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ダンマネ!  作者: SR9
第一章 インターハイ編
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#34 これから(1)


 その後の展開は一方的だった。

 天王寺先輩が交代してすぐにまたトリプルチームで抑えようとした楓高校だったが,抑えられる前に先輩は素早くフリーの神崎先輩にパスを出し,楽々得点。

 それを皮切りに次々と味方へのパスを出し,相手のディフェンスを翻弄する。

 予想外の展開に慌てた楓高校は攻撃もバラバラで,こちらのディフェンスに尽く止められ,そのままカウンターで得点を許してしまう。

 後半になって少し落ち着きを取り戻し,改めてマンツーマンの形に戻すが,キャプテン一人では調子を戻した天王寺先輩に太刀打ちできない。



 終わってみれば,86対38という霧ヶ原高校の圧勝で練習試合は幕を閉じたのだった。



「よ,おつかれ」

「ん? 何だ二人とも来てたのか」


片づけをしていると,二階から武と大地が声をかけてきた。


「さすがハル。圧勝だったじゃないか」

「いや,今回俺は何もしてないよ。力の差がこれだけあったって事さ」

「それでもすっきりしたよ。あの試合終了時のキャプテンの顔。忘れられないよ」


 大地が興奮気味に言う。

 確かに,この前楓高校に行った時の態度を見ていると,この結果は気分が良い。

 帰り際,相手キャプテンは何も言わず足早にこの体育館を後にしたようだし,相手は完全にこちらと逆の思いだろう。


「まぁ何にせよ,上手く終わって良かったよ」


 コートの外でミーティングをしているチームに目を向ければ,そこには以前のようにギスギスした空気は無く,皆が笑顔で話している。

 その中心にいるのはもちろん天王寺先輩だ。


 先輩は楓高校が帰ってすぐにチームを集め,これまでの謝罪と,これから進みたい方向についてのミーティングを始めた。

 2,3年生は最初こそ戸惑っていたが,天王寺先輩の素直な思いを聞き,これからは改めて一緒に部活を作っていく事を約束してくれたし,この先は問題なく動くだろう。

 ちょっとした冗談を交えながら笑顔で話す先輩は本当に別人のようで,きっとこれからの部活も全く別物になっていくのだろう。

 俺の役目も,これで一段落かな。


「…あれ?」


 そう言えば,俺ってこの後どうすれば良いんだろう。

 一応,期限は男子バスケ部が復活するまでの約束だけど,天王寺先輩が復活した以上もう俺がここにいる意味は無いんじゃないか?


「どうした? 難しい顔して」

「いや,別に…」


 まぁ良いか。

 後で水瀬先生にでも聞いてみよう。

 そう結論付け,俺は二人と別れ片付けへと戻る。






「ねぇ,ちょっと良い?」





 そんな俺が呼び止められたのは,得点板を片付けに倉庫へと向かう途中だった。


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