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17を理る者  作者: lilhytte
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※不備を見つけた際は誤字報告受付まで。


適当で良いよ、多分ね。



 辺りは暗く沈んでいる。吹き込まれる僅かな囁きは、忙しと何かを運んでいる存在を示した。

見渡せる限り、辺り一面にその場で佇むそれらが黒い影の元で甘んじている。

もし、遥か遠くに手を伸ばせれば、薄暗く主張するあちら側から僅かな光が届く事だろう。






チャポン―――



のぞいてみても、ずっとまっくら。

おとだけをしんじてロープをひっぱりつづけると、やっとみえるところまでやってきた。

ロープをよこにまきつけてから、かおをみせたいまのしゅうかくをとりあげる。



バシャッ



すこしだけとびだして、てにかかる。



「んん!」



すっごくつめたいから、めがさめた。

そのあともひっぱってはとりあげる。

きがつくと、のぞいたさきがひかってる。



いっぱいにつめられたわたしはどっちかな?

とびだそうとするわたしにきをつけながら、あかるくなったみちをもどる。

きっと、これがおもいから、むかしにいわれたことをおもいだした。



「何でも楽をしちゃいけませんよ。自分の手でやる事に、意味があるのですから」



だからって、まいにち、さんかいもやらせなくたっていいじゃん!



さかをのぼると、にわがみえてきた。

コンコンっておとがするから、おとおさまがまきわりをしてる。

おとおさまがまきわりをおわったら、いっしょにみずやりをするから、いそがなきゃ。



まきわりはあぶないから、とおまわり。

いえのそとにおいてある、おおきなつぼにいく。

おおきなつぼは、わたしのしゅうかくをいれるもの。

ふたをあけて、ぜんぶいれる。



バシャバシャっておとが、がんばったねっていってる。

ぜんぶいれたら、ふたをする。ふたをわすれると、おこられる。

おおきなつぼのまわりをぐるぐるしながら、ちゃんとできたかみる。



「よし!」



おおきなつぼとさようならしたら、つぎはかごをもってくる。

おとおさまとみずやりをするまえに、きょうのしょくじにつかうものをしゅうかくしなきゃ。






おとおさまがなべをもってくる。

いつも、まめだけど、きょうはぱん。ぱん!

きのう、むらのおばあさんがくれたから。

かたいけど、おおきいまめよりずっといい。

おとおさまがつくったスープにいれて、たべるの。



おとおさまがなべをおいてかえってきた。

いすにすわったら、たべていいの。

でも、おとおさまはいつも、すわってからひとりでしゃべってる。

さめちゃうのにね?



「今日の収穫と加護を与えたことに、主へ、この祈りで感謝を伝え―――」



ほらね?でも、わたしはさめちゃうから、さきにたべる。

あちあちのスープに、ぱんをいれる。

スプーンですくったけど、あついからたべれない!



フー、フゥー



いきをかけてからくちにいれる。

まだあついけど、たべれる。

いつものはっぱと、ちいさいまめのあじ。

すこしだけ、ぱんのしょっぱいあじがする。



フー、フー



またいきをかけたら、おとおさまとめがあった。

ちょっと、こまったかおをしてる。

ふーふーはだめっていわれるのかな?



「熱いのなら、少しずつ食べなさい」



おとおさまはそういって、たべはじめた。

やっぱり、おこられちゃった。

でも、おなかすいて、はやくたべたいんだもん!



おこられたから、ちゃんとすこしだけにしてたべる。

いっぱいたべたいのに、いっかいにすこしだけ。

きがつくと、おさらがからっぽになってた。



「今日は、村に用事があるのだけれど、イルリーナはどうしますか?付いて来ますか?」



たべおわったわたしに、おとおさまがきいてくる。

きょうは、そんちょーさんのおうちにいくの。

そんちょーさんは、いつもなにかくれる。



「ついていく!」



おとおさまはうなずいてる。

おさらをあらって、おいてくる。



「では支度をして下さい。今日は風があるので、羽織りものを持って行きましょうかね」



おとおさまはそういって、おへやにいく。

わたしも、おへやにいって、じゅんびする。






ケープ、ふくろ、あーじ。

みんなおへやのなかにいる。

いつもおなじばしょにいるから、すぐわかる。



ふくろのなかには、まほうのことばとおおきなぬのをいれるの。

おおきなぬのはちいさくしていれる。

ちょっとおもいけど、ふくろのなかはまだいっぱいはいるかな?

でも、そんちょーさんがくれたものをいれられないから、きょうはこれだけ。



つぎは、まどのよこにあるあーじをとって、みずをいれてくる。

いっぱいになってふくらむまでいれたら、ふくろといっしょにつける。

ちゃんとふたをして、ぎゅっとむすぶ。



あーじにみずをいれおわったら、おへやにもどる。

あたまからケープをかぶって、ひとまわり!

ふわってしたから、ちゃんとかぶれた。

ふくろとあーじでくるしくなるから、ふわってするのがいい。

わたしがまわるといっしょにおどるの。

おもしろいからもういっかい!



さいごに、おへやのまどをしめる。

ふくろにいれた。あーじもつけた。ケープもかぶった。

おへやのまどもしまってる。



「じゅんびできた!」



じゅんびができたら、おとおさまのところにいく。



おとおさまはそとでまってた。

かぜとおとおさまのケープがあそんでる。

そとはあかるくて、すこしまぶしい。

わたしをみて、おとおさまはかばんをもつ。



「イルリーナ、忘れ物はないですか?」



わたしはふくろのなかにちゃんとまほうのことばと、おおきなぬのがあるのをみる。

あーじはふくろのよこについてるし、ケープはかぜとあそびはじめてる。



「ない!」



わたしがいうと、おとおさまはとびらをしめる。

ちゃんとしまったか、わたしもいっしょにみる。



「それじゃあ、行きましょうか。手を離さないようにして下さいね」



おとおさまは、あいてるてをわたしのまえにだす。

わたしはつかんでうなずく。



おとおさまのおおきないっぽ、わたしはちいさくにほ。

かぜもいっしょにあるいてく。

まえに、うしろに。いちばんはやいのはだれかな?

そんちょーさんのおうちまでてをつないだまま。



きょうはなにをくれるかな?






 誘い揺すられる緑葉は遠く、絶えず揺すられた群緑は近く、まとめ役の為すがままにある。その声は大きく、確かに存在するというのに、彼らが引いて残す線はなんと細いことか。

その声すら届くことのない照らしの住人は、今なおその枷を背負い続けている。地に足着けては、ぼやけてひとつか。いや、ふたつ。



 見届け続ける手を伸ばされる者も、今は見るに値すると感じているのだろう。

押した先に届かなくとも、変わらず押し続ける意思のようだ。






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