20話目
夏休み、3日目。
2日目はあのPKの後ログアウトとして、ご飯を食べてお風呂入って寝た。そして今日もセミがミンミンうるさい上に暑い。
「暑いよー」
『なに言ってるの? どうせクーラー全開なんでしょ?』
「そうだけど雰囲気的に暑いのー」
『雰囲気的に暑いってどういうこと……?』
そんな夏休みまっただ中で、あたしは彩と電話をしている。話題はもちろん『メイク・スキル・オンライン』のこと。
『それより芽里』
「ん? なにー? 昨日はお楽しみでしたね?」
『違うわ! 意味分かって言ってるの、それ!?』
「分からないけど面白そうだから使ってるだけだよ?」
『なんで変なところでクリーンなの……?』
電話越しに『ハァ……』と呆れたようなため息を吐く彩。くっ!なんか馬鹿にされてる気がする。あ、それより聞きたいことがあったんだった。
「ねえねえ、彩」
『ん? どした?』
「昨日草原にいっぱい人がいたんだけど、あれなんで?」
『なんで、とは』
「いや、経験値効率が悪いからレベルあがったら皆他の狩り場に移るんだって、彩から聞いたんだけど」
『あー、そういうこと? あれはセット装備がドロップとして見つかったのが原因だよ』
「セット装備?」
『掲示板も確認しなよ』
彩によると、セット装備って言うのはセットスキルって言うものがついた装備らしい。セットスキルって言うのは、部位ごとにドロップするセット装備を全部位装備して、初めて効果が分かるスキルらしい。モンスターからドロップする装備は全部セット装備で、ドロップするセット装備はモンスターごとに変わるとか。運営頑張ってるな、それ。
全種類考えたって執念がヤバい。ちなみに男女それぞれでデザインが違っており、性別に関係なく両方ドロップするらしい。ドロップ率は極低確率だって、検証班の人たちが調べたらしい。
検証の為だけにウサギのセット装備を男女それぞれ全部ドロップさせたらしい。検証班の執念もヤバすぎる。
「そっかー。昨日の大量虐殺の裏にはそんなことがあったのかー」
『昨日の大量PKは、やっぱり芽里の仕業だったか……』
「街中で遊んでたら、昂っちゃって。テヘッ?」
『テヘッ? じゃないわ!』
いやー、昨日は本当に楽しかったね。そうやって昨日のことを思い返していると、『あっ!』となにかを思い出したように声をあげた。
「どうしたの、急に」
『いや、思い出したんだけどさ。こういう噂が掲示板で流れてたんだよ』
「どういう噂? 電話越しでこういうって言っても分からないからね?」
『森エリアあるじゃん?あそこの奥に寂れた洋館があるって噂』
「森とか嫌な思い出しかないんだけど。洋館?」
それはあれか。よくテレビで見かけるタイプの洋館か。『ま、噂だから本当かどうか分からないけどねー。』と言い、他の話を始める彩。
うーん。気になるなぁ。……レベルあがったし、森行ってみよっかな。




