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神様候補の転生者は異世界のんびり生活を所望する  作者: sato
第五章 エシャット村発展編
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第四十一話 コカトリス

2020/10/26 ルチアナ義姉さんの出産を追加し、一部内容を修正しました。

プラーク街を案内した翌日、僕は自宅で休んでいた。


毎日案内するという訳ではなかったので、救われた気分だ。


するとその日の午後、父さんが僕の家にやって来て、狩猟班の事で話しがあると言い出した。


「ニコル。狩猟班の残りの五人も、ダンジョンに行きたいって言いに来たぞ」


「あれ? ダンジョンは危険だからって、妻帯者は行かないんじゃなかったの?」


「いやな、ニック達がたいした怪我もせず、成果を上げてるだろ。どうやら、対抗心を燃やしたらしいんだ」


「そうなんだ。僕は同行できないけど、装備や道具は提供できるよ」


「ああ、それで構わない。面倒は、ニック達に任せる」


「うん、頼むよ。それと、ニックさん達には言ってあるけど、大怪我をしたくないならあまり奥に行かないよう注意してね。《ウーシ》あたりから、かなり危険だから」


「ああ、分かった。俺から、言い聞かせる」


後日、残りの狩猟班を集めて、装備や道具を手渡す事になった。


ダンジョン組の人数が増えれば、僕がわざわざ狩りに行く必要は無くなりそうだ。



野鶏の方も、進展があった。


「ケイコ。この雛達は、連れて行っていいのか?」


「コケー!」


「ご主人様、どうぞって言ってるニャ」


僕は暇を見付けては、ケイコにトウモローコシを与えに来ていた。


その間、ケイコは約一日に一個のペースで、たまごを産んだ。

たまごを十一日掛けて十個産み終わると、まとめて温めに入った。


そのたまごは二十一日後、孵化する事となった。


「くー! スキルで僕に服従だからって、文句も言わず子供を差し出すのか!」


僕は右腕で両目を押さえ、涙を堪えた。

他の野鶏とは違い、僕に懐いたケイコの子供だと思うと辛くなった。


「ご主人、まだそんな事言ってるニャ」


「だってさー、ひっく」


今にも、涙がこぼれそうだった。


「そんな事言ってたら、家畜なんて一生食べれないニャ」


「ううっ。シロンの言う事は、もっともだ」


僕はケイコの子供十羽を鑑定し、雌の雛六羽をエシャット村に持ち帰った。



「ダリルさん。野鶏の雛を、連れて来たよ」


「ニコルか。街案内で忙しいのに、大変だな」


「ええ、まあ。それで、この六羽別に育てて欲しいんですけど」


「それは構わないが、どうしてだ?」


「この雛は全て雌で、育てば沢山たまごを産むかもしれないんです」


「そう言えば、まだ産卵の時期には早いな」


「そうなんです。それで、この雛達はたまご採取を目的に、育てて欲しいんです」


「そうか、分かった。やってみるよ」


僕は情が移り、せめて長生きできるようにと思っての配慮だった。


それに、狩猟班がダンジョンに行くようになり、肉は何とか確保できそうだった。

たまごはノーステリア大公爵領で仕入れてるが、上手くいけばその必要も無くなるかもしれない。


僕はダリルさんに雛を託し、養鶏場を後にした。



その後、プラーク街の案内役を精力的にこなした。


父さんからは、『希望者全員、一度は案内してやってくれ』と頼まれている。

同じ場所を何度も案内するのは、正直しんどかった。



二月下旬になり、妊娠中のルチアナ義姉さんが無事女の子を出産した。


女の子は、『ジーナ』と名付けられた。

親であるジーク兄さんとルチアナ義姉さんの名前から、父さんが思いついた案が採用された。


お祝いに赤ちゃん用のベッドと服をあげたら、凄く喜んでくれた。

とうとう僕も、叔父さんになってしまった。



三月下旬になり、ようやくプラーク街の案内役の任は解かれた。


基本のんびり過ごしたいのだが、何だかずっと忙しい気がする。



四月になり、僕は十七歳になった。


身長も四センチ伸び、百七十九センチになっていた。


「時間に余裕もできたし、《コカトリス》を手に入れに行くかな」


僕は早速、プラーク街のダンジョンに向かった。


今までは村で安価で売れる食材を狩っていたので、ダンジョンの奥へは行ってない。

初級者向けダンジョンなので、大ボスのコカトリスまでは、シロンが変装したクロンも活躍していた。


「シロン、コカトリスはちょっと厄介なんだ。シャルロッテと、待っててくれないか?」


「ご主人と、一緒に行きたいニャ」


「コカトリスに、石にされちゃうぞ」


「それは、嫌ニャ」


シロンはその一言で諦め、《亜空間農場》で待機する事になった。

コカトリスは《石化》の攻撃を仕掛けてくるので、万が一の事を考えての配慮だった。


とは言うものの、僕は自らをその危険に晒す実験の為、一人でボス部屋へ突入した。


「うわっ、でかいな」


「グギャーーー!」


コカトリスは対峙すると、いきなり石化の息を吐いた。


僕はその攻撃を避けず、わざと受けた。


『ピカー!』


僕の体が光り、石化攻撃をレジストした事を示した。


「このネックレス、ちゃんと効いてるな。実験とはいえ、石化攻撃をまともに受けて、内心冷や冷やだよ」


《状態異常耐性》のネックレスを苦労して作ったので、魔物相手に効力を確かめたかったのだ。


その後も石化攻撃を受けてみたが、異常は見受けられなかった。


「よし! 実験はもういいや」


ネックレスの効果を確認すると、五メートルを越えるコカトリスの巨体を駆け上り、魔力を込めた魔鋼の剣で首を一線した。


「ギャーーー!」


首は『ドスン』と落ち、コカトリスは白い光りに包まれた。

そして、光りの中から現れたのは、首の繋がったコカトリスの死骸だった。


「こんなでかいの、ドロップするのかよ」


良く見ると、コカトリスの横には小さな宝箱があった。


「宝箱もあるのか。中身は何かな?」


宝箱に近付き、その蓋を開けてみた。


「袋? ただの袋じゃないよな。鑑定してみるか」


宝箱の中には袋が一つあり、鑑定してみた。


「やっぱり、魔法袋か。しかも、特大サイズだ。コカトリスを持ち帰るには、丁度いいな」


たぶん、コカトリスを持ち帰るのに、ダンジョンが気を利かせてくれたんだと思う。


ダンジョン産の魔法袋は、売ればかなりの高額になる。

それは、コカトリスも同様だった。


「取り敢えず、《亜空間収納》にしまっとこう」


お金に困っている訳ではないので、コカトリスを売るつもりはない。

どちらかと言うと、どんな味がするのか凄く興味があった。


「さて、帰るかな」


目的を果たしたので、僕は帰ろうとした。


すると、目の前に突然人が現れた。

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