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066⚫️闇 & 067⚫️発火点
066⚫️闇
盟主は満足げに頷いた。
よし、これで’王の耳’と’王の目’はこちらのものだ。
あとは徐々に我らの思惑どおりに、王を導けばよい。
ふふ、さて、ラグナ・ヴァル・ゼルド。
積年の恨み、はらさせてもらおうぞ。
盟主は胸の高鳴りを抑えるように、グラスを口にする。
外は月もなく暗い。
だが、人の心の闇もまた、深く暗いのである。
067⚫️発火点
「なんかさあ、また、生活が苦しくなってきたぞお。」
「なんでも値上がりするからなあ。食いもんが特に高いぞ。」
「農家、ボロ儲けかあ?」
「いやあ、むこうもたいへんらしい。収穫物は召し上げられて、ほとんど残らんのだと。」
「呪術師の祈祷料もあがったよね。うっかり病気にもなれん。」
「クラスギさんとこのおじいさん、我慢して横になってたら、そのまま・・・。」
「立て続けに3度も海を渡って領地を広げようって、やっぱり無理すぎるんじゃないのかなあ。」
「シィー・・・。どこに’王の耳’があるか、しれたもんじゃないんだから。」
人々は声を潜めながらも、不安を抑えきれずにいた。
貧富の差は、民衆も貴族も王すら予想する以上の速さで広がっている。
その不安はやがて不満となり、
怒りの発火点は、もうすぐそこまで迫っていた。




