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牛乳  作者: 香坂裕之
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後編


「……」


神様、わたくしの大好きな先輩が……ここ最近ずーっと牛乳を飲んでいるのです……。

わたくしは、いったいどういう突っ込みをすればよいのでしょうか……。


朝駅で会ったときはおいしい牛乳、

お昼ご飯の時は森永の、

部活の最中はルナの飲むヨーグルト……。


あれ? ヨーグルトって牛乳だっけ?

ま、どーでもいっか。


先輩はコンビニでピルクル買ってる。

牛乳、というより乳酸菌がほしいのかな。


「……先輩?」

「ん?」


どうして牛乳を?って訊いてみたら、先輩はストロー挿し込みながら、

「努力すればむくわれるってな」って、意味わかりません。

なんの努力なんだろう……。


「それ、いつから始めたんです?」

「んー? んー、そろそろ一週間かなぁ」

「えー……いったい何の努力なんですかぁ?」

「ふふふ、いずれ驚かせてやる」

「えー……」


ストローくわえたまま、ニヤっと笑う先輩。


牛乳……牛乳かぁ……。

しかもつい最近って……思いつき? 

驚かせてやる、かぁ……んー……。


……!! そっか、そゆこと!!


「先輩!」

「んー?」

「わかりました!」

「あー、バレバレ? やっぱこのままじゃぁなぁ」

「俺のために……努力してくださってるんですね!」

「え? あー、まぁきっかけはお前だけど」

「でも、先輩はそのままでいいと思います!」

「え?」

「そのままで十分いいですよ!」

「え、や……そう、か? いや、でもなぁ」

「だって俺、貧乳いけますから!」

「……は?」


……あれ?


「なんて?」

「いや……驚かすって言うから……かな?って」

「……」


あわわ、先輩っ、ピルクル、紙破れるっ!


でもそんな心配はいらなかったみたいで、


「違うわボケっ!!」


飲みかけのピルクル振りかぶって俺に。

ぐしゃって音と一緒に飛び散ったピルクル、のわーっ!


「どいつもこいつも乳しか興味ねぇのかーっ!!」


そのまま早歩きで駅に行っちゃう先輩。


「えー!? ちょ、待ってください先輩っ!」


制服べったべたなまんま、俺もダッシュ。

もー、わっけわかんないよ!




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