。



「領都の外から来る人達は、領都に店を持っているか、店と契約して卸しに来るかですね」


「それなら、僕にも卸せそうなお店はありませんか?」


「どんな物を、お持ちですか?」


僕は、いろいろあり過ぎて悩んだ。


「えーと、《鋼のインゴット》なんですけど」


「あー、それでしたら丁度良かった。最近、不足してるんですよ。ですが、ここでも買取りできますよ」


それは、僕も思った。


「だけど、直接売ったほうが高く買取ってくれるんですよね?」


「そっ、それはー、その通りです」


買取り担当者の声のトーンが、少し下がった。

しかしそれでも、ちゃんと《鍛冶屋》を紹介してくれた。


「ありがとうございました」


「また、お待ちしてます」


僕は来たついでに、馬車を置ける家を一週間受付けで借りた。


そして、借家より近くにある鍛冶屋に向かった。

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