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【青】(空白)
【
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え、とケイの口から声が漏れた。
突然見知らぬ言語が駆け抜けてきた。
【
】
そこには――何もなかった。
空っぽの言葉だけが広がっていた。
ケイは直観する。これこそが――敵が抱えていた虚無の正体だと。
『アマーリア』は『ルジエクォード』と押し合いながら、一切の感情のない表情で、ケイとクレイユを見上げている。
そこに意志はない。過去も感じられない。
あるのは生まれながらの役割だけだ。
単なる兵器としてその役割に徹している。
少女機械。
先ほど『ルジエクォード』の蔵書内にあった記述をケイは思い起こす。
彼女は自分自身の虚構の記憶すべてを消去し、兵器としての在り方に徹しようとしている。




