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【赤い悪魔】死闘NO3 サイコキネス(psychokinesis:念力)

【赤い悪魔】死闘NO3 サイコキネス(psychokinesis:念力)


「フフフ・・・恐怖で打ち震えるがいい。」


赤い悪魔は凛太朗の心に侵入した事で勝利を確信する。

それは未だ嘗てメンタルアタック(精神攻撃)が破られた事がないからだ。

魔眼から凛太朗の中に底知れぬ不安や恐怖と言った冷たく悪意のある感情が押し寄せて来た。その感情が心意の根底にある恐怖を呼び起こそうとする。

悪魔達が使うメンタルアタックは相手の恐怖心を増大させる事で、呪縛を掛け精神を破壊、心の死を誘うのが狙いだ。

だが、前世で魔将軍と戦い、死の淵から帰って来た経験が彼にはある。

それに比べれば、ありふれた精神攻撃など稚拙、竜鬼の肝を喰らい、宇宙最強の戦士の力と知恵を取り戻し覚醒した凛太朗には、そんな事で動じる筈も無かった。

心に侵入して来た悪魔の精神を鉄の心で跳ね返し打ち砕いた。

予想外の抵抗を受けた赤い悪魔は、動揺し精神を戻そうとするが、凛太朗は心を閉ざし逃げ道を塞いだ。

閉ざされた心の世界では、例え相手が悪魔であっても攻守が逆転する。当事者のイメージの力は絶大だ。

凛太朗は少し自分でも悪趣味に思ったが、悪魔にダメージを与えるために心の中に二枚の振り子ギロチンをイメージし作り出した。振り子ギロチンはダンジョンのトラップに使われる恐ろしい罠だ。

一枚のギロチン刃を躱しても、もう一枚のギロチン刃が襲って来る仕掛けだ。

気を抜けば大きな刃の付いたギロチンの餌食になり真っ二つになる。

例え悪魔でも精神に傷を負えば致命傷の筈だ。更に光の矢を作り射かける。

悪魔に取って人間の心に侵入し反撃を受けた事など無かっただろう。

敗北感で顔が引きつる。

堪らず悪魔は必死で心を抉じ開けて脱出を図る。だが、相手に確実に死を与える筈の精神干渉魔法が破れたのだから、その代償は大きい。

悪魔の気は凛太朗の心に侵入し敗れた事でかなり力を失った様だ。胸に手をあて息苦しい表情を見せた。


「キサマ、モウユルサン」赤い悪魔の顔は怒りで一層赤くなった。

何やら言葉を紡ぎ始めた。


「ワレハ、メイズ、ワガシモベタチヨ、キョムノチヨリ、ワレワ、ショウカンスル・・・」


それは魔獣を召喚する呪文だった。

空間が裂けて姿を見せたのは二匹の黒い瘴気を纏い羽根を持つ召喚獣だった。

悪魔は、さらに辺りに響く雄叫びをあげ漂う瘴気を大量に吸収し始める。

失った力を取り戻すためだ。


凛太朗は相手が次の手を打つ前に勝負を掛けた。

携帯式ミサイル砲を造形能力で作りあげ、赤い悪魔を一撃必殺の死霊弾で仕留めに掛かる。

宇宙戦士時代に戦場で生き残るために身に付けた知恵は、殺るかやられるか、隙あれば手段を択ばず倒しに掛かるという事だ。

だが、召喚獣が、あいだに割って入って邪魔をされる。

二匹の召喚獣は時間稼だが、裂けた大きな口、下顎から生えた牙や鋭い鉤爪を見る限り、百獣の王、ライオンすら可愛いと思えてしまう。噛み付かれたら深手は覚悟しなければならない。

二匹は左右に分かれ毒の瘴気を吐きながら、跳躍し高所から攻撃をして来た。

先に飛び掛かってきた一匹を村正で右薙に切り機先を制する。

サイコキネス(psychokinesis:念力)は格闘戦では最強の能力と言われる。

宇宙戦士時代、最も得意とした力であり、最強の戦士と言われた所以(ゆえん)だ。

サイコキネスのパワーを召喚獣に叩き付ける。サイコパワーの強烈な打撃で、召喚獣の巨体は吹き飛んだ。怯んだ隙に開いた口から背中に掛けて村正を突き刺し一匹を串刺しで葬る。

死霊の宿った妖刀村正は再生能力のある召喚獣にも有効な武器だ。

残った一匹の召喚獣は仲間がやられて警戒心を顕わにする。

召喚獣は不可解な力を使う凛太朗に対して怯えを見せた。

刈る者と刈られる者の立場が逆転した瞬間だ。

のらりくらりと召喚獣に逃げられ、時間稼ぎさせる訳にはいかない。

凛太朗は勝負に出た。超能力を使いDNAを作り変え鋼鉄の体に強化する。そして敢えて攻撃させるため召喚獣の間合いに入った。肉を切らして骨を断つ戦法だ。

案の定、誘いに乗って飛び掛かって来た召喚獣に、サイコパワーを載せた剛拳をお見舞いする。更に連続パンチを何発も打ち込み、サンドバック状態にボコボコに袋叩きにした。

強烈な打撃で目玉が飛び出し骨は陥没するが、致命傷にならない。

厄介な事に直ぐに再生が始まる。召喚獣を倒すにはやはり一撃で倒す必要があった。

凛太朗は闘気を限界まで高め妖刀村正に流した。怪しいオーラが村正から立ち上がる。

死霊の鬼哭する声が聞こえる。次の瞬間、凛太朗は上段から村正を振り下ろした。

空間にガラスが割れた様に亀裂が入る。不思議な事に剣が届いていないにも拘わらず召喚獣から黒い血飛沫が上がった。更に空間の亀裂から腕だけの怪異が沢山現れて召喚獣を地獄へと引き摺り込んだ。忘れ去られた必殺技、『次元切り』が、蘇った瞬間だった。


凛太朗が二匹の召喚獣と対峙している間に、悪魔の体は大量の瘴気を集め変態を繰り返し化物になっていた。黒い瘴気の中から姿をあらわしたのは、上空を飛び回り紅蓮の炎をブレスし人々を襲っていた赤い火炎竜だ。

火炎竜は背中に生えた大きな羽根を羽ばたかせ数十メートルはあると思われる巨体を一気に上空に舞い上げた。そして、大地を震わす声で遠鳴をする。それは仲間を呼ぶ声だった。

その声に呼応し何処からともなく、魔物達の群れが地響きをあげて近づいて来た。


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