227 化喰の仮面、再び
僕と佐藤は森の中で、空を見上げながら「うーん」とつぶやいた。
「困ったねぇ……」
「帰り道どこ……」
客観的な佐藤に比べて、僕は本格的に絶望してる。
ここ数分、ずっと歩いてたけどなんもない! それどころか、それどころか……。
僕は、林間学校があった日に出会った怪異たちを思い出し、自然と下を向いてしまった。
あの時は本当に怖かった。正直、死ぬんじゃないかと思ったし、あれ以来テレビで狼を見るたびにあの時の事思い出しちゃうから怖いんだよ……。
「はぁ……」
「何やってんだ坊主」
「うわあっ!」
僕は驚きで思わず肩が跳ねた。
振り返ると、そこには林間学校の時に狼から助けてくれた男性だった。
あの後調べると、ここの都市伝説の一人だったはず。
「……都市伝説、化喰の仮面……男の人の方……?」
「なんでまだここにいるんだよ、戻ってきたのか? ドМか? それともスリラーか? 死の狭間から帰ってくることに興奮を覚えるタイプの変人か? 俺そういうタイプの奴漫画で見たことある」
「漫画かい。違う、キャンプしに来て迷ったんだ」
少々引き気味の演技をする男性に、佐藤は被せて言う。
「ほぇ? だとしても戻ってくんじゃねえよなぁ、ここはあんなクソデカ狼が出てきたトラウマの地だぜ?」
「いやそうですけど、ここに来るつもりもありませんでしたし……たまたま迷ってここに来てしまっただけですから」
「佐藤の言う通りです。それにしても、あなたは今回変装してないんですね? 知り合いに変装するとかネットには書いてあったんですけど……」
「いやだって、前回おめーらを助けたときに姿見られてるし、妖の鬼様に隠す必要あるか? それに俺今、お嬢の協力無しだから変装できねぇでよ」
「そ、そうですか……?」
男性は「俺が出口まで送ってやるよ」と言い、森を指差しました。
「はぁ? そんな事言って、また異世界に連れ込むつもりでしょう?」
「いやそんなことしないよ。いつもは異世界に入れてから奥に連れ込むんだから、いつもと違うよ。できないってこと」
「よ、よく分からないですけど……お願いします」
僕は男性に頭を下げる。
男性は微苦笑してから歩き出し、僕と佐藤はその後をついて行った。
しばらく歩いた後、佐藤が思い出したように男性に聞いた。
「それにしても、なぜあなたは異世界にいないんですか? そっちの方が安全でしょうに」
「いやあー、それが無理なんだよ。今はお嬢が、食事中だからね」
そう言って男性は、不敵に微笑んだ。
ナ「なんでお嬢が食事中だとダメなの?」
そんなことどうでもいいでしょ?
ナ「どうでもよくはないよ?」
白「で? キキはナレちゃんの疑問を無視してまで話したいことって何?」
さっすが白銀わかってるー。……でも、今9時4分なんだけどね? 昨日の夜に思いついた後書きネタを忘れてしまったの。
作「そりゃ大変だ。ただでさえネタ不足なのに」
だれかネタ提供して……。プリーズ ギブ ミー ネタ? あってる?