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※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。
適当で良いよ、多分ね。
来る時に備え、吹き始める。長く、強く、大きく吹く。
目の前で噴き上がるのを避けながら、次々と上の受け持ちへ送り続ける。
常に回す者と、常に切り刻んで投げ込む者が、止まらずにその腕を使い続ける。
我が物では無い顔は、目の前で行われる耐え難い誘惑にまだまだ耐えなくてはならなかった。
すごくいいにおいがする。
おとうさまのスープみたいな、でもちょっとちがうにおい。
チーズとパンのにおいもする?
こんなににおいがするけど、もうしょくじのじかんだっけ?
しょくじのじかんなら、はやくおきなきゃ。
みずくみもいなきゃだし、はたけのみずやりもしなきゃだし、しゅうかくもしなきゃ。
でも、しょくじのじかんなのに、においするのに?
においがするなら、もうみずくみも、みずやりも、しゅうかくもおわってるのに?
んん . . . わかんないけど、おきなきゃ。
そともあかるいし、ねすぎちゃったのかな?
おきようとしたら、みぎてがぬのでぐるぐるにされてた。
しろいうまさん、しろいかみのこ、っ!
しろいかみのこはどこ?!
わたしのへやにはいなかった。
へやをでようとしたら、あたまがずきずきする。
そのままくらくなってきて、とびらにつかまろうとしたら、ひらいちゃった
そのままたおれて、いたい。
くらいのがすこしよくなって、たとうとしたら、だれかがはしってくるおとがする。
「イルリーナ!動かないで下さい。やっと持ち直したのですから、未だ動いては駄目です」
おとうさま?あれ?こえがでない?
なんで?おとうさま!こえがでないよ!
「イルリーナ?あぁ、声が出ない事ですね?薬の効果ですから、元気になれば戻りますよ。泣かないで下さい。よしよし。今食べる物を用意してますから、もう少し待ってて下さい。ベッドに戻れますか?では、こっちで食べますか?そうですか。では行きましょう」
おとうさまがわたしのことをかかえてはこんでくれた。
でも、しろいかみのこは?
いすにすわってまってるけど、ずっときになる。
でも、おとうさまにきけないし、こえがでないのにどうやってきけばいいの?
おにくがいっぱいのスープ!
おなかいっぱいたべてもかたくないパン!!
すごくあまいきのみ!!!
まだたべたいのに、おなかいっぱいでもうたべれないよ〜。
でも、なんでこんなにいっぱいあって、いっぱいたべていいのかな?
だれかのおいわい?
うー、ききたいのに!
まって、わたしはおなかいっぱいたべたけど、しろいかみのこは?ずっとねてたし、いないし、どこ?
おとうさまにどうやってつたえよう?
んん . . . がんばったらこえでないかな?
「 . . . ぁ . . . ぅ」
「何か伝えたいんですね?どうしましょうかね。文字は未だ書けないですし、私が質問して答えさせても伝わる範囲は限られますし . . . 」
もー!なんでこえでないのー!
もうわたしげんきだから!くすりなくていいから!
わたしのこえをかえしてー!
おとうさまはぶつぶついいながらどっかいっちゃった。
うごかないっていわれてるのに、どうしよう?
ここでまってたらいいのかな?
もうすこしだけ、あまいきのみたべようかな?
やっぱりスープもパンもたべちゃった。
おなかいっぱいっておもってたけど、やっぱりすいてたみたい?
こんなにたべれるなんて、わたしもびっくり。
でも、まだいっぱいある。
やっぱりだれかのおいわいだったのかな?
うーん、おとうさまぜんぜんかえってこないよ。
なにしてるのかな?わたし、ねたくなってきたのに。
あしおとがきこえる。
おとうさまがもどってきた?うーん?でも、あしおとひとりじゃないきがする。
あれ?やっぱりひとり?
やっぱりおとうさまがもどってきた。
でも、かおがみえないくらいてにいっぱいほんをもってる。
なんで?
「イルリーナ、この本に書かれてる字を指で指して言いたい事を私に伝えられますか?」
んん?わかった!
ほんのなかにかいてあることばでつたえるってこと?
でも、こんなにほんがあったら、どれでゆびさしたらいいかわかんないよ。
「何処に、向かう、白馬?何処かに運んで欲しいのですか?馬を伏せる?白いということですか?そうですか。髪の毛、子供、終わり、と。白い髪の子供が何処に居るのか聞いているのですね?そうですか」
やっとつたわった!ほんのなかからことばをさがしてくるのたいへんだった!
「白い髪の子供はイルリーナの部屋の隣で寝ていますよ。待ちなさいイルリーナ!動いては駄目です。元気になってから会いに行きなさい。声が出ない間は駄目です。分かりましたか?」
うー、わかった。げんきになってから。
わたしとちがって、しろいかみのこはげんきなのかな?
ずっとねてたけどおきたのかな?
「イルリーナ、少し聞いても良いですか?あの子供は何処から連れて来たのですか?」
どこ?うーん、はっぱのうえ?
でも、もっとわかることだよね。
ちかくにかわがあったとか。
「暗い森の奥深く、川、近く、模様、木、ベッド、植物、山、終わり、と。まさか童話の類がここまで役に立つとは思いませんでしたよ。森の中の川の近く、ここまでは分かります。模様のある木はわかりませんね。ベッドと植物の山は恐らく、葉などで作られたベッドの様な物でしょうか?そうですか。では、これは何かの寝床という事ですかね」
つたわった、のかな?
ゆびをとんとんしながらすごくおとうさまがかんがえてるからダメだったかも。
「では、その右手はどうしたのですか?」
ぬのでぐるぐるなのはちがうよね?
なんでぐるぐるにしないとダメなことになったかだよね。
「暗い森の奥深く、白馬、剣で突き刺す、終わり、と。剣で突き刺す白馬 . . . もしかして、これですか?」
おとうさまがほんのやまからひとつえらんで、ひらいたところをみせてくる。
うーん?にてるけど、なんかちがう。
ほんにかいてあるえは、うまさんにとりさんみたいなはねがついてる。
でも、わたしのしってるしろいうまさんはとりさんのはねはついてなかった。
「違いますか?そうですか。では、これですか?」
おとうさまがおなじほんのちがうところをみせてくる。
でも、これもなんかちがう。しろいうまさんみたいで、はねはついてないけど、けがもじゃもじゃすぎ!
「違いますか。では、これですか?」
またちがうところをみせてくる。なにこのほん!しろいうまさんのえばっかりじゃん!
でも、これもちがう。もじゃもじゃじゃないし、はねもないのに、あしがいっぱい!
わたしがみたのはふつうのうまさんとおなじだったから、これじゃない!
「違いますか。となると、これですかね?」
おとうさまがまたちがうところをみせてくる。
このほん、うまさんのほんなの?うまさんばっかりじゃん。
んん、はねもない。もじゃもじゃでもない。あしいっぱいじゃない。あたまにぼうついてる!
これ!
「これですか?本当ですか?そうですか。やはりこれなのですね?となると、いえ、私には関係ありませんね。分かりました。少し読んでみますか?何をされたかイルリーナもわかると思いますよ」
おとうさまがわたしにうまさんだらけのほんをわたしてくる。
ほかのうまさんもちょっときになるからよんでみる!
無駄に動かず、待ち続ける者が言いつけを守っている。
その心は未だか未だかと問うが、言いつけは未だだ未だだと返すばかり。
何度繰り返しても、私は守り続けなくてはいけないと皆から言われる。
しかし、誰もその者が待ち続けている事を、言いつけを守り続ける事の理由を知らないのだ。待ち続ける者でさえも。




