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282 辛辣……悲しい(By崇)

By崇……ばいしゅう……買収?


 もうすっかり冬になったころ、崇兄上が「家族旅行がしたい」と言い出した。

 場所はスキー場。最近テレビで人気の場所だと紹介されていた場所で、行ってみたくなったらしい。


「ほら、もうずっと行ってないだろ? それに、久しぶりに家族で出かけたいんだよ!」


 そう熱弁する兄上に対し、家族の反応は……。


「あたしは嫌よ。一人で行きなさい」

 と、読書の邪魔をされた苛立ちを隠せずに言ったのは、長女の(あかり)。大学三年。


「俺もいいわ。一人で行けば?」

 長男、(かげ)。大学一年。外で植物の観察をしていた所を邪魔されて苛立っているようだ。


「俺は大学進学の勉強しなきゃだから」

 次男、(りつ)。高校三年。(双子ではない)今から本屋に向かうらしい。が、崇を嫌っているため苛立っている。


「私も。寒いの無理だし」

 次女、(すみ)。高校三年。(双子ではない)机に向かって勉強していた所、苦手な崇が集中力を削いできて苛立っていた。


「わたし、忙しいのよ。一人で寂しく凍えて来なさい」

 三女、(こう)。高校二年。スマホで友人とメールをしていた。邪魔されて苛立っている。


「えーみんなで行こうよ~」

 三男、(しゅう)。高校一年。全員の癪に障る行動ばかりしている自覚はあるらしいが、それを行動に移していない。


「お断りです兄上。おひとりでどうぞ」

 四男、(とおる)。中学三年。読んでいた本から視線すら上げずに淡々と答えた。


「俺もいいわ。一人で行けばいんじゃね?」

 五男、(おぼろ)。中学一年。双子。外の掃除をしていた所、崇に邪魔されて苛立っている。


「お気をつけて、兄上」

(訳:私は行きません。ですので見送らせていただきます)

 四女、(つむぎ)。中学一年。双子。外の掃除をしていた所(以下略)


 崇兄上は「みんな冷たい……」と落ち込んでいる。

 俺は行きたくないわけではないが、正直落ち込んでいる兄上はめんどくさいので話しかけてほしくない。


「鏡は行ってくれるよな!?」


 ゲッ、来た。


「あー……はい。行きます」

 六男、(きょう)。小学六年。末子。いじけている兄上は面倒くさいと思っている。


・・・


「崇兄上、まだ誘うんですか……?」

「ああもちろん! 母上と父上は断られたけどね!」


 当たっても砕けないタイプかもしれない……。もしや、先ほどのいじけは演技!?


「さあ! 行くぞ!」


・・・


「スキー、ですか? そりゃ、鏡さんが行くなら行かないと……」

 いとこ、紀章(きしょう)。小学六年。鏡のお付きなので鏡が行くなら半強制。


「スキー? 楽しそうですね。はい、行かせていただきます」

 いとこ、(なぎ)。小学四年。何やら最近悩み事があるようだが、誰にも相談していないそうだ! びっくりだね。


 かくして、紀章と凪も行くことが決定。

 そして……


「へー、じゃあ今度、鏡はスキーに行くんだね。いいなぁ」


 弥一は休み時間、教室のドアに寄り掛かる鏡に向かって言った。


「スキー、行ったことある?」


「うーん……まあ、一応……一回だけ」

「ふーん……」


 鏡がそう言うと、弥一は悲しげに目を伏せて言った。


「弥月と行ったの……楽しかったなぁ」


 鏡は弥一のその言葉を聞いて、少し考えた。


「運が良かったら、行けるかもよ?」

「え?」


 弥一は思わず素っ頓狂な声をあげた。そんな事言われるなんて思っても見なかったから。


「崇兄さん、スキー行くメンバーが足りないって嘆いてるから。一応聞いてみようか?」


「え……いいの?」


「いいよ。じゃあ、一応聞いておくね」


白「(# ゜Д゜)」

 ……ん? 白銀どうしたの?

白「(# ゜Д゜)」

ナ「白ちゃん?」

白「(# ゜Д゜)」

 え、ホントにどしたん?

作「心配だよ……病院行く? 麻酔あるよ?」

白「……(。´・ω・)?」

作「えいっ」

ナ「っうをぁーーーーーッ!!! 白銀がーーー!!」

 刺した!? 麻酔刺した!? え、あれ高かったのに……。

ナ「え、そこ?」

白「……」

ナ「あ、白銀大丈夫!!?」

白「……\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」

ナ「……白銀ーーーーー!!」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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