ep.2-98 神の道
私は深夜に人知れず艦を降りて
ある場所に向かった
今回は・・・
監視は付いていなかった
もしかしたら
サンドラさんと
エリス達が攪乱してくれているからかな?
楽に行動できるのは
ありがたい
町の中を歩き教会へと辿り着いた
扉を開け中に入り
大きめの声で
「(マティア)
司祭様
いらっしゃいますか?」
すぐには反応が無かった
1分程して
「(ダリル)
こんな遅い時間に誰じゃ?」
眠そうな顔をして
奥から姿を現した
「(マティア)
司祭様
夜分遅くにすみません。
お話があるのですが
宜しいでしょうか?」
「(ダリル)
聞いた方が良さそうじゃの。
立ち話もなんじゃし
中に入ってくれ。
おまえさん程の人物が
こんな深夜に来るということは
差し迫った事情でもあるんじゃろ?」
「(マティア)
ご配慮感謝します。
実は・・・」
今起きていること
今考えられること
今後起こりうること
全てを話した
「(ダリル)
その予測が当たっていると
困ったことになるの。
教会にもしがらみがあるのは否定できんが
平和を謳う以上
さすがにそれは看過できないのぅ。
さて・・・どうしたもんか・・・
お前さんは
どうするつもりじゃ?」
「(マティア)
兎にも角にも
この町の力を結束させるのが近道でしょう。」
「(ダリル)
サンドラはどっち側じゃと思う?」
「(マティア)
僕は・・・
あの人は一匹狼ですから
8割ぐらいの確率で
こちら側だと思っていますが・・・
一抹の不安はあります。」
「(ダリル)
あやつは
王からの信頼が厚いからの・・・
大丈夫と信じたいが
その前提となる王がそっち側であったら
すべての予定が崩れてしまうの。」
「(マティア)
その可能性はありますか?」
「(ダリル)
可能性としては
限りなく低いはずじゃ。
王とカムデン坊やは
王立学園時代からの親友じゃからの。
可能性として高いのは
王の取り巻きの中にいる
カムデン坊やのことを妬んでいる者じゃろう。」
「(マティア)
これだけのことを
秘かに仕掛けることは可能なのですか?」
「(ダリル)
不可能ではないが
かなりの金と人材を使えば
可能じゃの。
それよりもこんな真夜中に来たという事は・・・」
「(マティア)
はい
今から
僕と司祭様で
陸軍をしっかりと引き留めにいこうと考えています。」
「(ダリル)
仕方ないか。
すぐに支度をするから
待っていてくれ。」
私は司祭様を待っている間に
教会の中を見渡した
司祭1人で頑張って維持しているにしては
この教会は
隅々まで綺麗だった
手伝ってくれる信奉者が多いのが窺える
「(ダリル)
待たせたの。
行こうか。」
「(マティア)
はい。」
私は道すがら司祭に色々と聞いた
「(マティア)
司祭様
答えたくなければいいのですが
どうして神の道に入ることになったのですか?」
「(ダリル)
昔の話になるんじゃが
儂も戦場を駆け回っておっての。
狂っておったからかもしれんのじゃが
神の声が聞こえた気がしての。」
「(マティア)
その神の声に助けられたとかですか?」
「(ダリル)
その通りじゃ。
九死に一生を得たことが
山ほどある。」
「(マティア)
それだけじゃないんじゃないですか?」
「(ダリル)
そうじゃな。
殺生をし過ぎてしまった
というのが本音じゃな。」
「(マティア)
司祭様はこの世についてどう思っていますか?」
「(ダリル)
一言で言うなら
『残酷』じゃな。
あまりにも命の価値が低いと言える。」
「(マティア)
確かにそうですね・・・
そういえば
前々から気になっていたのですが
侯爵の事をなんで『坊や』と
呼ぶんですか?」
「(ダリル)
儂が元々何処にいたかは聞いておるか?」
「(マティア)
いいえ。」
「(ダリル)
儂は
聖職者でもあるが
教会から教師として
王立学園に派遣されておったからの。
王と侯爵とは
その時からの付き合いじゃ。」
「(マティア)
そうだったんですね。
でしたら
他言できないような
2人の秘密を知っていたりするんですね。」
「(ダリル)
そうじゃの。
この問題が収まったら
褒美として教えてやるかの。」
「(マティア)
楽しみにしておきます。」
私たちは副司令の家へと向かった




