218 半・居候とその連れ
「これは?」
突然、俺の弟(?)がそう聞いて来た。
凪寽が指さしているのはゲーム機。
「これは、スイ〇チだよ」
「スイ○チ?」
「そう。やってみる?」
・・・
俺は、凪寽と一緒に『集まれ! 殺戮の山』をやっている。
まだ幼いからもっと平和な奴にしようかとも思ったけど、大体一人プレイの奴ばかり……。
マ〇オやマ〇クラもあるけど、凪寽は有名なそれらよりも見たことのないゲームに興味を示したからこれをやっている。
しかも凪寽、何気にゲーム上手い。現に、先ほど殺されそうになった時に助けてくれた。なんだろう、この差。
――ピーンポーン
「ん?」
すると突然、家のインターホンが鳴った。
俺は少し考える。
宅配も頼んでないし、近所から苦情が来るほど騒いでもない……と、思う。
だったらこのインターホンは何だ? 宅配でも苦情でもないとすると……あ、あの人か!
父さんが玄関に向かって「はーい」と言い、玄関に向かって歩き出したところを止める。
「ああ!! ちょっ、ちょっと待って! 俺が出る!」
「え? どうしたの急に。いつもならめんどくさがるのに……」
不審がる父との会話に、ニヤニヤした母が混ざってくる。
「あ、わ~かった~、エロい本でも頼んだんでしょ」
「違う! 違う、けど俺が出るから!」
「別に俺もそろそろそういう年頃だろなぁと思ってるし隠さなくてもいいよ? ……あ、じゃあ彼女?」
「そうでもなくて! ……友達!」
「「こんな夜遅くに~?」」
「声をそろえて言うことではないだろ!」
――カチャ
そこに、そんな小さな音が響いた。
玄関の方から、鍵の開く音。
そして、玄関がある方角からリビングに、最近居候になりつつある優斗と、珍しく千代が顔を出した。
ところで、どうして優斗が鍵を開けて家に入ってこれたかというと……。
『あ、優斗さん、合鍵いります?』
と、優斗のけがの手当てをしていた陸が渡したのだ――が、少々タイミングが悪い。
桜さんだけでなく”半”家出中の”ほぼ”居候がいるなんて親に知られたら……!
その時優斗は
(あ、なんか入ってくるタイミング悪かったみたい)
なんとなく察していた。それに対し千代は
(え? 陸くんと空のお父さんと……お母さん? ヤバい、逃げる? いや、相手の反応を見てから……)
汗をだらだらと流していた。
「えっ……と、だぁ……れ……?」
ずっと黙っていた父さんが小刻み(上下)に震え、優斗を指さしながら聞いてくる。
(人のこと指さすなんて失礼な人だな。えっと……たしか、陸・空の父親だっけ?)
で、隣にいるのは……この前倉庫で見つけたアルバムに写ってた人だから、おそらく陸たちの母親……!
(忘れた人は82話静寂の中の違和感を呼んでね☆)
ナ「ああ……半・居候って、そういう……」
白「なるほど、優斗さんの事だったのか……」
作「そういえば最近、優斗さんメインの話はないね」
そうだけど、書いてないだけでほんとはアザ、増えてるよ? 最近はあんまりだと思うけど、その代わりに紗代さんのアザが増えてそうだよね。
ナ「つまり、千代さんと優斗さんが逃げたから、その二人の代わりに紗代さんが暴力の標的になってるって事?」
ん~…………………ところでナレーターさん、友人、欲しくない?(唐突)
ナ「それはまた急だね……」
この後書きコーナーのようにキャラを作らなくてもいい本音で話せる親友! テレビの前のあなたも、あなたもあなたも、欲しくないですか?
白「何このCМ風……って、ナレーターさんキャラ作ってたの!?」
作「そうなんです! 実はそういう友人、ほんっとに欲しかったんです」
白「作者ちゃん!?」
そうですよね。となるときになるのは……?
作「お値段!」
……そうですそうです。さすがですね、なんとお値段は、無料です! しかも今なら、怪我したときに直してくれる医師機能付き!
ナ「友人は物じゃないんよ……」