最終決戦開始!
神界――その内部にてレオンはカプセルのなかで眠るそれを眺め笑みを浮かべる。
現在の融合率は18%といったところだろう。
順調だ、間もなく彼は神の肉体を手に入れ、人間という存在を捨てることが出来る。
そうすれば……
『大人しく投降せよ、レオンハルト・ドミニオン!
貴様は包囲されている!!』
突然聞こえるわずらわしい騒音。
うっとうしそうに外を確認するレオン。
そこに広がっていた光景――
宇宙戦艦5千8百機、戦闘機8万機、戦車16万機、強化兵2千5百万名。
人間界の兵力を結集した最強の軍団がそのベールを脱いだのだ!!
しかし、レオンはそれにも関わらず驚愕どころかむしろ哀れみの目を向け
「やれやれ、本当に人間って馬鹿だよね。
足掻いてもがいて……だからこそ僕は人間を辞めるんだけどさ」
彼はそうつぶやくと、施設を出て、人々にその姿を数百年ぶりに現したのだ。
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志村は現れたレオンを見つめる。
金髪の青年、それ以外の変わったところは見られない。
だが、彼こそが勇者の中で歴代一と言われ、三世界に対し宣戦布告をした男なのだ。
現れた青年はたとえグランドドラゴン級でもオーバーキルが可能なほどの大戦力を前にしても平然としている。
この部隊の総指揮官が先ほどから降伏を促すがレオンは気にも留めずに「ここの施設に影響が出るといけないし、場所を変えない?」と言ってくる。
スピーカー越しに総指揮官の怒りが感じられる。
そしてとうとう総指揮官による総攻撃の合図が開始された。
その攻撃を表現することはこれまで勇者として数々の任務に参加していた志村をもってしてもできなかった。
志村が生まれる前に行われたという特Aダンジョン「竜神山脈」のグランドドラゴン討伐ですらこの戦力の三分の一以下の戦力しかなかったのだ。
となりにいるパートナーもかたずをのんでモニター越しにそれを凝視している。
激しい閃光の末に攻撃が終わりを告げる。
煙で確認が取れないが――いや、煙が晴れようともレオンの生死など確認は不可能だろう。なにせ肉片すら残らないほどのオーバーキルなのだから。
船内が歓喜に包まれる。
レオンに勝ったのだ。
「僕たちの出番は無かったね」
相棒のオリビエがそう言ってくる。
志村はとりあえずホッとして
「出番が無いに越したことはないよ、まあ、今回の戦力で負けることなんてありえないだろうけどね」
その言葉にオリビエは「それはそうだね」と言って笑った。志村もつられて笑った。
そのとき、スピーカーが一人の声を拾った。
『悪あがきはこれで終わりかな?
じゃあ次は僕の番だね』
煙が吹き飛び、再び姿を現すレオンハルト・ドミニオン。
彼の後ろの施設も同様に欠損すら見られない。
そのありえない事態に全軍が驚愕することになる。
レオンは腰から剣を抜く、人間界で剣や弓で戦うのははるか昔のこと、ゆえにそのことに対して何の警戒もしなかった。
それが失敗だったと気づくのにそう時間はかからなかった。
聖剣技「聖風竜巻刃」
剣より繰り出されし巨大な魔力を帯びた風の暴威が人間軍を襲う。結果、残った戦艦は司令艦を含めても5百足らずとなってしまう。
嵐の去った後の光景に志村はただただ絶句せざるをえなかった。
『あれ? 思ったよりずいぶん残っちゃった。
やっぱり、久しぶりだと感も鈍っちゃうね』
相変わらず能天気な態度のレオン。
あまりに――そう、あまりにも相手が悪すぎたのだ。
これがレオンハルト・ドミニオン。
これが本当の勇者なのだ。
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レオンの圧倒的戦闘力を見て総指揮官は本部より持ってきたあれを使うことを決意する。
「Rシステムの準備をしろ」
「Rシステムですか!
ですがあれはまだ……」
「構わん、いいから準備するんだ!」
部下の静止を振り切り命令する。
そしてとうとう人間軍最終兵器が戦場に姿を現した。
機械勇者メカレオン
勇者VS機械神の戦いが始まった。




