2-13.葬送行進曲
彼らの神々はどこにいるか、
彼らの頼みとした岩はどこにあるか。
彼らの犠牲のあぶらを食い、
灌祭の酒を飲んだ者はどこにいるか。
立ちあがってあなたがたを助けさせよ、
あなたがたを守らせよ。
今見よ、わたしこそは彼である。
わたしのほかに神はない。
わたしは殺し、また生かし、
傷つけ、またいやす。
わたしの手から救い出しうるものはない。
わたしは天にむかい手をあげて誓う、
わたしは永遠に生きる。
(申命記第三十二章より)
私はぼんやりと時を過ごしていた。何も考えられない。スヴィーテンの言葉を聞かされてからというもの、私の心は打ち砕かれたままだった。
これからのことを考えなくてはならないのに、頭が働かない。真実への探求心も湧かない。かつてそんなものを探し求めていた頃があっただろうか。それすらも忘れてしまった。
四月十八日には、王宮の劇場で、有名なホルン吹きと共演の約束がある。そのためのホルン・ソナタも作らなくてはならない。今日が十七日だから、もう明日だ。それなのにまだ作曲に手も付けていない。何も書けない。冗談でも遊びでも無理だ。
数日前には、この冬に紹介された覚えのある少年がまた私のもとを訪ねてきた。まだ十歳かそこらで、名はカール・ツェルニーといった。その少年は、なんでも私の弟子になりたいらしく、初対面のときには実に見事に私のピアノ・ソナタ『悲愴』を弾いてみせた。
しかしそのとき、私は彼の頼みを断った。演奏会間近でゆとりがなかったこともあるが、彼を教えることにそれほどの価値も見出せなかった。この子にはアルブレヒツベルガーあたりが妥当と思えたので、紹介状を書いてやった。
だが、
「ぜひ、もう一度、この子の演奏を聴いてやってください!」
と、少年の父親はうちに押しかけてきてまで懇願する。
彼の腕前はすでに分かっていたが、今回の私は心ここにあらずで、ぼんやりとしていたため、少年の父親に言われるままにうなずいてしまった。
すると父親は、今度は少年にモーツァルトのピアノ協奏曲ハ短調のピアノ・ソロ編曲版を弾かせてみせた。その編曲は少年自身がこなしたものだという。それがなかなかよくできていて、聴いていて我慢ならないほどの違和感はなかった。
それどころか、むしろ少年の演奏に引き込まれていく。懐かしくも恐ろしい音。これはモーツァルトが私をからかってカリカチュアを書いたあの楽譜の曲だ。
小心者のような道化のような、薄い衣の奥に潜ませた想い。傷を恐れていても対立を恐れないあの人がたまに出す本性。魔性を湛えた吐息のような、まるで女の恨みにも似た……これほど、あの人そのもののような音楽が他にあるだろうか。
気が付くと、私は無意識のうちにピアノに近付き、少年に合わせて即興で音を付け足していた。
「私の弟子に? ああ、いいとも」
私は漠然と答えていた。
そのときのことを思い出し、なぜか私はそのハ短調のピアノ協奏曲を基にした新しいピアノ協奏曲の作曲に取りかかっていた。
モーツァルトのハ短調協奏曲を超えるように……モーツァルトが長く生きたらこんなものを書いたのではないかと想像しながら。しかし、私はモーツァルトの原曲に呑まれてしまい、萎縮してしまって、なかなか書き進めることができなかった。
完全に行き詰まると、ふと思い立って翌日演奏するためのホルン・ソナタの構想を練り、これは一晩でまとめあげた。しかしもう時間がなく、全部の音符を楽譜に書けなかった。とにかくホルンの音だけを記入し、ピアノ・パートは空白のまま残した。
演奏会では、ピアノのパートは即興で演奏した。これが大成功だった。聴衆の喝采がいつまでも鳴りやまず、もう一度最初から演奏を繰り返さなくては彼らの興奮は収まらなかった。一回目とはまるで違った音楽になってしまったが、それでも同じように拍手の嵐は鳴り続けた。
聴衆だけでなく、このたび初めて知り合ったホルン吹きのプントも、非常にこの曲を気に入ってくれた。
「こんな名作に巡り合えたのはモーツァルトのとき以来です」
と彼は興奮して言った。
「モーツァルト?」
「ええ、もうずいぶん前になりますが、私がパリにいたとき、彼に協奏交響曲を作ってもらったことがあるんですよ。こんな感じの曲です」
と彼はそのメロディーを吹いてみせた。
「待ってくれ! 今は何も聴きたくない」
私は耳を塞いで彼から離れた。まだピアノ協奏曲が仕上がっていないのだ。あのハ短調の曲の幻想が片付いていない。他のモーツァルトの曲を聴いてしまったら、その印象的な音楽にまた新しく取り憑かれてしまう。そんなことになったら私の頭は混乱してしまう。
今は、とにかく、ハ短調のあのメロディーにのみ、浸っていたい。
夏の暑さが気になってきたため、私はウィーン都市部をずっと離れたウンター・デーブリングに引っ越した。そしてモーツァルトに追い付けないもどかしさを噛み締めながら、ピアノ協奏曲の作曲に没頭した。その勢いで『悲愴』以来の大ソナタも並列して作った。
何をしていても、どんなときにも、私の頭からはモーツァルトのことが離れない。指輪は見つかった。今も小指にはめている。だが、それだけで、ジョゼフィーネの一件からほんの少しも彼女の気配を感じることはなかった。
分かっている。彼女はもう戻ってこないのだ。そろそろすべてを諦める時期なのかもしれない……。
《……死ね!》
そのときだった。突然大きな低い声が、悪いはずのこの耳に大きく響いてきた。
「!」
私はわけが分からなくなり、自分の弱い聴覚を守ろうと、思わず耳を塞いだ。
《死ね!》
「おまえは……何者だ!」
私は叫ぶが、その問いに返事はない。悪魔というに相応しい声色が、何度も私を襲ってくる。
《死ね!》
「!」
私はそのとき、ふいに思い出した。この声がしていた遠い昔の記憶を。あのときも、確か幼い私はこうして同じように耳を塞いで闘ったのだ。
私にとって、死が恐怖だったあの頃はまだ幸せだった。あれから何ものに対しても恐怖を感じなくなるまでに、大して時間はかからなかった。この世のいかなるものも取るに足らないと、自殺を考えたときは、私にとって、死はかえって安らぎとなった。まるで死のその向こうに天国が見えるかのようだった。この世が苦しみであればあるほど、死がまるで救世主のように思えたのだ。
これはきっと、恵まれた人間には分からない心理だ。少しでも幸せの幻を持つ者は、死に恐怖しか見ない。ああ、あの果てしなき向こう側に暗闇だけを見るのだ。光が少しでもここにあれば! 彼らは死のときも死を受け容れられず、この世を振り返ってしまうだろう。地上に安住の地を見出した者が天国に行けなくなるとはそういうことだ。求めなければ何一つ与えられることはない。天国を求めない者に、天国は与えられないのだ。
『死にたくない!』
しかし、まだふがいない精神しか持ち合わせていなかった幼い私は、死を怖がり、この世を振り返った。あのとき私は、この世を選んだのだ。
その過ちの責任を今取らなくてならない。この世はあのときのことをはっきりと覚えていて、いつもそれを私に確認してくる。一度はあんなに求めたはずのこの世を捨てるのか、と。その通りだ。私はここで罪の代価を支払わなくてはならない。
そして、なんの前触れもなくふいに迫ってくる死の、その向こうにあるであろう永遠の世界を思い描く瞬間に、真なるものを求めることのできる精神を、この、人生という現象期間内に用意しておかなくてはならない。
「……」
声が消え、顔を上げると、私の選んだはずの世界が色もなく漂う。
今、私は何をしている? 誰しも、理想に適う精神なしには何も掴めはしない。音楽様式の上で、私は以前にサリエリに語った通り、誰も通ったことのない道を行く人生を送ると決めていた。あれはモーツァルトに対して主導権を握り、強気でいられた頃の話だ。だが、そのときでも、魂のあり方や情熱はモーツァルトの意志を受け継ぐ気でいた。
しかし、小さな誤解から他ならぬ彼女に見放され、私は瞬く間に自分の原点さえも見失ってしまうこととなった。
私にはあの人と激しく抱き合ったときに感じた一体感によって狂わせられたものがある。小さく幼かった私と同じように、彼女もまた小さく幼かった。私たちはともに自然を超越するような体験をし、そこに愛を見付けたはずだった。
それ以来、彼女は私の背後に常に付きまとう影……いや、違う、影は私の方だ。人々は私を彼女の身代わりとして崇め続けた。彼女は本物で、私は偽物。モーツァルトを辿る私にはそれだけの価値しかなかった。
今、一人にされてしまってもなお、見えない彼女を追いかけてしまう。こんなことでは駄目だ。これ以上しぶとく彼女にしがみついていたら、偽りの人生で人を騙くらかし続けることになる。すでに私は偽りだらけだ。まるで偽りの中を浮遊している悪霊のようだ。
《……死ね!》
また現れたか。
《死ね!》
そうだ、おまえの言う通りだ。こんな自分は死ぬしかない。
《死ね!》
私はふと顔を上げて呟いた。
「いったいあんたは、誰なんだ?」
私が何かで迷い始めると、死を勧めてくる。私が絶望するのを待ち構えているかのようだ。いつも何かに反発して生きてきた私を勇み立たせようとしているのだとも取れなくはないが、私を何度も何度も同じところに連れ去ろうと現れる。
あんたは私を愛しているとでもいうのか。
あんたはモーツァルトなのか? あるいはそのような存在なのか?
一度はこの世は美しいと叫び、私に自殺を思い留まらせた。今度は自分が裏切られたと思い込んでの復讐なのか。それともやはり嫉妬なのか。本気で私を殺そうというのか。
それもまた、愛。愛は絶対権力だ。他の権力では魂までは奪えないが、あんたにはそれができるのだろう。モーツァルトのように!
《……ハハハハハハ……》
「!?」
ふいに、どこからともなく、甲高い笑い声が聞こえてきた。その声には聞き覚えがあった。モーツァルトの声だ! ついに彼女が現れた!
同時に、開けていた窓から強風が吹き込み、楽譜類が舞い散る。そんな中、振り向くと、彼女の肖像画に変化が表れていた。彼女が色を取り戻して爛々(らんらん)と輝いている。優しげに描かれていたはずの青い二つの瞳は、突如激しい怒りを湛えてピカリと光り、私の目を晦ませる。小さく上品だった口は、次第に大きく開き、そのまま耳まで裂けて、その大きくなり過ぎた口で、私を嘲笑う……。
「アンネル!?」
私はどんなにか待ち望んだはずの、そんな彼女の出現に、ただ驚きしかなかった。あまりの凄まじさに、その絵に近付くこともできなかった。
「アンネル! なぜ笑っている?」
私が問うと、瞬く間に彼女の恐るべき顔が十にも二十にも分離し、彼女の肖像画を中心にしてグルグルと回転し始めた。
《……ハハハハハハ……》
それらの分霊は、次第に回転の速度を速め、だんだん私に迫りきて、しまいには食らい付くように襲いかかってきた。
《……ハハハハハハ……!!》
「よせ! 笑うな! アンネル!」
私はそれらを掴んでは千切って投げ、ついにはその中心にある肖像画を壁から取り外して、窓の外に放り出した。
「出て行ってくれ!」
私はやっとの思いで、それら彼女の分霊たちに叫んだ。
主をなくした分霊たちは、もうすみやかに窓から去っていった。
しかし、次の瞬間には思い直した。私は慌てて家から飛び出し、階段を駆け下りて、彼女の肖像画を拾いに行っていた。
道端に捨てられていた彼女の絵を、すぐに見付けて安堵し、ところどころ傷ついているそれを大事に抱きかかえて、部屋に戻った。そしてそれをまた壁に掛けようとしたが……考えて思い留まり、そっとタンスにしまったのだった。
あんな亡霊ではなく、生身のモーツァルトに会いたい。
今度はそんな想いが募り、やがて秋になると、モーツァルトを探すように、ジョゼフィーネを探していた。
ジョゼフィーネ。私が以前二週間ほどピアノを教えた二人の姉妹のうちの妹の方。モーツァルトにそっくりの、あの娘だ。
しかしジョゼフィーネはもう結婚していた。彼女自身が予告していた通り、あのレッスンから一か月後のことだ。もう彼女の姓はブルンスヴィックではなくダイムに変わっていた。
もう、手の届かない女。それに、もし私が彼女に関わろうものなら、モーツァルトの亡霊は決して私を許しはすまい。そもそもモーツァルトが私を離れた原因は、ジョゼフィーネなのだから。
それでも私の足は彼女のもとへと向かう。ダイム伯爵邸には、実は何度も行ったことがあった。その館は八十室以上もの部屋で構成された巨大な建物で、彼女の結婚後は多くの音楽会の会場になっていた。
今年に入ってまもなく、ダイム夫妻の間には子どもも生まれた。しかしそんな喜びも束の間、夫が投機に失敗して破産寸前になってしまったのだとか。今は妻の持参金でなんとか暮らしているらしい。
ダイム伯爵というのはそんな人物だった。禁止されていた決闘をやって、一時、貴族の称号を剥奪されたうえ、ウィーンを追放されたが、しばらくしてまたひょっこり舞い戻り、宮廷美術家ミュラーと名乗って万事無事にやり過ごしたという、とんでもない経歴を持つ人だった。そんな彼だから、もう五十歳だというが、歳のわりに若々しい。
私はこの音楽嫌いの自由主義者を説得した。あなたの奥方のピアノの才能はこのまま埋もれさせておくには惜しいと。これは本当のことだったが、実のところはこの館に潜り込む口実が欲しいだけだった。
私の本当の目的は、ジョゼフィーネと、そして彼の家にあるというモーツァルトのデス・マスクだった。私は無茶なことに、この二つをどうしても手に入れたかった。
モーツァルトのデス・マスクについては、以前、音楽仲間たちと、ドナウ河沿いのローテントゥルム街にある伯爵の美術館を見学しに行ったとき、彼が美術家として収集した品々を一品残らず見て回ったのだが、皆が楽しみにしていた噂のそれはなかった。
きっとこの館のどこかにあるに違いない。音楽教師として入り込めれば、それだけ探し出すチャンスがある。
しかしさすがは酸いも甘いも経験してきた伯爵だけあって彼は疑い深く、私の必死の説得にもなかなか乗り気にならない。やはり口実では説得力も弱くなるのだろうか。三時間費やし、そろそろ彼の説得にも疲れ始めた私は、気まぐれにちょっと本題に入ってみることにした。彼の収集品への自分の興味を匂わせてみたのである。
すると彼は急に上機嫌になって、親切にもこの館内にある秘蔵のコレクションを解説付きで私に見せてくれた。
「これはモーツァルトのデス・マスクです」
と、いきなり目当ての品が出てきたので私は驚いた。
「はっは! ご冗談を」
私はわざと笑い飛ばした。
「モーツァルトのデス・マスクはこの世にはないと聞きましたよ。たった一つだけあるにはあったが、彼の未亡人が破損してしまったと」
巷で広まっている噂を私がそのまま口にすると、
「まあ、表向きはそういうことにしておきましょうかね」
と彼は笑った。
何も知らなければ信じてしまっていたかもしれない。私の視線はそのデス・マスクに釘付けになったが、違うのだ。あのときの面影がどこにもない。明らかに偽物だった。
噂は嘘だったか。噂と言っても、それは未亡人のコンスタンツェから聞いた情報でもあったのだが。
「それから、あなた向きのものがまだありますよ、ベートーヴェンさん」
しかし、彼はもう違う部屋に私を連れていく。そして、その小さな部屋のタンスの中から、一束の楽譜を取り出した。
「それは?」
「モーツァルトの自筆楽譜です」
それはひとめで分かった。彼女の筆跡だ。なんの曲だろうか。私の知らない曲のようだ。
「どうぞ」
とそれを直接手に取ることが許されたので、よくよく見てみると、楽譜は二つあって、二つとも自動オルガンのための音楽だった。ヘ短調とヘ長調。そのうちの一つはヒンメルプフォト通り一三五五番地の一階の聖堂で聴いたことがあったが、もう一つの方は私が本当に全く初めて知る曲だった。
「それを依頼したのは、確かモーツァルトが死ぬちょっと前でしたね。私の自動オルガンのための音楽を書いてほしいと、彼に頼んだんですよ」
と彼は説明した。
自動オルガンというのは、時計に取り付けられた楽器のことで、毎日決まった時刻になると自動的に機械が動き出して音楽を奏でるという代物だ。しかし、この楽譜を見る限りでは、その楽器は音域がかなり狭い。二つとも三オクターヴ以内の音域でまとめられている。それでいて、彼女の夢見た天国がそっくりそのまま表されているのだ。
「これです」
と、彼はその自動オルガンなるものを見せてくれた。それは楽器と言うより豪華な家具と言った感じで、なんのことはない、鍵盤を奏でる格好をした蝋人形の周りにごてごてと金属製の機械が取り付けられているだけの玩具だった。
彼はその仕組みを説明しようとしたが、私はそんなことより楽譜の方が気になった。
「これを写させてもらえませんか」
本当は持ち帰りたい気持ちを抑えて、彼にこう申し出る。
「その代わり、同じ種類の音楽を作曲して、あなたにさしあげます」
「本当ですか、それはありがたい!」
こうして早くも私は彼のコレクションに貢献することになった。それからもいろいろと収集品を見せられたが、もう他には、モーツァルトのものはなかった。私はもはや上の空でモーツァルトとの思い出に浸っていた。
ジョゼフィーネには会わせてもらえなかったが、私の心は少しあたたまった。私はやはり、モーツァルトがほしいのだ。モーツァルトでないと、意味が無い……。
私は手に入らなかった彼女の遺品の面影を追いながら、今度はホルン吹きのプントのところに行った。彼の言っていた協奏交響曲について詳しく聞き出そうとしたのだ。しかし彼はその曲の楽譜も何も持っておらず、自分のパートの部分しか覚えていなかった。
「この曲は演奏されなかったんだ。彼はパリで当時憎まれていてね……」
と彼は、そのときの悲しむべき状況を説明してくれたが、結局は、
「楽譜? さあな。彼の未亡人でも持ってるんじゃないか?」
彼の答えはこうだった。
そこで私は、またコンスタンツェのところに押しかける。
すると、悪いことに、同棲相手であるニッセンという男と、モーツァルトの息子フランツもそこにいた。
「まあ、どうしたの? ベートーヴェンさん」
コンスタンツェは約束もなく急に来た私の扱いに困っていた。しかし私は単刀直入に言った。
「ダイム邸にあるモーツァルトのデス・マスクは偽物でした」
ニッセンの手前、彼女には敬語で話した。
「そうでしたか。では彼も失くされたのね」
彼女はその話にあまり親身になって答えなかった。早く会話を切り上げたいようだった。そんな彼女の態度に腹が立って、私はあえて言った。
「この人があなたの同棲相手ですか」
「ベートーヴェンさん……」
コンスタンツェが困った顔をしていると、その男は自分の方から私の前に出てきた。
「あなたは?」
「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンです。はじめまして」
私は敵対心をむき出しにして言った。こんな男にフランツを奪われてなるものか!
「なんですと? あなたがあのベートーヴェンさん?」
すると彼は目を白黒させて私を見た。彼は大喜びで私を家に招き入れた。
「嬉しいです。あなたが我が家に来てくださるとは。私は残念ながらモーツァルトのファンですが、モーツァルトの次にあなたの音楽が好きなんです」
ニッセンは瞳をキラキラ輝かせて私にそう言った。彼はとんでもなく浮かれていた。
「私もモーツァルトのファンですよ。彼は美の模範です」
私がモーツァルトを褒めると、
「そうでしょう、そうでしょう」
と彼はますます喜んだ。
「では、あなたもモーツァルト無しでは生きていけない人ですか?」
と彼は唐突に聞いてきた。
「今のところはまだそうです。恥ずかしながら」
と私は自分のためだけに感じの悪いことを言った。本当は、私の方が彼よりよほどモーツァルトに魂を奪われているに違いないのだ。
コンスタンツェに近付いたのも、フランツに近付いたのも、その気持ちがあまりに強過ぎるからだ。私は自分のモーツァルト愛のために、人を人とも思わない心ない行動を取っている。
「私はモーツァルトのために人生を捧げるつもりでいるのですよ」
と彼は私にはっきりと言った。
「しかしあなたは音楽家でもなんでもないでしょう?」
私が疑問を投げると、
「はい。しかし、彼の一生を本にしようと考えているのです。仕事も忙しいですが、私の本当の仕事は彼の人生を網羅することです」
と夢を語るのだった。この男も、本当はそれが目的でコンスタンツェに近付いたのではないか? 私と同じように……。そんな疑いがふと湧いた。
「コンスタンツェと暮らし始めたのも、そのためです」
私が言う前に、彼が少しも悪びれるところなくそう言ったので、私は驚いてしまった。
「私にとって、モーツァルトは人生のすべてなのですよ。モーツァルトのために私は生まれてきたのです」
と彼はさらに畳みかけた。私は彼のその素直さに胸を打たれた。やっていることは同じでも、私とはなんという違いだろう。
「あなた、ちょっとお願いがあるの」
と、そこへコンスタンツェがニッセンに声をかける。彼女はもうニッセンのことを、夫を呼ぶように「あなた」と呼んでいた。
「ベートーヴェンさんと二人きりで話をさせてくれない? 少しでいいの」
「今から二人でどこかへ?」
「いいえ、この家でいいわ。すぐ帰ってもらうから」
コンスタンツェは、ニッセンにせがむ。ニッセンが優しく「いいよ」と言うと、コンスタンツェは私を隣の部屋に連れて入った。
「急にどうなさったの? こんなことをすれば、もう会えなくなるのに」
部屋のドアを閉めると、コンスタンツェは極めて小さな声で言った。
「生身のモーツァルトの何かを手に入れたくて、いても立ってもいられなくなったんだ。ダイム伯爵邸のデス・マスクは偽物だったし、自筆楽譜も手に入らない」
私は今にも泣き出しそうだった。ニッセンを見て、これは敵わないと思ったからだ。コンスタンツェも、フランツも、手に入らない。私はモーツァルトとの接点をすべて失ってしまうのだという絶望感に苛まれていた。
「ベートーヴェンさん、しっかりなさって。あなたはいつまでもそんなことをやってはいられないはずよ。あなたをそんなふうにしてしまったのには、わたしにも責任があるわ。でも、あの絵を渡したでしょう? 『モーツァルト葬送』」
「あれは……実はまだ観ていないんだ。彼女の死を想像するのが怖くて……」
「まあ。あなたの中でモーツァルトが弔われるようにと、あの絵をさしあげたのに」
「ウィーンに来てから今までの私は、私であって私じゃない。彼女の影だったんだ」
「どうして? あなたがそんなふうになっていては駄目じゃないの」
「どうしてもモーツァルトから離れられないんだ。そのうち忘れられると思っていたけど、またこの町に来てしまって、彼女の音楽を聴くにつけ、もうどうにもならなくなった。彼女に魅了されてしまったんだ」
「ベートーヴェンさん」
コンスタンツェは悲しげな瞳で私を見た。
「ニッセンとわたしは、この地を去るときには結婚するの。彼があなたと同じように、モーツァルトの面影を追ってわたしと付き合うのであっても、わたしはそれで構わない。なぜだと思う?」
「!」
私の心はすべて見通されていた。私の気持ちが全く彼女自身にないわけではなかったが、モーツァルト恋しさに彼女を抱いていたことも、彼女はちゃんと知っていた。
「わたしもニッセンも凡人だからよ。あなた昔言ったでしょう? 凡人の務めは、偉人への献身だって」
「いや、あれは……」
「あなたは違うでしょう? あなたまでわたしたちの真似をしていてどうするの? あなたはまだ自分のことが分かってないわ」
スヴィーテンにも同じことを言われた。ここで、またコンスタンツェにまで言われてしまった。私は自分の弱さを憎んだ。
「もう世紀末は終わったのよ? 新しい世紀が始まったのよ。この十九世紀を、自分の世紀にしたいとは思わないの?」
コンスタンツェは確信的なことを言っている。そのことは分かっていたが、どうしてもうなずけない。
「モーツァルトがまだ生きたがっているんだ」
「モーツァルトはモーツァルト、ベートーヴェンはベートーヴェンでしょ。あなたは昔から少しも変わってないわ。ずっと悩み続けたまんま。あの頃の少年のまんまだわ。わたしはずっとあなたを愛してきたけど、このままモーツァルトに取り憑かれているようなら、もうあなたのこと嫌いになるわよ」
「!」
「たとえばあなたは、モーツァルトを追いかけ続けて、モーツァルト以上になれるとでも思っているの? あなたにも、誰にも、そんなことは無理なのよ。あの人は一つの様式を完全に完成させてしまったの。それを超えることができるのは、他ならない、あの人自身だけ」
その言葉は、私の胸の奥まで突き抜けていった。そしてさらに彼女は続ける。
「モーツァルトはこれまでの音楽の様式をすべてマスターして正統な音楽で勝負したわ。その結果だけを見て、過去の大家たちの論法をとことん勉強もしてないあなたがどんなにもてはやして頑張ったとしても、モーツァルトという結果はあなたには決して超えられない。なぜなら、モーツァルトほどにあなたは音楽の勉強をしていないから」
「!」
「モーツァルトこそが正当な音楽の系統なのよ。そしてそれを引き継げるのは、モーツァルトの本当の息子だけ。彼こそがモーツァルトⅡ世になるのよ。これまでのマエストロたちの世界にも、モーツァルトの世界にも、あなたは必要ないわ。もうわたしたちの邪魔をしないでちょうだい!」
とことん冷たいその口調。彼女に言われることはショックなことばかりだった。そこで、私はようやく目が覚めた気がした。あのとき、一七八七年の春に、モーツァルトを置いて去ったときと同じように、モーツァルトのことはコンスタンツェに任せて、もう私は私の道を行こうと思った。それは苦い涙とともに固めた決意だった。
「……コンスタンツェ、私はモーツァルトに会ったとき、こう言ったんだ。あなたの音楽は弱いって。弱いから、夢幻の範囲を超えられないんだって」
私は涙を拭いながら、笑って彼女に言った。
「ああ、それね」
コンスタンツェは知っていた。どうやらモーツァルトから聞いていたようだ。
「それ、彼自身も長い間ずっと気にしていたことだったのよ」
意外な言葉だった。
「え? だけど彼女はあのとき反論したよ? 自分の世界は絶対だって自信を持っていた。絶対に変えられないって」
「でも、音楽なんて形にならないじゃないの。どうあがいても、空気の世界だけで終わっちゃうでしょ」
「私は、彼女の音楽の世界を現実にしてほしかったんだ。だから私は、彼女に言ったよ。あんな肌身丸出しで傷つけられまくってる音楽じゃなくて、もっと厚着させて、鎧でも着せて、強くして、ちゃんと勇み立てってね」
「果たしてどっちが強いのか分からないわね。モーツァルトは裸のまんまどんなに傷つけられても愛し抜いた。ベートーヴェンの愛し方とはずいぶん違うのね」
とコンスタンツェは笑う。そして続けた。
「ベートーヴェンは、相手のために、対等に立って本気で戦うのね。それはとてもあなたらしいことよ」
「私らしい、か」
ジョゼフィーネに言われたことをふと思い出しながら、私は笑った。
「音楽の世界を現実の世界にね……。ヴォルフガングは、残念ながら音楽ではそれはしなかったわ。でも、音楽以外のところではいろいろやってたのよ」
「なんで音楽以外だったんだろうか。それは何?」
「フリーメーソンリーよ」
「ああ……」
私は溜め息のような息をついた。モーツァルトはフリーメーソンリーに私を入れたがっていた。だが、私は拒否した。それどころか、モーツァルトを脱会させようとまでしたのだ。
「彼は自分の神についても深く悩んでいたわ。つまり、自分にこんな才能を授けた神はどっちなのか。カトリックの神なのか、フリーメーソンの神なのか」
「フリーメーソンリーは宗教団体じゃないはずだが」
「でも、崇めている神はあるわ。それはキリスト教の神も指しているようだけど……やっぱり、名前が、違うじゃない。まあ、カトリックでは三位一体っていって、ヤハウェもキリストも同じものだとしているけど……」
「何が神だ! 彼女自身がどれだけ苦しんだと思うんだ? 才能はすべて彼女のものだ!」
「だったら才能はどこから産まれるの? 人間の中から?」
「人間がもともと持ち得ているものだ」
「人間だって、胎に宿るまでは無なのよ?」
コンスタンツェはわりと科学的なことを言った。この人も、それほどは神や天国を信じてはいないのだ。私と同じくモーツァルトを奪われたのだから、当然かもしれない。
「わたしだって同じ人間として産まれてきて、この差は何? 神じゃなかったら誰が決めるの?」
「言えば、宇宙のゆらぎの中で産まれる濃淡……だろうかな。才能の有る無しなど、その実は幻影なんだ」
「それじゃ、偶然なのね」
「それは……偶然ではないかもしれない。でも偶然かもしれない。どっちにしても、神がそこに出てくるのはこじつけだ。彼女と私はなぜかこうなってしまった。その事実に対しては確かに責任があるから、やるべきことをやっていくだけだ」
「あなたは、そうさせたのが神とは思わないのね」
「神のいない場所で私たちは存在しないのか? すべては偶然かもしれない。だが、もし仮に必然だとしたら、私はそいつに人生を滅茶苦茶にされたんだ。確かに与えられた。しかしもう奪われようとしている。それが運命であるとか宿命であるとか言い始めたら、振り回されて終わりだ。それを受け容れることが神の前に跪くことだとしたら、私はそうはしない。私は戦ってみせる」
このとき、私は、私にとっての彼女が失われてしまうことばかりでなく、自分の耳が次第に聞こえなくなってきていることをも念頭に置いて喋っていた。するとコンスタンツェは溜め息をつく。
「まるで正反対ね。モーツァルトは信心深過ぎたがために、自分を失うほど悩んでいたけど、あなたは神を信じず、戦うと言う」
「あなたもそうだろう?」
「……ええ」
彼女は暗い瞳を輝かせて言い切った。私には彼女からそう答えが返ってくる確信があった。母もまたそうだったからだ。
思えば、コンスタンツェも忍耐の人だ。いつも誰かの身代わりとしてしか愛されたことがない。モーツァルトはコンスタンツェを彼女の姉アロイジアの代わりとし、私やニッセンはモーツァルトの代わりとしか考えない。
そういう立ち位置は、私と一緒だ。私もモーツァルトに父親の身代わりとしてしか見られなかった。そして、私の父だった男ヨハンも、自分の父親を愛し憎んだように、私を愛し憎んだだけだ。本当の愛情など、私も知らない。
しかし私は本物の愛を限りなく求めているのに、コンスタンツェは、そうでもないようなのだ。もうこれはこれでいいと見切りをつけているのか、諦めているのか、当たり前だと思っているのか。
それを考え出すと憐れみにしかならない。私は自分の頭に湧いた考えを急いで打ち消した。なぜなら私にはモーツァルトとは関係なく、母とも関係なく、コンスタンツェ自身を尊敬する気持ちがあったからだ。それは愛ではないかもしれないが、限りなく愛に近い。どんな境遇でも、彼女なら耐えられるだろうと信じられた。なぜなら彼女は、モーツァルトよりも私よりも、よほど強い人だから。
「モーツァルトが最終的に選んだのは、フリーメーソンリーだったんだな。『魔笛』を聴いたら分かる」
私は自分の気持ちを隠し、モーツァルトへの関心を貫くことにした。
「いいえ、モーツァルトが選んだわけじゃないわ。彼は『レクイエム』を書こうとしたけど、書けなかったから……」
「神に決めさせた、か。結局、彼女はなんでもかんでもそうなのか」
コンスタンツェはそんなモーツァルトの最期の姿を見ているのだ。そして神は信じないと言う。自分を決して愛さなかったモーツァルトの最期がひどいものであったがゆえにだ。その事実だけで分かることがある。コンスタンツェはやはりモーツァルトを愛していたのだ。
「フリーメーソンリー、あなたは入らないんでしょう?」
コンスタンツェは分かり切ったことを聞いてくる。
「ああ、絶対にね」
「だったらあなたは、本当に音楽だけの力で、現実に反映されるようにやっていくつもりなのね」
「そうだ。私には音楽しかない」
コンスタンツェは自分の立場を守りながらも、私の思いに真剣に耳を傾けてくれた。私はもう新しい自分の道を力強く彼女に語っていた。
私とコンスタンツェが部屋から出てくると、ニッセンは二人の仲を疑うどころか、私を気遣う様子だった。どうやらコンスタンツェのあの冷たい声が丸聞こえだったらしい。
私はその部屋の片隅にあったコンスタンツェのものらしいピアノに座り、騒がせたお詫びにと、一曲奏で始めた。
それは『モーツァルト葬送』と密かに自分の中で名付けた曲だ。マエストーソ・アンダンテ。変イ短調。これは別れの曲だ。これで最後だ。このエメラルドの指輪も、身に着けるのは今日限りになる。
結局、私は、このようにしてモーツァルトと別れることになった。あのとき、一七八七年の春と同じように、コンスタンツェによって引き裂かれてしまった。
いや、コンスタンツェが引き裂くのではない。他ならぬ私のこの才能こそが、いつもいつも私たちを引き離してきた。私が普通の生き方をしたいとどんなに願っても、この才能がある限り、それは許されないことなのだった。
この曲は私のための曲でもある。モーツァルトを失うことは、私にとって、死も同じことだからだ。私は自分にとって一番大切なものを失ってしまったのだ。
私は弾き終わってから、コンスタンツェを見た。彼女はまっすぐに私を見つめていたが、その視線は一つの真実をはっきりと告げていた。そうだ。私と彼女にとってもこれは別れなのだ。もう会うことはないだろう。
私は自分の家に帰って、早速、コンスタンツェから前にもらっていた『モーツァルト葬送』という絵を観た。
黒い絵……一つの粗末な棺のあとを、やせ細ったむく犬が一匹、ひょろひょろとした足取りでついていく。見る者を凍り付かせるような憐れな死がそこに描かれていた。署名がないから誰が描いたのかは分からない。彼女の死を見た者が描いたのに違いない。
まるで今までの私は、この絵の中のむく犬のようだったと言えないだろうか。
たとえばこんなにも寒さを感じる。一人で行かねばならない道の手前で立ち止まってうろたえている。これらはすべて、モーツァルトのぬくもりに浸り過ぎていた後遺症なのだ。ずっと彼女を求めてきたが、私は間違っていた。なぜそれが彼女ではなく、自分自身ではなかったのだろう。なんと長い間、自分をないがしろにしてきたことか。変動の激しい世の中と度重なる衝撃とに晦まされていた。
取り戻さなくてはならない。他の誰でもない自分に与えられた使命を果たすために。かつて一度は決意したように、孤独を受け容れて勇み立たねばならない。私一人の力で、あの日考えていた理想を実現させねば。
私は彼女の指輪を外し、引き出しの一番奥にしまい込み、ピアノに向かって、全く一人きりで、今までとは違う音楽を奏で始めていた。
【参考文献】
★『ベートーヴェン』(上)(下)
メイナード・ソロモン著 徳丸吉彦、勝村仁子訳(岩波書店)
★『ベートーヴェンの生涯』(上)(下)セイヤー著 大築邦雄訳(音楽之友社)
★『ベートーヴェンの生涯』青木やよひ著(平凡社)
★『ベートーヴェン 生涯篇』属啓成著(音楽之友社)
★『ベートーヴェン書簡選集』小松雄一郎訳(音楽之友社)
★『ベートーヴェンの虚像をはぐ』武川寛海著(音楽之友社)
★『古代の宇宙論』
C・ブラッカー、M・ローウェ編 矢島祐利、矢島文夫訳(海鳴社)
★『世界創造の神話』
M=L・フォン・フランツ著 富山太佳夫、富山芳子訳(人文書院)
★『ギリシアの神々』曽野綾子、田名部昭著(講談社)
★『ギリシア・ローマ神話事典』
マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル著
木宮直仁、西田実、入江和生、中道子、丹羽隆子訳(大修館書店)
★『プロメテウス―ギリシア人の解した人間存在』
カール・ケレーニイ著 辻村誠三訳(法政大学出版局)
★『作曲家別 名曲解説ライブラリー ベートーヴェン』(音楽之友社)
★『作曲家別 名曲解説ライブラリー ハイドン』(音楽之友社)
★『コンスタンツェ・モーツァルトの結婚―二度ともとても幸せでした―』
〈音楽選書65〉
ヴィゴー・ショークヴィスト著 高藤直樹訳(音楽之友社)
★『シカネーダー伝―『魔笛』を書いた興行師』原研二著(新潮社)
★『現代医学のみた大作曲家の生と死 ハイドン/モーツァルト』
アントン・ノイマイヤー著 礒山雅、大内典訳(東京書籍)
★『ハイドン(1970年)(永遠の音楽家16)』
ピエール・バルボー著 前田昭雄、山本顕一訳(白水社)
★『モーツァルト』メイナード・ソロモン著 石井宏訳(新書館)
★『比類なきモーツァルト』
ジャン=ヴィクトル・オカール著 武藤剛史訳(白水社)
★『ベートーヴェン事典』平野昭、土田英三郎、西原稔編著(東京書籍)
★『ベートーヴェン大事典』
バリー・クーパー著 平野昭、横原千史、西原稔訳(平凡社)
★『モーツァルト大事典』ロビンズ・ランドン監修 海老澤敏訳(平凡社)
★『ベートーヴェン全集』(講談社)




