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231 嘉瑞の案内による帰宅

次話の後書きで花吐き病になりそうな人について話したい。


「あ、ここ? キミ達のいた所」


「そうです。ありがとうございました」


 そう言って、佐藤が嘉瑞さんに頭を下げた。

 僕もつられて頭を下げる。


 僕と佐藤はキャンプ場の方に歩き出した――その時。


「アルバトロス?」


 いきなり、嘉瑞さんがそう呟いた。


「アルバトロス? アルバトロスやんな!?」


 嘉瑞さんは走り出した。

 いきなり森から男性が出てきたことに驚いたほかのキャンプ場に来てる人たちの目線も無視して、嘉瑞さんは奥にいる鳩に近づいた。


(なっ、なんで兄貴がここにおんの!? ――ってか、やっぱり居ったんか。このキャンプ場に)


 瑞祥は嘉瑞を見るなり目を丸くしたが、鳩だと表情は変わらない。


「やっぱしいたのかあんた! ……瑞祥は!? 瑞祥はどこにおるん!?」


 嘉瑞は瑞祥の鳩を捕まえて語り掛ける。

 必死にアルバトロスに話しかける嘉瑞の表情は、『切羽詰まった表情』という表現がぴったりの顔だった。


(そないなこと言ったって、俺はもう死んどるし、アルバトロスも俺の場所なんて知らん)


 本人の瑞祥ですら、自分の死体の場所を知らないのだから。


 ――だが、客観的に見て今、彼は鳩に話しかけている変人だ。


「あの……嘉瑞さん? って、その鳩、確か……七不思議の五番さんの飼ってる鳩じゃ……ねえ佐藤」


「え? ああ、確かにそうかもね」


(なんで言うたん!? 言わんでええやん! もうええ! さっさと逃げえアルバトロス!)


 瑞祥の指示を聞いて、アルバトロスは天高く飛び立った。

 嘉瑞は、どうすることも出来ずに、その場に立ち尽くしていた。


 陸がなんとなく、嘉瑞に声をかけようとしたとき、ちょうどのどまで出かかっていた言葉は引っ込んだ。

 嘉瑞は、アルバトロスが飛んで行った方向を見つめて、少し、悲しそうな顔をしていたから。


 陸はその時、

(やっぱり、この人も元は人間だったんだ……)

 と思った。


 しばらくその場に流れた重い沈黙を切り裂いたのは、さっき陸たちが出てきた森からの声。


「兆喰」


 森から、都市伝説の女性の方が、嘉瑞に向かって声をかけた。


「……お嬢」


「何してるの兆喰、さっさと帰るわよ」

「はい!」


 嘉瑞は、森へと走り出した。

 きっと、この時は嘉瑞ではなく、『化喰の仮面』の、兆喰の方だったのだろう。


「ところでお嬢、さっきまで食べてたあの怪異はおいしかったですか? 随分と骨が多そうに見えましたけど……残さず食べれまし――グヘッ!」


「静かにしてちょうだい。ここではキャンプ場にいる人に聞こえるでしょう?」


「そーですけど、それなら口で言ってくださいよお嬢。殴られると痛いって何度言ったらわかるんですか?」


 兆喰とその女性は、会話をしながら森の中へ消えて行った。


ナ「………………」

 ………………。

ナ「昨日キキに食らわされた飛び膝蹴りのアザが痛い」

 それはごめんて。

    ・・・

作「え? なーんだ二人喧嘩してんのかと思ったよ」(白銀は有給☆)

 いや喧嘩なんかしてないよ。そんな事よりナレちゃん? 私になんか聞きたそうにしてるけど?

ナ「さっすが。わかってるねキキ。昨日白銀が『好きな人いる』発言してたじゃん?」

 うん、してたね。

ナ「その好きな人推理しない?」

 いいねそれ。

作「え、いいの? それは」

 いいのいいの。じゃあヒントをあげるね。白銀の好きな人は――

   ・・・

 一方その頃、白銀の家では・・・

「………………なんか嫌な予感する!」(鳥肌)

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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