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前世がフラッシュバックした。

お久しぶりの投稿です。(汗)

よろしくお願いします。

 昨日のザワザワした空気とは打って変わって、眩しい日差しがカーテン越しに差し込んできて気持ちの良い目覚めだった。

 ミントの爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。


「おはよう、デス。」

「うむ。」


 デスが本を読みながらミントティーを飲んでいたようだ。


 着替えを済ませてからロフトを降りると、

「今日はギルドで動きがあったようだぞ。」

 とデスがミントティーを淹れてくれる。


「ありがとう。動きがあったの?」

「ああ、後で行ってみる。」

「うん。私も行くわ。」

「うむ。」


 ミントティーを飲むと、スキッとした爽やかなお茶なのにちょっと甘味もある。

「何これ美味しい。」

「リベルにもらった茶葉をブレンドしてみたんだ。」

「すっごく美味しいよ!飲みやすい。」


 デスのお茶でカフェとか出来そう。すごく美味しい。


「さて。朝ごはん朝ごはん。」


 パン屋ココのバケット。ボーボー鳥を飼育している人から買った卵でバター香るスクランブルエッグ。

 薫製を薄切りして焼いたもの。

 リベルさんの畑で採れた野菜をサラダにしたもの。

 リベルさんが使ってもいいと言ってくれたので、三人で食べる朝食の時だけ使わせてもらうことにしたの。

 新鮮採れたてだからとっても美味しい。


 朝食の用意を済ませ、いつものようにリベルさんを交えて朝ごはん。


 今日も紫のローブを着て髪もきちんと整えていた。


「リベルさんっていつも綺麗にしていますね。」

「そうかな。」

「うん。冒険者の時とは違う人みたい。」

「そ、そう?」

 そう言ってリベルさんは髪をガシガシと掻いてしまった。

「あっ……せっかく綺麗に整えたのに。」

「ふっ。」

「むっかー。デス、いちいち腹立つんだよ。」

 あ、いつものリベルさんだ。

「ふふっ。」

「なんだよ、まなまで。」


「本当ですわよ!何なのまなさん!リベル様を誘惑するんじゃなくってよ!」


 突然別の方向から声が聞こえてきてびっくりした。

 リベルさんは手を顔に当ててうなだれている。

 誘惑って、今の会話のどこにそんな要素があったのかな。


「ナディアさん、おはようございます。早いですね。」


 庭先の入り口で、デスの張った結界にへばり付きながら、ワナワナとこんもりヘアーを震わせていた。


「デス?」


 結界を解かないデスに疑問を向けると、渋々といったように結界を解いた。

 デスはあまりナディアさんを好きじゃないみたい。


「私が入れないように結界を張るなんて、失礼な方ね。」


 落ち着きを取り戻したのか、ドレスの裾を小さく持ち上げながら優雅に振る舞いつつ入ってきた。


「リベル様、ご機嫌よう。」

 にっこりと微笑みながら私の横を素通りしてリベルさんのそばへ歩み寄っていく。


「おはよう、ナディア。朝早くからどうしたんだい?」

「……。」

「ナディア?」

「……。」

「大丈夫かい?」

 ナディアさんがじっと押し黙ってしまった。

 どうしたのかしら?

 様子を見ていると、またヘアーがふるふると震え出した。

「どうして……どうして私には他人行儀なんですか?」

「えっ?」

「まなさんには自然な態度で接しているのに、この差はなんですの?」


 キッとまなに向き直して、まっすぐ凝視した。


「まなさん、あなたはリベル様のなんですか?」

「ナディアさん……誤解ですよ。私は友人だから気を使わなくていいってだけですよ。」

 そう言いながら、れなのことがフラッシュバックした。。


『なんでまなばっかり。』

『わざと私の邪魔してる?』

『取らないでよ!』


「ちょっと!まなさん、聞いてるの?」


 ナディアさんの声が急に聞こえてハッとした。

 いけないいけない。


「ナディア、いい加減にしないか。」

 ナディアさんがハッと振り向くと、リベルさんが少し怒ったような顔で立っていた。


「ナディア。君は朝早くから僕の家に来て僕のお客様をそんなふうに言うのかい?」

「!……ご、ごめんなさい。」

 ナディアさんがしおしおとうなだれてしまった。


 あれ?

 うん。かわいいんじゃないの?

 ちょっと、ううん、かなり面倒臭いけど、根は素直な人なんだわきっと。


「ナディアさん。」

 うなだれていた顔がスイと上がる。

「リベルさんはここへきて出来た初めての友人で、ファジールからこっちへ来る時に助けてもらったんです。」

「……。」

「まだ新米冒険者だからと、庭を安く貸してもらっているの。リベルさんには頭が上がらないわ。」

 真意を確かめるかのように、じっと見てくる。

 肯定するように頷いて見せる。


「……そうなのね。ごめんなさいまなさん。」

 顔を横に振って大丈夫と伝える。

「……私、今日のところは失礼しますわ。次は約束をしてから参ります。」


 そう言ってナディアさんは帰っていった。


「ごめんね、まな。」

「ううん、大丈夫。素直な子でちょっと好感はあるよ。」

「あは、素直なんだけどね、まだ子供なんだ。」


 私たちは改めてテーブルに戻って、朝食を再開した。


「ナディアは僕が婚約者だと思って夢を見ているというか、現実を見ていないような。わかるかい?」

「うん、なんとなく。ナディアさんっておいくつなの?」

「14。」

「……え?」

「まだ14だよ。」

「うそっ。」

 とてもそうは見えなかった。精神年齢は幼い感じを受けたけど、見た目は私と同じくらいで……そっか。

 もうちょっと話を聞いてあげればよかったかな。


「ナディアは魔力が少ないからね。」


「え?それはどういう?」

「え?知らないの?魔力の量で成長の差があるのは知ってるよね?」

「え?そうなの?」

 リベルさんがポカンとして面白い顔になっている。

「ふは。」

「何がおかしいの。」

 リベルさんが拗ねてしまったけど、簡潔に教えてもらった。


 魔力が少ない人は成長が早くて、逆に魔力が豊富な人はなかなか歳を取らないらしい。

 だから魔力豊富な子供が欲しい貴族などは、魔力が多い人と結婚したがることが普通だし、魔力の差が結婚の足かせになることもよくあるらしい。

 そっかあ。

 自分だけ先に歳をとって死ぬのも、置いてかれるのもいやかも。

 結構この世界も大変なんだね。


 だからこの世界の人は結婚には慎重なんだって。

 ちなみに、最近結婚したリベルさんのお姉さんは、相手の人も同じくらいの魔力持ちで運が良かったらしい。


 そっかあ。

 前世とは寿命の概念が違うんだね。


 それにしてもナディアさん、れなにちょっと似ている。


 ……久しぶりにれなを思い出した。


 れな。

 れなはすごく甘え上手で、おしゃれが好きで、女の子って感じで。

 お母さんのお気に入りだった。

 私はレナみたいにはできなくて、なんでも自由にやっていたら、いつの間にか甘えることができなくなってて。

 レナがお母さんの膝に乗って新しい服のおねだりしているのを見て、羨ましかった。

 でも私なりにお母さんに褒めてもらえるように勉強とか運動とかは得意だったから、賞をとったら真っ先に見せていた。

 最初は頑張ったわねって褒めてくれたけど、レナは勉強もスポーツも得意ではなかった。

 そんな私をれなは責めた。

 勉強できるのを見せびらかさないで。ってよく言われた。

 運動会でもみんなに笑われるから、一緒に行きたくないって言われた。

 代わりにぬいぐるみを作ったり、お母さんの料理を手伝ったりは得意で。

 同じ双子なのにこうも違うのかって言われるのが、嫌いだった。

 多分れなもそうだと思う。


 でも、れなにはいろいろ言われても、お母さんに褒められたりするのは好きだった。


 私が欲しいものをあんたが全部取っていってしまうって、言われたときはショックだった。

 れなだって私が持っていないものをたくさん持っていたのに。


 れなが片想いしていた男の子から消しゴムをもらったと知った時、れなが泣いた。

 宿題のわからないところを教えてあげたお礼に、軽いノリでもらっただけの消しゴム。


 私が何かするたびにれなが泣いたり怒ったりしてたな。


 それで私は面倒になっていろんなことを捨てた。

 自分が疲れるから。


 でも、お互い子供だったのかも。


 私が諦めて捨ててしまったから、れなもどうしようもできなくなったのかもしれない。

 お互い意固地になってどんどん離れていってしまったのかも。


 ……。

 あ。


 顔をあげたら、デスとリベルさんが朝食をゆっくり食べていた。

「ごめん、ぼーっとしちゃった。」

「うむ。」

「いいよー。このミントティー、驚いたよ。デスのブレンドなんだってね。」

「そう、それ、美味しいよね。」

「お茶好きとしては、いいライバルができて嬉しいよ。」

 リベルさんがウインクしてカップを持ち上げる。

「ふふ。」


 デスは、私が考え事している時はそっとしてくれる。

 リベルさんも空気読んでくれたのかな。

 でも決して、ほっといているわけではなく。


 この距離感がとても心地いいな。


 そんなこんなで私たちは朝食とミントティーを満喫した。

 先に食べ終わったリベルさんは魔法学校へと向かい、私とデスも、予定していた通りギルドへ向かった。


読み直したりプロット見直したりしているうちに、あっという間に時間が過ぎて。

自分でも驚きました。

プロットをきちんと立てるのって大事ですね。

これからも投稿は続けたいので、よろしくお願いします。

読んでくださって、ありがとうございました。

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