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僕がつくる異世界の騎士団  作者: 葉月 優奈
三話:悪魔の砦と分身の騎士団
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032

僕がスマホを操作すれば、三人を呼び出せる。

戦闘状態でなくても、それは可能だ。

スマホの画面で、ラジノ、チャマ、セレニエルの三人をセットして召喚する。

すぐさま、僕の目の前に三人が現れた。


ラジノは呼び出されて、不機嫌な顔を見せた。

チャマは酒樽ごとと召喚されてきた。

そして、セレニエルは


「なぜ裸?」

「もちろん、お風呂中でしたよ」照れる様子もなく、白い羽根で大事な前を隠していた。

柔らかい巨乳が、はっきりと主張する。

僕はあたふたしていると、機嫌悪そうなラジノが僕の首元を掴む。


「おい、テメー、今何時だと思っている?」

「夕方かな?」

「お前は、なんで急に呼び出す?だいたいここは、どこだよ?」

「アモンの砦」

「はあ?マジか」僕を突き飛ばして、周囲を見回した。

レンガ造りの壁に松明の明かり、周りを見て理解したラジノ。


「あ、あの……」チャマが、困った顔を見せていた。

「どうした、チャマ?」

「いえ、その……あえてちょっと嬉しいです」

酒樽の蓋を開けてチャマは恥じらいながらも、僕を見ていた。

小さなチャマは、直ぐに酒樽の中に隠れた。


「ありがとう、チャマ」僕が酒樽のそばにいる彼女を撫でると、チャマは嬉しそうな顔を見せた。

「まあ、仕方ないですよ。勇者様」

羽根が彼女の細身の体を覆うと、セレニエルはすぐに純白のローブ姿に変わった。

いつもどおり、大きな盾を持って彼女は何事もなかったように微笑んでいた。


「随分横暴な勇者だな、お前は」

「そうだろうね、だけど僕はもう戻れない。

次の関門を突破するのに、君たちについてきてもらいたい」

「というか拒否権はないだろ」ラジノが観念した表情を見せた。


「は、はい」再びチャマは酒樽の蓋を開けて、ちらりと顔をのぞかせた。

「もちろんですよ、あたしはどこまでもお供します」

セレニエルは、お気楽に僕に笑顔を見せていた。


「じゃあ、そこでひとつ相談だけど……」

そういいながら、二つの道がある。

「どっちだと思う?」三人に問う。


「絶対左だ」

「右です」

ラジノとセレニエルは、違う道を指さした。


「ええっ、絶対右ですよ。右」

「こういうのは男のカンで左って決まっているんだよ」

「違います、右ですよ」

「いいや、左ったら左だ。このダメ天使」

僕を置き去りにして、ラジノとセレニエルが言い合っていた。

そんな議論が続く中、僕は酒樽に語りかけた。


「チャマは、どっちだと思う?」

「魔法を使いましょうか?偵察ぐらいはできますけど……」

「そんな便利な魔法があるの?お願い」

「私なんかでよければ……」

「頼むよ」

「は、はい」そう言いながら、ゆっくりと前に出てきたチャマ。

そして小さな体のチャマが、体より大きな杖を出して魔法の詠唱を始める。


やがて、杖の先端が光ると、二つの火の玉が現れた。

そして、二つの火の玉が両方の通路に飛んでいく。

ものすごいスピードで駆け抜けていった。

そして、数秒後火の玉が通路から戻ってきた。そのまま杖に収束されていく。


「チャマ?」

「どっちでも大丈夫です、途中に大きな道があるのでそこに抜けます。

ただ、左側には悪魔が潜んでいます」

「そうか。じゃあ右かな」

傍らで言い合うラジノとセレニエルをおいて、僕はチャマと一緒に右を選んだ。


「お、おいっ待てよ!」

「ああっ、まって~!」

先を行く僕とチャマに気づいて、ラジノとセレニエルが追いかけてくるのだった。



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