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勇者一家の長男は暗殺者に職業転換したようで!?  作者: 黒嶺 夜
第2章〜地炎龍討伐〜
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第15話 : 魔巣の森

ーー魔巣の森

この森はそう呼ばれている。

その理由は〝魔物が減らない〟のである。

通常の魔物も寿命は存在する。これはこの世のことわり、ルールなのだ。しかしこの森の魔物は〝年を取らない〟故に増え続ける一方で、この森には魔物が溢れかえっていると言われている。


この噂を聞きつけ各国から不老不死の研究員や諜報部隊がこの森へ足を踏み入れたが2度と帰って来なかった。殺された.....の表現より

〝餌にされた〟の表現の方が正しいかもしれない。

この森の魔物は減らない。増え続ける。故に生じる問題点は食料の調達難である。

時には共食いをする魔物もいる。そう、この森の魔物は飢えているのだ。ナイルとレイはそんな事は知らず、脚を踏み入れるのだった。


「んー、暗いなー、真昼だってのに...。」


「この上の葉っぱで下を全部隠してるのね...これのせいで下の土に日光が行き届いてなくて雑草1本も生えてない.....」


「不気味...だよな。しかも無駄に静かなのが気になる。」


「静かなのに...何かに見られてる感覚がs......っ!!!」


レイが気配を察知した瞬間、レイの服の裾が噛みちぎられる。


「っーー!危ない!どこから出てきたの!?」


すると地面から。

いや、〝影〟から複数の狼が現れる。


「こいつら...影狼シャドーウルフ...!!!くそ!ここはコイツらに有利すぎる場所だ!!」


影狼シャドーウルフ


・基本は群れで行動する魔物であり、ボスを筆頭にグループを作っている。牙には常時闇のエンチャントが施してあり、傷口から侵食し死に至らせる。

・スキル〝影潜〟を持っており、奇襲を得意とする。


「辺り1面木の葉の影...。コイツら、魔力尽きるまで影に隠れて奇襲掛け放題だぞ...!」


「しかも私達はどちらも範囲攻撃が弱い...!これは...呪闇樹に辿り着く前の試練にしては...難題すぎるわね」


影狼達、計10体程が全員影に潜る


「こいつら...やけに慎重...ってか本気で俺らを殺しに来てる。1度でも攻撃を喰らうと最悪死に至る、アイツらの魔力尽きるまで避けきるぞ!!」


グルゥォォワォォオ!!


影狼の猛攻が始まる。

影狼にとっては数年ぶりの〝餌〟なのである。

このチャンスを逃すまいと本気で襲う。


「スキル!!魔壁!!レイ!壁にぶつかってきたら即撃て!一匹づつ確実に倒すんだ!」


「来るぞ!!」


ヴォグルルルルルルッッ


体当たりして来たら撃つ。そんな安直な作戦を嘲笑うかのように影狼10体は1ヶ所を集中的に狙ってくる。当然そのダメージ量に耐えれるはずもなく魔壁はすぐに破られる。


「なっ!!?コイツら、知能が高いのか!?まずい!レイ!一旦逃げろ!」


ナイルとレイは距離をとろうとするが影狼はそれを許さない。攻撃が当たり、そして避けれる距離を保ってくる。気が付くと2人は10体に囲まれている。


「これは...参ったな...。」


「範囲攻撃がないの、こういう時にキツイのね」


影狼がジリジリと距離を詰めてくる。


ーーーが。攻撃はしてこない。

しきりに周りを見回したりソワソワしている。


「ボスの...命令を待っているのか...!!」


そう、影狼シャドーウルフはボスを中心の群れ社会で単独行動をすると仲間から除外され共食いの餌にされるのだ。


「これは...ボスの命令が来る前に逃げた方が良さそうね」


「そうだな...タイミングを見計らって全力しっs」


『グゥワォォォオォオォォン!!』


遠くの方から一際野太く、威厳、威圧のある遠吠えが聞こえる。


「これは...攻撃の命令か!?」


影狼が距離を詰める


ナイルは急いで防御の体制を取る...が影狼はナイルの顔を見て悔しそうな顔をして去っていった。


「.....撤退命令...だったのか...?」


「助かったの...ね...」


2人はその場に座り込む。道中の魔物で死にかけた事、そして目標として倒そうとしている魔物は更に強いことに気付かされたのだ。


「もう少し気を付けて進むべきだな...森の最深部はもうすぐだ。行こう」


ナイルとレイは慎重に進む

道中はドルスライムや魔鼠等の魔物が出たが絶妙なコンビネーションで切り抜けていく

2人は確実にパーティとして進化していた。


そして森の最深部。呪闇樹がいる所へ着く。

そこは今までとは全く違いーー


「凄い.....綺麗...。」


そこの一帯だけこの森で唯一日光が届く場所であり、そこの地面を逃さまいと色とりどりの花が大樹を取り囲むように咲いている。

しかしその花に囲まれている大樹は.....


「あれが呪闇樹。普通にただの木にしか見えねぇけどな。」


「うん、確かに.......ってナイル!!?あれ!!」


「ん...?.....なっ...!?」


ナイルとレイが目にした先は樹木の根元。

そこには先ほど襲ってきた影狼の群れ〝20頭〟と一際体の大きい影狼が血まみれで倒れていた。

腹には根が突き刺さっている。


「前言撤回。あの木は化物だな。」


「私達が苦労した魔物の2倍の数とそのボスを倒したっていうの...!?」


「でも.....。やるしかないんだよな」


ナイルは短刀を構える。レイは対魔銃に弾をこめる


自分の為に、そしてお爺さんの為に。


クエストランクA+

呪闇樹の生命活動を断つ


2人の戦いの火蓋が切って落とされるーー

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