表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やりたい事をやる為に  作者: 千月 景葉
第一章 黒き森
46/292

46. 理想の女の子部屋と現実の男の子部屋

お読みくださりありがとうございます。


寝室=マイルーム。女の子同士、男の子同士に別れました。

女の子同士は大盛り上がり。張り切っています。

男の子同士は……読んでください。

「ベッドはねぇ最初は離してあったんだけど、やっぱ姉妹だもん淋しいじゃない?だからくっつけちゃった!クロエは嫌……かな?」


 ミラベルがこれから2人が使う寝室のベッドの位置について嬉しそうに話した後、自分の判断に対してのクロエの反応を窺っている。


 クロエはベッドを見て

「わあい!嬉しいっ!ミヤベユお姉ちゃんちょ一緒にょベッロれしゅ!楽しきゅにゃりゅにぇ!わあい!」

 と顔を綻ばせ、両手を挙げて“万歳”をし、ディルクが

「うおっ!お、おいおい落ち着くんじゃクロエ!嬉しいのは分かったからの」

 と彼女を慌てて宥めた。


 ミラベルとクロエのベッドは同じサイズでガルシアの手作りだ。

 クロエは今まで二周りほど小さいサイズで柵が付いていた、これ又ガルシア作の“ベビーベッド”を使っていたのだが、この寝室大移動を機に予め用意してあった、普通サイズのベッドに両親が変えてくれたのだ。


 ミラベルがクロエの様子を見て嬉しそうに又破顔し

「だよねっ、クロエもその方が良かったよね!ウフフ~!

 ねぇ、見て見て?クロエのベッドの足下。ほら、クロエが一人で登り降り出来るように父さんが階段付けてくれたの。全部の角も円くて危なくないし、滑らないように布張りにしてくれてるんだよー!

 これならクロエも簡単に登り降り出来るからトイレも行きやすくなるしね!

 あ、そうそうこれ!扉の持ち手見て?この紐を引っ張ると……ね?クロエでも扉開けれるでしょ!ちゃんとここに紐が納せるように、長い覆いを付けてくれてるでしょ?

 後ね、アタシ達のベッドの上の窓のカーテン、今はこれ使ってるけど2人で好きな布に変えて良いよって!後から母さんの所で布見ようよ!可愛いのにしたいよね?

 でね、でね!2人の為のテーブルと椅子も父さんが作ってくれるって!どんなのが良いか2人で又考えときなさいって!楽しいよね~。

 あ、そうそう!衣装行李はこれね。こっちがアタシので、クロエはこっち!……何か地味だね。うん、この上に掛けれる飾り布を作ろうか?あ、カーテンと同じ布にしても素敵よね!クロエはどう思う?

 後は何が要るかなぁ?……クロエは何が欲しい?」

 と興奮して堰を切った様に話し出した。


 ディルクはミラベルの勢いに圧倒されて半笑いの表情で立ちすくんでいる。


 クロエはと言うと、こちらはミラベルに負けず劣らず興奮していて、あちらこちらに目をやりながら両手をバタバタさせていた。


「うわあ、うわあ!凄い凄ーい!可愛いにょ好きーー!お花みょ飾りちゃい!

 お姉ちゃん、フリリュしよフリリュ!

 えちょえちょ、チェーブリュちょイチュは白いにょも素敵らちょ思うにょ!

 後ねー………」

 と目をキラキラさせながらミラベルに提案するクロエ。


「白か!うん、素敵!クロエ冴えてる~!

 あ、じゃあ衣装行李も白に塗ってもらおうか?お揃いお揃い!

 ああ!閃いた!2人色違いの同じ模様の布で、飾り布とか椅子の敷物も作ったら良いんじゃない?ねっ?」

 とミラベルが手をポンと叩いて、クロエに逆に又提案する。


 クロエがブンブン頭を縦に振って同意しながら

「お姉ちゃん、流石!お揃い可愛いー!絶対しゅるしゅる!

 後ね、小しゃな本棚みちゃいにゃにょ欲しいにゃ~。……無理かにゃ?」

 とコテリと首をかしげてミラベルに尋ねる。


 ミラベルがクロエをビシッと指差し

「それね!うん、要るわ要る要る!白い本棚作って貰おう。飾り棚にも出来るし。1つずつ作って貰う?大きいの1つにする?悩むところねぇ~。

 危なく無いように父さんに造りは考えて貰おうね?

 う~ん、やっぱり女の子同士だと話が盛り上がるわぁ!楽しいったらありゃしない!

 クロエが居てホントに嬉しいわアタシ!姉妹って最高ーー!」

 と指差した手をぐっと握り締め、拳を高く挙げて喜びを表すミラベル。


 クロエも小さな手をぐっと握り締め

「おーー!姉妹っちぇ最高ーー!」

 と高く振り上げ、ディルクの顎にアッパーカットを喰らわせた。


「ぐあっ!」


「痛っ!……あっ、先生ぎょ免にゃしゃい!大丈夫れしゅきゃ?!」


「アハハ、先生強いのにクロエにやられちゃった!」


「儂も不意打ちは中々避けられんて……。しかし違うもんじゃの。女の子の部屋と言うものは……。儂は娘が居ないから知らんかったが、何かこう、眩しくて甘ったるいと言うか……。

 儂みたいな爺には聞いてるだけでも照れ臭くなるのう。だが其方等を見ていると良いものじゃな。ほっこりするわい」

 とディルクは痛む顎を擦り擦り、まるで孫娘達を見るような優しい目で2人を見ながら頷いている。


 ミラベルは指を立ててメトロノームの様に左右にチッチッチと振りながら

「先生、未だ未だ!これからですよぉ~。アタシ達は女の子の可愛いお部屋作りに取り掛かったばかりなんですからね!クロエと2人、これから考えて考えて、理想のお部屋にするんだから!

 そうだ!アタシ達のお部屋が完成したら先生を招待してあげます!

 初めて見る女の子の理想のお部屋で一緒に素敵なお茶会しましょ?ねっ、クロエ!」

 と、見事なウインクをしてクロエに同意を求める。


「お姉ちゃん頭良い!素敵!お茶会しまちょ!アチャシもしちゃーい!」

 と拍手しながらウンウン頷くクロエ。


 ディルクは嬉しそうに

「ハハハ、招待してくれるんじゃな。それは楽しみじゃわい。

 じゃあ儂も完成の暁には、何か其方等の部屋に似合う可愛いものを州都で誂えて贈ることにしようの」

 と話すと

「きゃあ!ホントですか?!わあ!スッゴく嬉しいーー!ワクワクしちゃう!

 クロエ、凄いね、楽しみだねぇっ!」

 とミラベルが飛び上がって大喜びする。


(ああ、ミラベルお姉ちゃん可愛いなぁ。そうだよねぇ、この世界に来て1年近く経つけど、この家の中って前の世界で慣れ親しんだ“可愛い”物が少ないんだよね……。クッションも普通だし。

 アタシもあんまり詳しくないしどっちか言うと不器用なんだけど、手芸は少ししてたから、そういうのをミラベルお姉ちゃんに教えてあげたいな。

 よし、この部屋を可愛いグッズで埋め尽くす!ミラベルお姉ちゃんと母さんにも手伝って貰ってやってみよう!)


 ミラベルがはしゃぐ姿をニコニコ見ながら、クロエは密かに決意したのであった。






「貴女達、先生をいつまで立たせたまんまにしておくの。さあ先生、リビングにどうぞ。ああクロエは私が」


 コレットはディルクからクロエを受け取るとリビングに案内する。


「母しゃん、ミヤベユお姉ちゃんちょ一緒にょお部屋ありぎゃちょう。アチャシ嬉しい!」

 とクロエがコレットに礼を言う。


「貴女が礼を言うことなんて無いのよ、クロエ。近いうちにどうせ寝室を分けるつもりだったの。まああの子のせいで少し前倒しになったけど。

 貴女とミラベルは女の子同士だから同室は当然だしね。

 ただね、貴女達と私達夫婦はいいんだけどねぇ……」

 とコレットがクロエに笑いかけてから、はあっと溜め息を吐く。


 クロエとミラベルの部屋の向かい、ライリーとコリンの部屋から話声が聞こえる。


(おい、コリン。玩具はこの箱以外に置くなよ。それとこの机の上は僕の道具が置いてある。勝手に触るなよ?

 もし勝手に触って無くしたり壊したりしたら、お前はその日から物置暮らしだからな。覚えておけよ!)


(……ライリー、気持ちは分かるが未だ何もしていないから、コリンを脅すのは止めろ。後から鍵のかかる箱をお前にやる。どうしても大事な物はそこに入れるんだ。

 ああ、本棚は改良が必要だな。扉を付けて鍵もつけるか……。後から寸法を測るから手伝ってくれ。

 結構作らにゃならん物があるなぁ。暫く畑は朝だけだな。工房に籠りゃにゃならんようだ。ライリー、お前もやってみるか?)


(そうだね。僕も自分の物くらいは少しずつ作りたいな。手伝うから教えてくれる?父さん。

 ああ、コリンは工房も出入り禁止だ!あんな場所でお前を抑えるなんて無理だからな。父さん良いよね?)


(ま、妥当だな。しょうがあるまい。コリン、工房に入っちゃならんぞ)


(後から禁止したことを板に書いてやる。リビングに1枚とこの部屋の壁に1枚打ち付けてやるから、よく見とけ!……しまった、コイツ字未だ覚えてない。父さんどうすりゃ良い?)


(……そりゃいちいち言うしかあるまい。どうせそうなる。ライリー諦めろ)


(クッ!それしかないのか……)


(兄ちゃん怖いーー!一緒だと余計怖いーー!父さん、クロエと僕小さい者同士で同じ部屋にしてよ~。……イタッ!イタタッ!何で2人共叩くんだよ!)


((クロエにとってはお前が一番危険なんだよ!何度言えばわかるんだ、バカッ!))


(又2人共僕をバカって言った!バカバカ言わないでよ、ホントにバカになっちゃったみたいに思うでしょ!)


((安心しろ、十分バカだっ!!))


(バカ言う人がバカなんだもん!バカーーー!)





 部屋から聞こえる3人の漫才のような会話に、女性3人と老教師は苦笑いしてリビングに向かうのだった。

次話は明日か明後日投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ