2013年7月1日
あの日、オレは《元の世界》に戻った後、すぐに病院に駆けつけた。
奇跡的に一命をとりとめた優輝ら数日後に意識を取り戻した。偶然面会していたオレは目を覚ました優輝に話をした。何故自分が寝ているのか、それすらも分かっていなかったので現状説明も兼ねてだ。
そこでオレは事故のこと、《ifルート》やルーシーの事、全てを話した。
全てを聞いた後、優輝は皮肉げに笑うとオレに言ったのだった。
「俺にとっては、この《世界》こそ《ifルート》だ。大地が死んだ《世界》で、俺の願った《ifルート》はここなんだ」
どうやら優輝も《別の世界》でオレが死んだ後ルーシーと出会い、僕と似たような願いをしていたようだ。
オレと優輝は考える事が全然違うようで、根本は似ているのかもしれないな。
二人でそんな話をした後、優輝が目覚めた事を誰にも連絡してない事に気がついたオレはナースコールをした。病院の先生曰く奇跡だ、と言っていた。
その後しばらく優輝の体調は安定していた。鈴奈や恵美はもちろん、母親のアリソンさんも面会に来て話をした。
鈴奈は《世界の記憶》で《ifルート》で何があったのかを知っていた。
恵美は何が何だか分からなかったようで、オレの説明が少なかったのか少し誤解を招いてしまった。それも優輝と鈴奈の説明でなんとか解けたので大した事じゃないのだが。
その日が来たのは突然だった。
優輝の容体が急変したと病院から連絡が来た。自宅にいたオレはタクシーで病院に急いだ。
しかし、ついた時にはすでに優輝はこの世を去っていた。
先に来ていた恵美や鈴奈、家族の人達が泣き崩れる場で、オレは一人立っていた。
優輝の安らかな表情は『下を向いてたら走れないだろ?』と言っているかのように思えた。
《2013年7月1日》、オレの親友はこの世を去った。
鈴奈の話をするにはどうしても優輝の死の瞬間を書かなければならなかったので執筆しました。
次回は鈴奈のお話です。




