子供たちと②
周りの客の声が聞こえてきました。
私は倒れていました。
「大丈夫ですか!?」
と、声が聞こえてきます。
とっさに、私は返事をしていました。
「大丈夫です……立ちくらみがしただけなので……」
ただ、私は起き上がることができませんでした。
『勇者の紋章』の光を見つめています。
すると、頭の中に一つの映像が映し出されました。
夜の教会のようです。
教会の前で遊んでいた子供たちの姿があります。
彼らは眠っている異世界人の周りに集まっていきました。
異世界人を運んでいこうとしているようです。
子供たちは異世界人を持ち上げると、教会を抜け、真っ暗な通路を走り抜けていきました。
グレース平原を通り過ぎます。
フェルモールの丘を登っていきました。
その丘の上には1人の女性が立っていました。
子供たちは女性と何か話しているようです。
月明かりに大地が照らされると、その女性の顔が鮮明になりました。
妻の顔です。
そこには妻が立っていました。
高台の上まで、子供たちが異世界人を運んでいきました。
その後、妻が歩いていきました。
切れ切れの映像が頭の中に入ってきました。
私は食事を止めました。
階段を上っていき、借りた部屋のドアを開けました。
部屋に妻の姿はありませんでした。
食事をする前、ベッドの上で眠っていた妻の姿がなくなっていました。
疲れきってしまい、私は椅子に座っていました。
映像のことを考えていると、30分ほどして妻が戻ってきていました。
「戻って来てたんだ……。食事にでも行ったのかと思ってた……」
いつものように妻は笑っていました。
一瞬、さっきの映像について聞こうかと思いましたが、私の口は動こうとしませんでした。
あの映像が何であるのか、判断ができなかったせいです。
「ねえ、食事をしに行かない?」
妻の声が聞こえてきました。
しかし、食堂に行くのを止めておきました。
疲れているからと、ベッドで横になることにしました。
ベッドで横になり、映し出されていた映像のことを考えていました。
眠ることができませんでした。
食事を終えて、妻が部屋に戻ってきていました。
隣のベッドで横になっています。
段々、町の騒がしい声が聞こえてくると、ベッドから起き上がることにしました。
遠くの山から太陽の上辺が少し現れているだけでした。
丑三つ時の頃です。
それなのに、食堂にはたくさんの町人が集まっていました。
彼らの話している声が聞こえました。
どうやら教会で眠っていた異世界人が消えてしまったというのです。
それを聞いて、その場に立ち尽くしていました。
手に持っていた青い石の欠片を握りしめています。
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