閑話 悪役領主様の知らないお話1
これは、クレイル・フォン・アイデンバークさんが知らないお話。
ゲーム開始前、クレイル達が住む街ヴィントブルクは一度滅びかけている。
悪魔の力に侵されたフェンリルのツガイによって町が襲撃されるのだ。
そして、アイデンバーク領の領主ジラベール・フォン・アイデンバークがフェンリルと応対し、一体を討伐、そのツガイに深手を負わせ撃退した。
しかし、その際にジラベールも深手を負い、この戦いの直後に命を落とす。
そして、クレイル・フォン・アイデンバークが10歳という若さで領主を引き継ぐのである。
そして、深手を負ったフェンリルの片割れもアイデンバーク領に復讐を誓い、風の森の奥で力を蓄えていた。
そこを主人公たちと応対するのであるが、それはまた別のお話
◇
ここでクレイルの父、ジラベールの話をしよう。
ジラベール・フォン・アイデンバーク
知力、魔法力に優れた元宮廷魔道士であった。
そして、かつては隣国との戦争に参加しており、戦争で親友と兄弟を失った。
そこからは戦場で復讐の鬼となり頭角を現し、ついた2つ名は「魔鬼」
各地の戦場を勝利に導いた正真正銘の英雄である。
ある戦場で敵の呪術師に呪いを受けてからは、魔力が徐々に下がっていったが、その後は剣や指揮でも才覚を現す。
「魔鬼」は味方から英雄、敵からは恐怖の象徴として広く知られるようになった。
この戦時中に後に妻となる白剣騎士団の剣鬼グレースと出会いジラベールの復讐心にも変化が現れていくのだが、それもまた別のお話
そんなジラベールも戦時中の功績から、辺境伯に叙爵され、アイデンバーク領を賜った。
ジラベールの夢は自分の子供達が戦いに身を投じなくて良い世界を作ること。
そんなジラベールもフェンリルとの戦いの後、志半ばで息子に領地を託すことになってしまったことを嘆きながら息を引き取ったそうだ。




