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【赤い悪魔】死闘NO4 バトルアーマー(battle armor:戦闘鎧)

【赤い悪魔】死闘NO4 バトルアーマー(battle armor:戦闘鎧)


襲って来た黒い魔物達を尻目に凛太朗は無惨にも折れ曲がった東京スカイツリーの展望台の上にテレポーテーション(teleportation:瞬間移動)の能力を使い移動した。

魔物達は標的の得物を突然、失い混乱する。

第一展望デッキがある地上350M程の上空からは、遠くに雪を被った富士山が以前と変わらない勇姿を見せていた。だが、それとは対照的に眼下の地上は見渡す限り黒い瘴気の霧に覆われ、嘗ての大東京に聳え立っていたビル群は破壊されて見る影も無かった。

人々が生活していた街を世界の終わりとも思える様な地獄に変えた火炎竜に対し、凛太朗は殺意に近い怒りの感情が沸いた。


『赦さん、きっと倍返しをしてやる』


怒りはメンタルを補強するものだが、負の感情を利用する悪魔に対しては危険なものを孕んでいる。それは宇宙戦士時代に身をもって学んだ事だ。だが、凛太朗は、その感情を抑える事が出来なかった。


『愛する人達を守るには俺は魔の力であっても取り込んでやる』


こみ上げてくる怒りの感情を念パワーに変え倒壊したビルに込め、ビルを大地から引き抜いた。その力は嘗て宇宙最強戦士のパワーを上回っていたかも知れない。

凄まじい轟音が辺りに響き渡った。

凛太朗はテレキネシス(Telekinesis:物体移動)を使い高層ビルだった2000トン近い残骸を空高く持ち上げ火炎竜に目掛けて投げつけた。


「ナニ・・・」


意表を突かれた火炎竜は驚いた様だったが、引力を無視したあり得ない動きで逃げる。

異次元の魔獣であればこそ成せる技だ。

遠吠えにより集まった地上にいた魔物達は逃げきれず、多くは上空から落下して来た高層ビルの瓦礫の下敷きになり断末魔の叫びを上げた。

『やはりな・・・』凛太朗は攻撃が火炎竜に躱されるのを予想していた様に呟いた。


「おい、火炎竜、何処を見ている。

お前の得物は、こっちだ」


火炎竜は挑発に反応し、スカイツリーの展望デッキの上に立っている凛太朗に爬虫類特有の細い瞳を向け、炎のブレスを吹き掛けながら上空から攻撃して来た。

サイコキネスの盾でブレスを辛うじて防ぐ、紅蓮の業火でスカイツリーの鉄骨が真っ赤に焼けた。

予知能力のスキルが凛太朗に危険を知らせた。奴の紅蓮の炎に焼かれれば一瞬で灰になりそうだ。

だが、どの様な攻撃も標的に当たらなければ意味をなさない。

遠くに都庁だったツインビルが見える。

『直線距離にして10キロ程先か・・・』凛太朗は半壊したツインビルをイメージしテレポーションで、ブレスの届かない場所まで一瞬にして移動した。

火炎竜の注意が、未だ、スカイツリーに向いているのを見逃さなかった。

サイコキネシスを使い、瞬時に重力を操る。

スカイツリーの上空を特異点と定める。時空を歪めブラックホールの重力に匹敵する無限大の重力を発生させた。そして、宇宙戦士時代に使った最強の技、途轍もない重い重力ハンマーを上空から落とした。

攻撃の気配さえない重力ハンマーの一撃は火炎竜に身構えることさえ許さず押し潰した。


「エル、聞こえるかい。

凛太朗だ。いや竜馬と言った方がいいかい?

未だ、バトルアーマー(battle armor:戦闘鎧)は使えるかい?」


「え、竜馬?

凛太朗、あなた、転生前の記憶が戻ったの・・・。」


「ああ、待たしたな」


「嬉しいわ・・・あなたが生まれ変わるまで、45億年も待ったのよ!

五月やカトリーヌ、レーテ、それに昔の仲間達、みんな喜ぶわ・・・。」


「エル、話は後だ」


「凛太朗、以前の機体は魔界を攻めた時に失ったわ、でも、この日の為にバージョンアップした機体を異次元空間に用意してある。

過去の人類、未来のテクノロジーが作り上げた最高傑作は、あなたを裏切らないわ」


エルザは、そう言うと突然、目の前に姿を現した。

彼女はアンドロイドだが、何処をどの様に見ても人間にしか見えない。

何時ものよく似合うビジネススーツにハイヒール姿だ。


「エル、以前の認識番号は使えるか?」


「大丈夫よ!」


「分かった。

なら認識番号Z0814・・・凛太朗、人工知能「エルザ」に命ずる。

戦闘体型バトルアーマーに移行せよ!」


「人口知能、エルザが命令を受理しました。

最終戦闘体型に移行します。必要時間は20秒です。」


空間が裂けて、エル(AI)の本体が異次元の狭間から現れた。

エルの本体はエルザと凛太朗を優しく包み吸収する。

眩い光の後、全長20M程の流線形をした白銀ボディのバトルアーマーが姿を現した。


その頃、重力ハンマーにより形を留めないまでに圧殺された筈の火炎竜は再び瘴気を集め再生しようとしていた。



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