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チートで世界の敵になる

「ねえ、伊勢海クン。

幾ら夫婦間でも合意の無いセックスはレイプと同義よ?

そこら辺、おわかり?」



ベスおばが興味の無さそうな顔で俺を眺め続けている。

俺は帰宅してからずっとベスおばを抱き続けていた。

(この女の言を借りればレイプだそうだが。)




怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


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駄目だ、思考が纏まらない。

ギルガーズ大帝陛下の全てを見透かした様な眼がフラッシュバックする。


何だ!?

オークなんて、俺が読んで来たラノベの中じゃ知能の低いやられキャラだったぞ?

2話目か3話目で主人公のチート能力に一蹴される役回りの筈だ…


何で?

何で?

どうして俺がチート持ちの異世界人だってバレたの?

おかしい!?

おかしいおかしい!!

今まで全然バレなかったのに…

見た瞬間に正体を見破られた…

しかもスキルまで見当を付けられている。



お、おかしいだろ!

こんなの絶対おかしいだろ!?

やっぱりリザードに嵌められたんじゃないか?

リザード内に人間種との和解に反対する勢力が居て、そいつらが工作して俺と大帝陛下をぶつけた?


いや、これから俺、どうなるんだ?

殺されるのか?

やっぱり殺されるのか?

俺が大帝の立場なら絶対に生かしておく事は無い。

これからトップ同士で外交交渉の大詰めだ。

【心を読む】能力者なんて放置してくれる訳がない。

仮に今は外交上配慮してくれたとしても、機を見て絶対に殺しに来るだろう。


いや、大帝陛下がリザード側に俺への懸念を示した場合、リザード側が俺を殺さざるを得なくなる。

俺一人とオーク種全体の和平交渉、どちらに価値があるかは明白だ。




「…せ海クン。 伊勢海クン!」



ベスおばが声を荒らげたので、何とか我に返る。



「あのねえ。

ワタクシはアナタの精神安定剤では無いのだけれど。」



『…スマン。』



「こんな抱かれ方をして喜ぶ女なんて居ないわよ?」



『ああ、そうだな。』



「アナタがうわ言で言ってた《陛下》というのはオークのギルガーズ大帝のことよね?

何? 揉めちゃったの?」



『俺にとって隠しておきたい情報を看破された。』



「アナタって全面的に後ろ暗い事ばっかりじゃない。

…標準座標に、謎スキル。

まあワタクシには大体の見当は付いてるけどね。

アナタ、無防備すぎるのよ。

特にスキルを発動している時に、あからさまに右手を強張らせるのはやめなさい。

《今、内緒でスキルを発動してます》って言っているようなものよ?」



『スマン。』



「要するに伊勢海クンの出自やらスキルやらが、オーク種にとって都合が悪いのね?」



『リザードやゴブリンにとっても不利益になると思う。

無論、コボルトにとっても。』



「ワタクシは帝国貴族だからグランバルドにさえ楯突かなければ看過してあげるけど。

…どうせ、人間種にとっても都合が悪いんでしょ?」



『…否定はしない。』



「あははははww

じゃあ、伊勢海クンは世界の敵ねww」



『…かもな。』



「じゃあ、アナタ…

誰の味方なのよ?」



『俺は…

正義の味方だ。

少なくともそうありたいと考えている。』



「ほら、やっぱり世界の敵じゃないwww」



『だな。』



俺はベスおばと話した事で少し気が紛れたので、リザードタオル(彼らが機械整備に使っている)で全身を拭き取る。

ベスおばが催促するので、そちらの身体も拭いてやる。



「安心しなさい。

伊勢海クンが不穏分子なのは議会も了解済だから。」



『やぱり、そうなのか?』



「だってアナタ…

100%社会なり体制なりに不満を持ってるでしょ?

というより、貴方の言動ってどう考えても共産主義者の立ち回りなのよ。

一応確認しておくけど、帝国法であらゆる種類の共産主義活動が禁止されている事は知っているのね?」



『そりゃあ、貴族にとっては都合が悪いだろうな。』



「ほら、そのスタンス。

それって自分から反体制分子を名乗っているようなものなのよ?

帝都でそんな態度取ったら普通に殺されるのだからね?」



『アンタも俺を殺すのか?』



「安心しなさい。

今はアナタの利用価値はまだまだ残ってるから。

オークやリザードにとっても同様。

まだ殺されないはずよ。」



『いや。

俺はこの数か月で種族間対話の成立に全リソースを注いだ。

自慢する訳じゃないが、俺抜きでも成り立つレベルの平和状態をこの世界にもたらした自負はある。

一切の出し惜しみはしなかった。

俺の利用価値は、もう使い切った。』



「まあ、五種族が言語統一しちゃったしね。

結局、公用語はリザード語で確定なんでしょ?

明文化はするの?」



『近く、《公用語は特に定めない》という布告がリザード語で発布される。

また、これはオフレコだが国際経済用語はリザード語で統一される。

例えば、《為替》は《フルッド》だ。』



「伊勢海クンが、そう誘導したんでしょ?」



『世界の発展の為には、これが一番ベターな結論だからだ。

批判する者も居ると思うが、俺は正しい選択をしたと信じている。』



ベスおばは何がおかしいのか大笑してから、シュタインフェルト卿の宿舎船に向かった。

どうやら善後策を考えてくれるらしい。

《卿なら俺を殺すまい、殺さざるを得ない状況だとしても、多少の手心を加えてくれるのではないか?》

と内心期待し、布団に頭から潜って朗報を待つ。


体感時間で数時間は経っただろうか?

接舷音が聞こえたので、俺は安堵して甲板に飛び出した。



だが、喜び勇んだ俺の眼に入って来たのは、高速船の船首に雄々しく靡くギルガーズ大帝の紋章旗だった。

俺が恐怖のあまり硬直していると、タラップが降ろされ、オークが乗り込んで来た。

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