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忘れられた運命 ~運命の織り手達と絶望の使者(つかい)~(前回の名前 魔法物語 )  作者: 狐塚 キキ
第二十一章 ( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
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207 心理戦の始まり

いやー見事に喧嘩売られましたね。媿野家現当主の『媿野』鏡様に喧嘩を。

筮さんは多分好奇心につられて行くだろうし、佐藤は立場上断れないし。


 はぁ……。


 思わずため息をつきそうになるが、それは許されない。

 今佐藤は、媿野の本家にお邪魔している。筮さんと一緒に。


「いやー、まさか私が酔っぱらってる間にそんなことがあったとは」


 苦笑いを浮かべて言う筮は、いつもとは少し違う。これでも緊張しているのだ。

 ……少し……いや、だいぶ時をさかのぼると・・・


 千代が「お風呂に入りましょう」と提案する前、陸の父親である鏡の部下が一人、スマホを忘れて取りに来ていた。


「失礼します」


「え? と、父さんの部下……ですよね? まだ何か?」


 陸は警戒した様子で部下の男を中に入れる。


「スマホを忘れてしまいましてね、ははは」


 頭の後ろに手をやって笑う男は、しばらくして何かに気づいたように表情を変えた。


「あれ? あの不審者、もう警察に出したんですか?」

「え?」


 あの不審者、とは愛莉の事だ。

 陸は声をあげて愛莉がいる方に目線を向ける。


 愛莉が拘束されていた場所には、えみさん、の能力で作ったワイヤーが地面に落ちており、その近くで涙目の桜子がワイヤーにより拘束され、ミミズが這うように蠢いていた。


「んんーー!」

「さ、桜さん! え!? あの狂愛変人不審者怪物愛莉は!?」


 陸はそう言って周りを見渡す。すると、一つの窓が開いていた。


「もしかして、あの窓から!?」


 桜子に巻き付くワイヤーをほどくと、桜子は開いている窓を指さした。


「あの窓! あの窓から逃げられましたーー!」


 愛莉は鏡の部下が一応探したが結局見つからなかった。

 一晩探し回ってくれていたのだが、それでも見つからなければもう無理だとあきらめたらしい。




「愛莉、結局どこ行ったんだろうな……」


「ええ、そうね……それより私は、このめちゃくちゃ広い部屋の中でポツンと座らされている方が気になるんですけど」


「いえいえそんな。筮さんの作った地下室に比べればこんなの」


 この部屋は和室で、畳の匂いが充満している。

 広さは……体育館より大きいくらいか?


「そ、そうなのかしら……? ――」

「――シッ」


 話を続けようとする筮さんを止め、一つのふすまに注目する。

 佐藤はスッと立ち上がり、ふすまの方に声をかける。


「遅いですね。もっと早く来てくれてもいいと思いますけど」


「ん? ああ、ごめんごめん。そちらが連れてきてくれた桜ちゃんを見た妻が桜ちゃんと遊びたいと言い出してしまって。いろいろ大変だったんだ」


 着物を着た女性がふすまを開け、そこから出てきたのは、陸の生物学上の父親。


 生物学上の、を付けたのは、今は『西村』ではないから。

 上等の着物を身に包み、堂々たる気品を持つ彼は、無表情でいれば誰だって恐れるだろう。


 しかし彼はヘラリと笑う。その笑い方が、威厳を損なわせていく。

 妖のトップに君臨する最上階、媿野家のご当主、媿野(きの)鏡様のお出ましだ。


 しっかし筮さんといい当主といい、威厳のある人はその分変人だよな。


「このような広い部屋では話もしづらいでしょう。個室を用意してありますが、移動しますか?」


 当主の微笑みに、筮さんももちろん笑みを返す。


「あら、いいんですか? さすがにこの広い部屋では言葉が詰まってしまいます」


「佐藤も、移動するよ?」

「わかってます、当主」


 彼の後ろに使える数人の圧が怖い。

 そう思いつつも筮さんに手を差し出す。いやだなー、この二人の心理戦戦場に入るの。


・・・


 連れてこられた個室は、意外と普通だった。

 おばあちゃんちにありそうな、普通の居間、みたいな感じか?


 いや、そんな事より居心地が悪い。横からも上からも視線と気配を感じる。

 しかも上からの視線は意味不明だ。大人二人の心理戦を盗み聞いて何が楽しいんだ? いや、普通に仕事か。


「あの、護衛ならニ、三人で物足りるのでは? この人の量はおかしいでしょう」


 筮さんは眉をひそめて言った。

 しかし、当主は動じない。気づかれるのは想定内、だからだ。


「そうですね。まあ、ちょっと試しただけですよ。下がっていいよ」


 その一言で。周りに会った気持ち悪い視線と気配が一気に減った。

 気配を感知して、残ってる人数を把握する。


 右に一人、左に一人、上に二人だ。

 相変わらずなんで上……と考えたが、この気配は自分たちの真上にあるので、いざとなったら飛び降りる。そうすれば一件落着だ。


 部屋を目線だけで一通り確認し終わったタイミングで、当主が話し出す。


「ではまず……お酒でも飲みましょうか」


ナ「上に二人……飛び降りれば済むって、それが彼らの世界?」

 後書き書くの疲れた。成長痛で膝痛いし、今から習い事の体験行かなきゃいけないし、ホント無理。

ナ「え!? まだ成長するの!? 今身長何センチ?」

 150センチと数センチ。

白「じゃあもう身長抜かされてる女性はいっぱいいるね」

 そうだね。もうこうなったら170センチ目指す!

作「フッ」

ナ「作者、人の夢を笑うな」




 はいカットー! お疲れ様でーす。

作「いや今回の後書き私のセリフ少なすぎ!」

白「それにしてもキキさん、成長痛の話本当なんですか?」

 本当ですよ? これは嘘じゃないです。

ナ「……ん? あれ? これまだカメラ回ってなくないですか?」

 はぁーー!? マジで!? ちょッ、まずいんだけど!

白「お疲れさまでしたー」

 おい逃げるな(ピー)!!

白「本名言わないでくださいよ! ネタバレじゃないんですか!?」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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