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236 桜井少年


「なるほどね……そういうことか」


 僕は、佐藤に事情を説明した。

 佐藤はそうつぶやいて頷く。


「事情は分かった。でも、俺はそんなに弥一さんについて知らないんだよ」


「え、そうなの?」


「知っている情報と言えば、弥一さんのいとこさんの息子さんがこの学校に在学中ってことくらい――」

「教えて!」


 弥一さんのいとこの息子がこの学校にいるなんて初耳だ! 何か情報が手に入るかもしれない!


 僕は思わず目を輝かせ、身を乗り出した。

 佐藤は目を見開いて一歩あとずさりをする。


 そして、数秒の間を開けてから、佐藤が小さくため息をついた。


「……でも、俺は何も知らないんだよ。そのいとこの息子さんの名前も知らない。学年も、その性別以外何もかも。つまり、ほとんどだ。海斗から教えてもらった情報だけど、海斗に言えば当主に情報が言っちゃう可能性が高いからダメなんだよね?」


「そうなの。だから困ってるんだよね……」


 僕と佐藤の間に、気まずい空気が流れそうになった時――陽気な声が、場に響いた。


「あれ!? 陸と淳くん!? どうしてこんなとこに……あ、もしかして愛のこくはk――ムゴッ」

「あねぇ! そういう冗談はよしてくださいと何度も――」


 声のした方に思い切り振り返ると、そこには馬場さんと永来君、あと――


「あれ? 陸と佐藤……先輩だ」

「何の話してたの? ……してたんですか?」


 いつものため口に敬語を付け足す葵と光莉。


 あと、知らない人が男女が一人ずつ。

 僕は佐藤を見ると、佐藤はしばらく考えてから「あ」とつぶやいた。


「思い出した。この前の林間学校に来てた二年生だ。名前は……覚えてないけど、女子の方が吹部で、男子の方は剣道部の幽霊部員だったと思う」


 佐藤は二人のことを見ながらそう言った。


 すると、その女子の方は半歩前に出て名乗りを上げた。


「初めまして。赤鞠(あかまり)(ミオ)です。先輩方、名前は……」


 赤鞠さんはそう言って頭を下げ、恐る恐るこちらに聞いてきた。

 彼女の茶色の目が僕を捕らえる。一瞬、ゾクッと背筋に冷たいものが走る。でも、次の瞬間には、その恐怖心は消えていた。


「あ、西村、陸です」


 僕も頭をぺこりと下げる。

 そして、横に立つ佐藤も頭を下げた。


「……佐藤淳です」


 佐藤も軽く名乗り、みんなの視線がまだ名乗ってない男子剣道(幽霊部員)に集まった。

 彼は「………………」と一瞬考え、まだ若干高い声で名前を言った。


「中等部二年の、()()……桜井捌夢(ヤム)です」


 桜井、その名字を聞いて、『弥一のいとこの息子』という言葉が頭に浮かび上がった。

 ヤムと名乗った少年の緑がかった髪を揺れ、感情の読み取れない表情で僕と佐藤を見ていた。


 投げキーーッス!!( ^3^)ノ≡3≡3≡3

ナ「うえ、キm――ん゙ん! いやあ、何でもないよ」

 何も言ってないけど。私最近、顔文字? にハマってて。

作「そんなこと聞いてないよ。ヤムくんについて話さなきゃ」

白「『捌夢』って漢字、めっちゃ派手じゃん!? 絶対重要人物じゃん!」

 は? 何言ってんの? 激おこプンプン丸٩(๑`^´๑)۶

ナ「いや読みずらいわ! (# ゜Д゜)プンスコ!! ついに俺にまで顔文字付けられたんだけど!?」

 いつかの後書きで、『彼はゲームで言う村人』って言ったでしょ? 彼の名前の漢字が派手なのは、別作品の主人公だから! (>Д<)カァーッ ( -д-) 、ペッ

作「あーハイハイ。今回の後書きめっちゃ読みずらいから終わります!」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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