225 何なら彩華や七番様は千歳近くいってますよ?
By、By……誰だろう。
今日九月一日です。防災の日? なんでしょうか? 学校で避難訓練をやりました。二学期一日目なのに。
「ただいまー」
「お帰りなさい当主。どこ行ってたんですか?」
「お帰り父さん」
海斗と空は帰ってきた四人に返事をした。
「あー疲れた。どこが俺のテントだっけ?」
「当主のテントはあそこですね」
「おう、ありがと」
鏡が海斗に言われてそのテントに入ると……。
「イッツ、恋バナターイム!」
「え?」
テントの中に筮、桜子、白銀、アルバトロスが居り、混乱して一瞬反応が遅れた鏡が反射的に逃げようと地面を蹴る前に、筮に腕を掴まれ、桜子の糸に捕まり、中に引っ張られた。
そして数秒後、凪が「どうしたの!?」とテントを覗いた瞬間、鬼という妖の現代人が視認できないほどのスピードで現れた彩華に中に押し込まれた。
今まで媿野家当主として大切に扱われてきた二人にとって、こんな扱いは初めてであり、混乱が隠せなかった。
「……えっ……と? これは?」
「さっき言ったでしょ鏡さん、このキャンプ場でやることを一通り終えたため、貴方の初恋について聞かせてもらいます」
「もちろん、逃げようとするならば私たち七不思議(使い)組が黙ってませんよ!?」
魔法使い一人と驚異的能力を持つ怪異一人と七不思議のの分身的存在一人と二羽(不本意×2)の一時的協力!
逃げられるわけもなく……。
「さあ! 恋バナだー!」(筮)
「おー……なの」(彩華)
「イェーイ! ……ところでコイバナって何ですか?」(桜子)
「カッカッカッカッ 訳:なんでそんなことも知らんねん」(アルバトロスを通して抗議する五番)
※白銀(蝶)はしゃべりません。
「「………………」」(混乱の当主&社長)
寝不足感のある筮の提案で恋バナをさせられそうになっている二人は、筮に聞いた。
「あの……なぜ急に恋バナなんか……私たちもう大人ですし、なんならおじさんおばさんですよ?」
「そ、そうですそうです! それなのに、なんで俺たちまで……」
恐る恐る聞く二人に、筮と桜子は言った。
「だからこそよ。当主と社長なんか、恋バナしたことないようなお堅い人間様(※鬼)なんてろくな奴じゃないわ(※偏見)だからこそ私たちが、恋バナ経験をさせてあげようって事」
「そうですよ! 三十代のあなた方に比べて私なんて七十だ……ちょっと待ってください? 私も恋バナしたことないんですけど、ろくな奴じゃないんでしょうか?」
「クルック―」
「五番の言っていることは彩が訳すの。『せやで! 恋バナしたことないやつなんてろくな奴やあらへん。六番も彩華もな』……フンッ、清華、この変態を殴っておいてなの」
「カッカッカッ!!」
「『誰が変態やねん誰が!』……? 誰がとは言っていないの。変態=自分という考えにつながるなら自分が変態という自覚がある証拠なの」
※全員個性強め
アルバトロスに向かって喧嘩腰になる彩華は、傍から見ると鳩に向かって喧嘩を売る狂人である。
鏡と凪は、この恋バナに対して不安と呆れを覚えた。
ナ「名乗りましょう」
はい、それはいいですね。名乗らせていただきましょう。
作「………………え? なんで今回こんな固いの? いつもの同級生ノリじゃダメなの?」
白「いや……ごめん、私今あの恋バナ組のおもりで大変だから今日は早めに帰らせていただきます」(めんどくさいの察し)
作「逃げた!?」
初めまして(?)狐塚、キキと申します。初恋はまだです。ですが自分が『自傷癖のドS』という自覚はあります。
ナ「お初にお目にかかります(?)カ……ナレーターと申します、以後、お見知りおきを。………隣の狐塚の圧が怖いので私も初恋の話をさせていただきますが、初恋……は、ないですね。私の場合は愛というより『執着』……らしいので」
作(ここまで来たら私もやらなきゃだよなぁ……)
作「……どーも、作者です。簡単に言えば過去のキキです。初恋はないです。当たり前ですけど、キキの過去なのでね。キキに初恋が無ければ私にもありません」
※そして、さっき帰ったのはフルネーム『白銀ノ聖桃蝶』