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性能しか見ていない鍛冶師、左遷先でなぜかバズる~性能特化で赤字子会社を立て直す~  作者: Masaki


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46/62

第46話 明日から販売です

「と、とにかく、実際に使ってみましょう。一条さん、まずは魔法からでいいですか?」


 桃が俺を見る。


「ああ、大丈夫だ」

「わかりました。それじゃ行きましょう!」


 俺たちはダンジョンをさらに進む。

 少し進んだところで、ゴブリンを見つけた。


 さてやるか。

 普段、ロッドを使う事がないから新鮮だ。


 魔弾を撃つ。

 直撃したゴブリンは跡形もなく消え去る。


『!?』

『え』

『は?』

『消し飛んだ』

『さっきと威力違いすぎない?』

『こっちは威力特化か!』

『殴れる上に火力まで高いの?』


「威力を補助する回路は、先ほどのロッドと同じですよ」


 茜が説明する。


『同じ?』

『じゃあなんで?』

『一条だからじゃね?』

『あ』

『一条だった』

『納得』

『比較になってないw』


「一条さん、手加減してくださいよ」

「倒せないよりいいだろ」

「オーバーキルすぎて、参考にならないです」

「これより弱くする方が難しいんだがな」


『してこれ!?』

『手加減とは』

『初心者用の実演だぞw』

『使用者が初心者から一番遠い』


「……まあ、魔法も問題なく使えるということで」


 桃が話を戻した。


『雑にまとめた』

『問題はロッドじゃない』

『一条を実演に出したのが問題』

『茜が使えばよくね?』


「…では、次は物理攻撃ですね」


 流したな。


『待ってました』

『殴ロッド本番』

『ロッドの紹介なのにこっちが本番なの草』


 少し進むと、今度はスライムがいた。


「あいつでいいか」

「スライムですよ?大丈夫です?物理耐性ありますけど」

「身体強化して殴ればどうにかなるだろ」


『スライム?』

『はじかれそう』

『一条の身体強化に耐えきれるのか』


 身体強化を使い、ロッドを振り抜く。

 スライムがはじけ飛び魔石だけ残る。


『!?』

『はじけたw』

『スライムかわいそう』

『物理耐性どこいった』

『殴ロッド強すぎる』


 ロッドを見る。

 床に当たったが、傷はない。


「問題ないな」


『そっち?』

『スライムじゃなくてロッド見てるw』

『完全に耐久試験』


「身体強化を使って振っても傷がない。初心者が使う分には十分だろ」


『身体強化込みで傷なし』

『頑丈すぎる』

『十分どころじゃない』

『初心者が使うには過剰では?』

『そもそも初心者が殴ってスライム倒せるの?』

『一条だから倒せた』

『それはそう』

『初心者が使っても意味なくない?』


「別に倒す必要はないな。魔力が切れた時に、そのまま何もできなくなるよりはいい。殴って距離を取れれば逃げられる可能性がある」


『あー』

『倒すためじゃないのか』

『緊急用ってことね』

『それなら初心者向けだわ』


「倒せるなら倒してもいいけどな」


『ハードル高い』

『倒せるなら前衛してる』

『確かにw』


「初心者の方なら、まずは逃げることを優先してくださいね」


 桃がすぐに付け足した。


『魔力制御もほしい』

『3つ合成できないの?』

『できるなら理想のロッドじゃね?』


「えーと、できなくはないですけど、それぞれの強化率が下がるんですよね?」

「そうだ。中途半端になるよりはいい」


『それはそう』

『正論』

『中途半端が一番危険』


「そういうことです。強度については十分伝わったと思います」


 桃がカメラに向き直る。


『普通に便利そう』

『魔力切れても戦えるのは強い』

『どっちを買うか迷う』


「そうですね。魔法も使えて、魔力が切れた後は物理攻撃もできますので、特にソロで探索する方には使いやすいと思います」


『一本で済むのはいいな』

『剣も持たなくていいのか』

『魔力制御が付いてないのがネック』

『制御に自信があるならこっち』

『これも桃と茜が設計したの?』


「こちらは一条さんと葵ちゃんが設計しています」


『あー』

『なるほど』

『急に納得した』

『一条と葵か』

『そりゃこうなる』


「何がですか」


『茜桃は普通のロッド』

『一条葵は殴ロッド』

『綺麗に分かれたな』


「見た目もいい」


 葵の声が入った。


『いたw』

『葵ちゃん』

『気に入ってるのか』


「カッコイイ」


『本人満足してる』

『まあちょっと分かる』

『殴ロッド感ある』


「では、最後に販売についてお知らせします!」


 桃が仕切り直す。


「今回紹介した2種類のロッドは、明日から販売開始です!」


『明日か』

『買いに行く』

『値段は?』


「価格などの詳しい情報は公式サイトでもお知らせしますので、興味を持った方はぜひお願いします!」


 桃が俺と茜の方へ手を向けた。


「こっちの魔力制御と魔法威力の方が茜・桃バージョン、一条さんの持っている魔法威力と強度強化の方が翠・葵バージョンです!」


『翠って誰?』

『一条だよ』

『一条って翠だったのか』

『初めて知った』

『ずっと一条って呼ばれてるからな』

『殴ロッドでよくね?』

『魔法バージョンと殴ロッド』

『茜桃と殴ロッド』


「翠・葵バージョンです!」


『殴ロッド』


「翠・葵バージョン!」


『殴ロッド』


「もう!」


 桃が笑いながらコメント欄を見る。


「とにかく、明日から販売します! 興味を持った方は、茜・桃バージョンと翠・葵バージョン、よろしくお願いします!」


『魔法バージョンと殴ロッド了解』

『茜桃と殴ロッド』

『殴ロッド買います』

『魔法の方も忘れるなw』


「最後までそれなんですね……」

「売れそう」


 葵が満足そうに頷いた。

 営業に聞かせてやりたい。



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