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095⚫️それは武力ではない
選択は自由だった。
バルハインたちは、公国の豊かで質素な生活を楽しみながらも、
日々、研修と訓練、実践学習に励んだ。
救急救命法。薬学。農業。
現地で入手できるものでの工夫。
工学、土木学、持続可能な資源の作り方。
’魚を与える’のではなく、
’釣りの仕方を教え’、
’釣竿を作る技術を伝える’。
内的動機づけられた集団は、一心不乱に学び続けた。
不思議なことに、研修場から出ると僅かな時間しか流れていない。
だが中では、外の一日が一月にも感じられた。
「もう、十分に力をつけられましたね。」
あの男がやってきて、変わらぬ柔らかな表情で告げた。
船が用意されている。
物資も十分だ。
だが、例えそれらがなくとも、
故郷に戻ればその地の産物で
持続可能な救援物資を自分たちで作り出せる。
本当に人々が必要としているもの。
それは武力ではない。
・・・その代わりになるものを手にして、帰国するのだ。
バルハインは固く決意し、静かに岸壁をあとにした。




