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21話目

 というわけで。彩との話もそこそこで済ませると、ゲームにログイン。

 レベルはあがったけどまだ一撃死しそうなので、常時《気配遮断》発動にしてなにがあっても発動を解かないようにしないとね。特に熊はダメ、絶対。

 だってどう考えてもあの熊魔法使ってたじゃないですかー。魔法なんてあたしにとっては天敵でしかないんだから、自重してくれないかな? してくれるわけないか。

 え? 行かないと言う選択肢? そんなのないけど ?気になったなら即行動! よく言うでしょ、『思い立ったが命日』って。あれ? 凶日だっけ?

 ま、それはともかくとして。森の寂れた洋館目指して、ゴー!


――――――――――――――――――――――――――――――――――


 はい、あたしは今森の中にいます。特に言うことは、多分ない。

 熊がたまにあたしに気づきそうになったりしたとか、その熊をスルーしてたら熊が振り返って倒しちゃったとか、それで種族レベルとスキルレベルがあがったとか、それとは関係なく《気配遮断》のレベルがあがったとか、洋館が全く見つからないとかだから、特に言うことはないね。うん、言うこといっぱいあったや。

 アヤがいたら間違いなく頭叩かれてたよ。アヤったらすぐ人の頭叩いてくるんだよ? 酷いよね。まったく、あたしがアホになっちゃったらアヤのせいだからね!

 あたしの中で勝手に色々言われているアヤは置いといて。


「本当に洋館あるのかなー? いや、噂だしなー」


 うん、実は森に入って早くも1時間経とうとしてるんだ…。疑心暗鬼にもなるってもんよ!あたしは足を止めゴニョゴニョと独り言を言い続ける。

 そうして、結論を出した。


「うん、やっぱり噂は噂。それ以上でもそれ以下でもないってことだね」


 まあ、経験値効率が非常にいいのでこのまま森で狩りだけどね。でもちょっと期待してたり……。ごめんなさい、やっぱり結論出てないです、はい。

 こうして誰に謝っているのか分からない状態のまま、あたしは森の奥へと一歩足を出した。その瞬間、あたしは浮遊感を覚えた。

 あれだ、死に戻りのときみたいな転移するときの……って、え?


「あれ!? もしかして死に戻った!?」


 だが運よく死に戻りではなかったようで、周りを見渡してみるとあたしのちょうど後ろに寂れた洋館があった。窓は所々割れていて、門は金具が壊れているのか開いており、風によって動いてギィギィと嫌な音を出している。

 うん、寂れてるね……ってそうじゃなくて!


「うそーん、本当にあった……?」


 しばらく呆然としている間、あたしはこう思った。噂は噂ってセリフ、恥ずかしいからなかったことにしてもらえないかなー。

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