49話 死の臭いのする場所
鷹也(主人公の名前を出さないから忘れそう)は悪人になり切れない偽悪者です。
オルケンリードが入っていくのを見届けて、
「――さて、行くか」
と行こうとするが、
「待って!!」
「行くでない!!」
夕日と咲耶。二人に止められた。
「行くの反対しなかっただろう?」
なんで止めるんだ?
尋ねると。
「愚かじゃな」
「もう少し考えてから動こうよ」
と叱られた。解せぬ。
「オルケンリードが見張りを置いておくと考えられるじゃろう」
「普通に行かない方が賢明だよ」
「………」
二人の忠告はもっともだけど。
「病気怖いという感じで見張りらしき奴ら逃げてるけど……」
「「………」」
指さすと、部下らしき人らが遠巻きになっている。
「情けないのぅ……」
「うん。そうだね……」
危険性を危惧していたのにその危惧していた条件が消し飛んでいく。
「黄昏……」
「いえ、違うと思います……」
なんか目と目で会話してるな。
疎外感なんて覚えないぞ。覚えないからな。
という一人突っ込みは置いておいて。
「どうする?」
突っ込んでもいいんじゃないの?
そう指さすと。
「………」
「…………」
二人は無言だ。
「行ってもいい気がする」
「我もだ……」
楽観的過ぎると思うけどそうとしか思えないので、
「本当にいいんだよね」
さっき止めてたけど。
「………ああ」
「そうだな」
うん。そう思うよね。
「じゃあ、行こうか」
「そう。じゃな……」
迷いつつ、進んでいく事にする。
見張りが居ないのも確認して、オルケンリードがどかしてくれた道を塞いでいた物に一瞥して、中に入る。
中に入って街が見えると――。
「酷い……」
流行り病が広がってそこは見捨てられてしまっているのだろう。そこかしこに弱っている人々が横たわっていて、埋葬されてない遺体も転がっている。
そんな状態に声が漏れてしまう。
「――気を付けろ」
見張りが居なくても敵は近くにいる。
咲耶の忠告。それに声が聞こえてないよなと確認して進む。
奥に行けば行くだけ酷い光景が広がり、空気も淀んでいる。
異臭がするのは遺体を片付けてないからだろうか。
(ますます病気が広がりそうだな……)
死体に群がる虫。
生きる事を諦めた人々。
「……」
何とかしたいという気持ちと何とか出来ないのかと思うけど方法が浮かばない自分。
俺は無力だな。
自分の事でいっぱいいっぱいで、なんともできない。
「――当然じゃ」
咲耶が告げる。
「出来る事以上しようとすると自分が壊れるだけじゃ」
「……」
「それに。本題を忘れるつもりか?」
そうだな。
「うん。――分かってる」
急ごう。そう決意して周りを見ないでレーダーを頼りに進んだ。
NG
「じゃあ、行くか」
「そうじゃな」
「行きましょう」
突っ込み不在




