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忘れられた運命 ~運命の織り手達と絶望の使者(つかい)~(前回の名前 魔法物語 )  作者: 狐塚 キキ
第二十一章 ( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
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215 家族の帰還と秘密の告白


「ごめんなさい……」


 僕は馬場さん達と話した後、追ってから逃げている、という目的を忘れて家に帰り、その場で待ち伏せていた父さんの部下に捕まった。


 やっちまったゼ☆(ヤケクソ)


 ナギトくんとウキョウくん、そして協力者の鬼桜……が本名の安藤さんの三人は父さん&母さんにこっぴどく怒られている。

 でも、あんまり怖くない。


 『コラッ、勝手に家抜け出しちゃ駄目でしょっ。熱中症にでもなったらどうするの』

 って感じ。


 ……でもたぶん、例のおじいさまにもっとひどく怒られるんだろうな……。

 いや、怒るなんてものじゃない。多分ウキョウ君ほどの子でも枕を濡らしてしまうくらい……だと信じてる。


 父さんも、この前愛莉ちゃんが侵入してきたとき、部下に対して怒った時のような怒り方じゃない。

 人によって変えてるんだ。社会人だなぁ……。


「………………あの……」


 ところで僕には、さっきからずっと感じてる視線がある。

 振り返ってその視線の主に話しかける。


「もう、許してくれませんか? 白銀さん」


 ダメ、そう言われてる気がした。


 白銀さんは、警戒もせずウキョウくんについて行った僕を追いかけたけれど、小学生の集団に追いかけられて見失ってしまったそうだ。


 僕が白銀さんに怒られてる横で、説教を終えた父さんに筮さんが話しかけていた。


「陸のお父さん……いえ、鏡さんと呼ばせていただきますけども」

「なんです? 呼び方についてはお好きにどうぞ」


 父さんは微笑んで筮さんにそう言った。


「ずっと気になってたんですけど……」

「はい?」


 筮さんは一瞬口ごもった後、決意したように顔をあげた。


「私と話すとき、目、つむってません?」


 二人の間に数秒、沈黙が流れた。


「………………い、いやぁ……? そんなことないと思うけど……」


 図星感!


 するとそこに、母さんが近づく。


「え、鏡くん……? 昔いくつものドラマに出演してた時の演技力、どこに行ったの……?」


「そうですよ! 一応今日会う前に、あなたの事少し調べさせてもらいました。けど、アイドルとして活動していたにも関わらず、なんですかそのクソみたいにバレッバレな嘘は!」


 筮さんが「次期当主としてポーカーフェイスを磨くためにやってたと思ったんですけど、もしかしてただの趣味だった……?」とつぶやいていた。

 だれも口を開かない重い空気が流れた後、その様子を見上げながら見ていた桜さんが「ハッ」と何かに気づいたように声をあげた。


「もしかして、裏をかいて()()()そう言ったのではないでしょうか?」


――キラーン


 桜さんはドヤ顔でそう言った。


 父さんの部下はその言葉を信じなかったが、桜さんの中身が七十代だという事を知っている筮さんはその言葉をコロッと信じた。


・・・


「はぁ……今日は疲れたねぇ……」


 僕は、夕食の食器を洗いながら食器を運び終えた桜さんに言った。


「そうですねぇ……」


 ぽけぇ、と声が出て来そうな顔で少し上を見て言った。

 この表情を見ると、彼女が七不思議の六番で、七不思議の中で二番目に強いなんて忘れてしまいそうだ。


 ちょいと話がそれた。

 今の感情を正直に言うと、僕はもう少し今日初めて会った弟たちと話していたかったな……。


「ちょちょさんも小学生に追いかけられて疲れた?」


 桜さんはテレビの前でひらひらと飛ぶ白銀に話しかける。

 白銀は桜さんの方をちらりと見てからテレビの方に目線を戻した。


 その反応を見て、桜さんは眉を下げて下を向く。


「……なんか、最近いつもこうなんですよね。無視されてる……ような」


 無視? どうして……。

 白銀さんは桜さんによって作り出されたものだから、逆らえないものだと思ってたけど……。


――ピーンポーン


 とその時、家のインターホンが鳴った。


 僕は手の泡を流して、蛇口から出る水を止め、手をタオルで拭く。

 小走りで玄関に向かい、玄関のカギを開けようと手を伸ばした時、ドアの鍵がガチャリと開いた。


「え?」


 思わずそう声を漏らしたが、ドアが開いて、インターホンを鳴らした人たちが顔を出した。


「と、父さん、母さん! ……あと、ウキョウくんにナギトくん!?」


 そこにいたのは、父、鏡と母、凪。たまに帰ってくる二人だけじゃなく、今日会ったばかりの弟たち、ウキョウくんとナギトくんもいた。


「や、陸。たまにはいいでしょ? 今日は仕事ササッと片付けてきたから泊まれるね。それに

いろいろあったし、ここならゆっくり休めるから」


「私たちも疲れたのよ~。鏡くんは妖のトップとしていろいろ交渉とかしなきゃいけないし、私も私で会社の社長としていろいろやらなきゃいけないのよ~」


「……お邪魔します」

「……お邪魔しますです」


 にっこり微笑む父さん。

 肩をもみながら『社長だった』という爆弾をサラッと言ってくる母さん。

 昼に会った時より光のない目をしているウキョウくん。

 こちらも昼会った時よりも感情のない表情と頬に涙の跡のナギトくん。


 ………………何があったんだ……?


 とその時、後ろから小さく、軽い足音が駆け足で近づいてきた。


「誰が来たんですか~?」


 桜さん! 隠れていてほしかったッッッ!!


「「え……」」


 父さんと桜さんが同時に声をあげる。

 もう一度「えっ」とつぶやいた後、父さんは桜さんと僕を交互に見た。


「え……? この子筮の養子じゃないの……? いや、なんか髪濡れてるし、パジャマだし、家の中から筮の気配しないし……。この子うちに住んでるとかじゃないよね……?」


 ごめんなさいその通りです!

 桜さんの髪が濡れてるのはお風呂に入れたからで、お風呂に入った後だからパジャマに着替えさせました……!


 いやそんなことはどうでもいい。何とか誤魔化さねば……!


「あの……桜さんは……ね?」

「ちょっと待って? 陸っていつも年下の子には大体名前にちゃん(もしくは)くん付けで呼ぶはずなんだけど、なんでこの子には『さん』なの……?」


「………………」

「………………」


「いやぁ………………」

「いやぁ……何? ………………陸?」


「いやっ……あーっと……」

「陸」


 笑顔で問い詰められて、結局家に住んでることを話す羽目になった。


・・・


「なるほどね。それでビミョーに生活費が増えてたってわけね?」


「そ、そう、です……」


 僕はソファーに座って僕を見下ろす父さんの前で正座していた。

 もちろん、七不思議の事については伏せてあるよ。


「それにしても妙だなぁ……」

「え゙。……もうなんもないヨ?(裏声)だから――」

「本・当・に?」


 フッ――これが媿野家当主の気迫――か。我が子だろうと関係ない。

 だから……怖すぎるだろおぉぉぉ(泣)


 結局、七不思議の事についてもすべて話した……。

 兄さん、見てないで助けてほしかったなぁ……。


ナ「いやもう何も隠さなくなったなぁ……」

 そうだね。次回は陸・空が弟たちと話すかもしれませんね。あと、もう一人の『半』居候も登場するかもね。

作「半って何ですか?」

 いたりいなかったりって事☆ そんなことよりも今隣で私の弟二人がマ〇オやってるんですよね。

白「は? 今回の話と関係……ある?」

 その音がうるさいのなんのって。今つけてるBGMも無意味に近いよ! ちゃんと集中させて!

ナ「嘆いてもしょうがないよ」

 あとさっさとこの猛暑終われーー!!!

白「大変だね。この時代は……」(猛暑とか無い時代に生きた人間)

ナ「そうだね……」(猛暑無し時代の人間2)

 毎年記録的な猛暑ってニュースで見るの、もう飽きたよ……。うらやましいなナレーターさんたちの時代。ナレーターさんなんか木に囲まれて育ってるからさぞかし涼しかったんでしょうねぇ……。

ナ「飛び火が来た……」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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