238 罰ゲーム生み出した奴、絶対悪意あるだろ
と、いう経緯で、桜井さんと話すことができたんだけど……。
まあいい。今は目的地に向かうため、バスで移動するためにバスに乗ったところです。まだバスは出ていませんが、すでに生徒たちはワックワクです。
しかし、うちのクラス担任の神谷先生は疲れの浮かぶ笑みを浮かべている。
「陸、黙ってたら罰ゲームだよ」
「分かってる。教えてくれてありがと。もうすぐ三分経つっけ?」
佐藤に声をかけれられて、僕は窓の外にいるかわいそうな神谷先生を眺めながら声を発した。
そう、このバスに乗るにはルールがある。まあそれの目的は、生徒の話術を磨くため。
そのルールとは、三分間以上黙っていたら罰ゲームで即興ラップ! 最悪だ。小学校の頃に一度盛大に滑った黒歴史があるというのに! 悪意すら感じるぞ?
「悪意があるように感じるのは仕方ないかもしれないけど、八つ当たりはしないでね」
顔も見えていないのに、佐藤は考えを見透かしたように言って来た。
……はあ、腹立つ。
仕方ないのかもしれないけど、今回は佐藤は護衛だから、なんとなく義務的な声かけに腹が立つ。
すると、安藤さんと馬場さんにも声をかけられた。
「そうよ、ちゃんと話さないとつまらないでしょう。ねえ啓介君」
「そうだぞ、じゃないと先生に言って、罰ゲームの即興ラップにしてもらうからな?」
う、それは困る。
・・・
それから数分して、バスが動き出した。
神谷先生が前に立ち、マイクを持って話し出す。
『皆さん、これから二泊三日、あなた方は協力して数々のミッションをクリアしてもらいます』
ミッション(旅)のザックリ内容説明
1、バス移動中:「青春お題カード・トークリレー」
カードの種類はざっくり四種類。日常系、笑える系、即興系、青春系の四つ。あとはそのカードを引いた時の外の景色に合わせてこの景色に合う話をするのもある。
2、昼の自由行動タイム:「青春ミッションラリー」
生徒はグループで施設内や周辺を自由に移動しながら、各ポイントで“青春ミッション”をクリアしていく。ミッションは話術・即興・協力が必要なものばかり!
内容は、即興インタビュー、友情フォトチャレンジ、即興CМ撮影、謎解き×話術クエスト。
2、昼の特別企画「青春アイス交換会」
各グループにアイスが配られるが、味はバラバラ。他グループと“話術”で交渉して、好きな味をゲットせよ!
3、夜の肝試し:「語り場×肝試し」融合企画
タイトル:「語り場の森〜語らなければ、帰れない〜」
内容:夜の森にペアで入る肝試し。ただし、ただ歩くだけじゃない。
途中に“語りポイント”があり、そこで即興で語るミッションが発生!
語りミッション例:
「今までで一番恥ずかしかった話」
「好きな人に言えなかったこと」
「友情って何だと思う?」
「中一の頃の黒歴史を暴露せよ」
仕掛け:語らないと先に進めないルール。語ったら、相手が“一言コメント”を返す。
3の恋愛要素のさりげない演出:
ペアはくじ引きだけど、ちょっと“気になる人”と組めるように、事前アンケートで希望を取っておく(先生はこっそり調整)。
語りポイントの最後に「相手のいいところを即興で褒める」ミッションあり。
4、夜の語り場:「友情と恋の境界線」テーマトーク
自由参加で語る場。テーマは「友情と恋」。
例:「親友が好きな人と付き合ったときの気持ち」
「友情が恋に変わった瞬間」
「恋より友情を選んだ話」
聞いてる人は“共感カード”を渡す 。「わかる!」「それは青春!」など、リアクションも言葉で返す。
……って感じかな。
ナ「この学校、楽しそうだね」
そうだね。でもナレーターさんサボりそう。
ナ「なんでだよっ!」
白「確かに……行く理由なさそう」
作「こんな学校は楽しそうだけど、ラップは無理……」
安心して。三分以上黙らなきゃいいだけだから。ちなみに私も罰ゲームは嫌いです。
作「同感である」
おらあ! 罰ゲームとか生み出したやつ出て来いや! 私と押し相撲で勝負だぁーーー!
ナ「押し相撲……? え、なんで?」
白「罰ゲームつくった人が勝ちそう」