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多分フラグが立った

学校に入学して、1ヶ月、それなりに慣れてきた。

クラスメイト以外の攻略対象だった人達とは

あまり接点が無く、姫花とも、食堂で絡まれた時以来あって居ない。

伊織ちゃんが気を遣ってくれているのか、食堂以外の場所でお昼ご飯を食べている。

(学食でランチボックスが売られて居り、それを購入後移動)

学校面積が物凄く広く、中庭が一種のアトラクションと化している(遊園地とかの様に乗り物は無いが)

動物の形に剪定されたトピアリーがあったり、植物で造られたアーチがあったり、四季折々の花々が飾られている花壇があったり…。

ベンチやテラス席も色んな場所に設置してある。

お茶やお菓子を持ち寄っている人達が居るから、そう言った意味でも自由な校風なんだなと思ったり。

私はそういうものを持ち寄ったりはしないけれど、楽しそうだなとは思う。

傍目にそれを見ていると、伊織ちゃんが話しかけてきた。

「どうしたの?璃々那ちゃんもお茶会やりたいの?」

「そういう訳では無いんだけど…」

如何にも高級そうな食器、お菓子、紅茶…あんなお茶会に誘われたら

緊張して、味なんか感じないんだろうな…。

そう心の底から思う。

妬みとかそういう事ではなく、事実、庶民が貴族の、貴族が庶民の慣れ親しんだ物を同じように美味しいと感じる訳では無いだろうし。

あの食器をもし割ってしまったとして、弁償させられることになったら…そう考えると気軽に参加したいだなんて言えない。


「あ。そう言えば、璃々那ちゃんは学校主催のパーティー参加しないの?」

「パーティー???」

そんな物あった…?

ざっくりとした、粗筋を思い出してみる。

あぁ、そう言えばあったわ。

アレ、丁度今の時期か。

麗斗ルートを選択すると、麗斗にドレス一式をプレゼントされ、エスコートされ、1stダンスのパートナーに選ばれ、麗斗の婚約者の姫花に罵られる。

今思うと、至極当然だと思う。

姫花は正当な婚約者で、ヒロインは会って間もないのに、本来なら婚約者が居るべき場所に居る。

恋は盲目恐るべし。

「私は参加しないかな。ドレスも無いし、そういう靴も無いし。」

「ボクがプレゼントするよ?」

「うーん…」

幾ら友人だからと言って、そう言う物をプレゼントされるのは気が引ける。

…そう思うと、ヒロイン凄いな。

各攻略キャラ達から、色んな物を買い与えられては躊躇せずに、着たり、履いたり、着けたり…。

だからヒロインなのか。

乙女ゲームのヒロインにはそれなりに“図太さ”も必要…。


そうじゃなきゃ、婚約者が居る相手のエスコートで、パーティーなんか出ないか。

そう思うと、あのままの設定通りじゃなくて良かったと感じる。

盲目的に全ての人に愛され、その中から、一人を選んで周りの目なんか気にせず、手とか繋いだりなんかして。

所謂バカップル何かやってられないか。

「…伊織ちゃん、私そのパーティー参加できないわ」

ふと思い出した。

パーティーに参加するには、招待状が必要。

其れが学校主催のパーティーだったとしても。

ゲームだった時のヒロインは、全ての人に愛される子だったし、麗斗のパートナーとして大目に見て貰っていたけれど、今はそうはいかないだろう。

「なんで?」

「確かそのパーティー、招待状必須だよね?私には届かないから。」

予言めいた事を言ってみたけれど、飽くまでも貴族の交流パーティーだ。

特待生とは言え、庶民の私にそんな物届くはずがない。

「え、そうなの?招待状かぁ…じゃあ、ボクにも届かないかな」

どういう事だろう?

何か理由が有りそうだから深くは聞かない。

「招待状来ても、璃々那ちゃんが来ないなら詰まらないだろうし、参加はしないけど」

そう言って貰えるのは有り難いけれど、招待状と言う名の強制参加状みたいな物だと

誰かが言って居た気がする。

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