243 志月のアドバイス、澪の家庭事情、捌夢の義兄
志月・・・『中二の自分に一言だけアドバイスするとしたら?』
志月は「………………」と天を仰いで黙った後、
「しいて言えば、母親の介護ばっかりじゃなくて、もっと中二病楽しめよってことかな……」
と、言った。
確かにそれは本心だが、なんだか面白みがない志月のカードであった。
澪・・・『親にバレて焦ったこと選手権』
澪はそのカードを見て、「チェンジで……」と、つぶやいた。
「なんでチェンジなんだ?」
「赤鞠さん、母親いないんですよ」
昴の問いに、捌夢が答えた。
しばらく重い空気が流れた後、永来がカードの山を手に取った。
「ま、まあまあミオ、早く引き直そうよ」
「そ、そうだね……」
そう言って、澪は新しいカードを手に取った。
(気を取り直しまして)澪・・・『通知表のコメントで笑ったことある?』
A:ないです。
「早い……」
漣がそうつぶやく。
そう言われて、澪は少し眉を下げた。
「ごめんなさい……。私が笑ったことはありませんが、私の通知表を見た友達が笑ったことはあります。それでいいですか?」
「いいんじゃないか?」
「お、俺も、いいと思うよ」
昴と志月がうなずき、澪は不安げに話しだした。
「あれは……四月に私が日直をしたときの先生のコメントで……
『桜井くんが窓の外を見ていた時、赤鞠さんが『猫はいない』とだけ言いました。謎の連携に驚きました』
と書かれていました」
その場にしばらく沈黙が流れた後……
「ぼくは……猫は探してない」
と、捌夢はつぶやいた。
捌夢・・・『家族の中で一番変わってる人は誰? どんな人?』
「一番変わってる人……パパかな。あ、でも蒼真さんも変わってるかも」
捌夢は迷いもせずにそう言った。
その言葉に、皆目を見開いた。てっきり、漆雅の名が出るかと思っていたから。
「……なんで?」
「パパは……桜井彌っていうんですけど、なんか変わってるんですよね……。よく分からないけど、ちょっと変わってる。蒼真さんは、姉の結婚相手で、同性婚かと思われるほど顔が……」
捌夢はそこで、言葉を濁した。
「そういえば、春に旅館で、赤髪赤眼の少年に会ったって言ってた気が……」
――ピピーー!!
「「「「「「「………………え?」」」」」」」
いきなり聞こえた笛の音に、漣、紅夜、志月、昴、永来、捌夢、澪は声をそろえて驚いた。
そしてその笛の音に、運転手以外が注目する。
笛を吹いたのは担任、神谷隼人先生。
しかし、今日の担任はいつもの先生ではなかった!
サングラスをかけ、髪をハーフアップにした先生だ。
その先生が、笛を加え、こちらを指差している。
いつも周りに飛んでいる花はどこに行ったのかと、笛の音につられ先生を見た陸は心の中で突っ込んだ。
「山本紅夜、三分間の沈黙によりアウト! 即興自己紹介ラップをやらせる!」
「は、はあーーー!!?」
後書きネタ思いつかないんだが?
作「まあ……ネタが降ってくるときと、降ってこない時があるよね」
というわけで、ナレーターさん、なんか後書きネタない?
ナ「は!? なんで俺?」
ナレーターでしょ? そういう仕事なんだから。
白「パワハr――」
なんか言った?(圧)
白「何も?」
作「もはや恐怖を覚えてしまうまでの完璧な爽やかな微笑み!」
あはは、まあしょうがないよね。私だって人間ですし、ナレーターさんだって、ちょっと恋愛面で見れば怪物かもしれませんが一応人間ですし一応。
ナ「なんで『一応』強調しながら二回言った?」