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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
最終章 魔王VS神
44/55

勇者VSメカ勇者

 レオンの前に現れた身体のいたる所に機械が埋め込まれたその人物を見て、レオンは初めて哀れみ以外の表情を浮かべた。


「そうか、なるほどね驚いたよ、まさか僕の身体を素体にするなんてね……」


 そう、機械によるつぎはぎはあるものの、目の前のそれとレオンは全く同じ姿をしていたのだ。

 今のレオンの肉体は天界王セリオンのものである。彼はそれをこの戦いに合わせ自分用に最適化しなおしたのだ。ゆえに同一の容姿なのは当然なのだ。むしろ肉体的にはあちらの方がオリジナルと言えるだろうし。

 レオンは鼻で笑い、総司令官に向かって、「確かに驚いたけど、偽物じゃ僕は倒せないよ」と言う。

 だが、総司令官はそれに対し鼻で笑い返す。


『ならばやってみるがいい、やれるものならな!

 行け、メカレオン、テークオフ!!』


 とうとう始まる、二大勇者の激突。

 レオンのロングソードをメカレオンの高周波ブレードが受け止める。

 人形如きに自分の剣を受け止められたことに驚愕するレオン。

 その一瞬の隙に肩から放たれたレーザーキャノンをレオンに命中させるメカレオン。

 レオンは激しい衝撃で後方のがれきまで飛ばされる。

 だが、メカレオンのレーダーはがれきに隠れるレオンを正確にとらえた。

 メカレオンの装甲が開き、そこから無数のミサイルが姿を現す。

 殲滅攻撃「バニシング・フィールド」

 放たれし超爆撃が周囲を焦土に変える。

 そこから現れたレオンには激しいダメージが見てとれた。

 むしろあの攻撃を受けて生きていること自体が異常なのだが。


「げはっ、まさかこれほどとは……

 人形と侮ったのは失敗だったね」


 この事態に焦りの色が見え始めるレオン。

 これを打破するにはレオンも全力を出さねばならないだろう、手にしていたロングソードを放り投げ、右手を天に伸ばす。

 「神剣解放」

 レオンの身体が炎の繭に包まれる。そして閃光とともに現れる炎の翼を纏いし最強の化身。

 レオンとメカレオンは再び対峙する。

 レオンはその力で二振りの炎の剣を、メカレオンも両腰から二振りの高周波ブレードをそれぞれ構える。

 激しく衝突する破壊神と機械神。

 レオンが剣を振ればメカレオンがそれを剣で受け止め、メカレオンがレーザーを撃てばレオンが魔法で対抗する。

 しかし、わずかにそう、ほんのわずかにメカレオンがレオンを押しはじめる。

 理由は簡単、体力の差である。

 お互いに全力、全性能を引き出した上での勝負では機械であるメカレオンに分があったのだ。

 剣をはじかれ、地べたに膝を付くレオン。


『どうやらここまでのようだな、レオンハルト。

 さあ、メカレオン、とどめをさせ!』


 メカレオンの両肩のレーザーキャノンがレオンを捉える。


(ここまできて、こんなところで僕は……)


 エネルギーが充填し、レオンを滅するに値するレベルまで高まるキャノン砲。

 レオンはそれを見つめたのち、諦めたのか目をつぶった。

 極大ブラスターがメカレオンより放たれる。

 激しい閃光がレオンを飲み込む。

 こうしてレオンは消滅したのだった。

 

こうして、世界は平和になりましたとさ、めでたしめでたし。

えっ? だめですか?

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