052⚫️宴なき帰還
陛下が戻られただと?
艦隊の過半を失ってか!?
バルハイン将軍は耳を疑った。
入念な立案、最新鋭の高速艦、そして王の親征。
その結末が敗走であるはずがなかった。
いや、あってはならなかった。
「手こずったが、敵にも相応の損害は与えてきた。」
謁見の間に響くラグナの力強い声。
だが、事情を謁見の直前に知ったバルハインの耳には、
それは虚空を切る乾いた音にしか聞こえない。
「しばらくは・・・内政にご専念あそばされては。」
王を刺激せぬよう、バルハインは極限まで声を低めた。
爆発寸前の激情を孕んだ王は、短く鼻を鳴らした。
「よかろう、お前の言を容れる。・・・下がれ。珍しく疲れた。」
ーこれでしばらくは、おとなしくしてくれればよいのだが。
ー希望的観測、というやつだな、ムサシ。
ーいや、リョウマ・・・また、来るのか?アイツ・・・。
ーわからんが、ああいうタイプはしつこいからな。
ー来れば屠るのみ、だ。我らに出撃許可はおりんか。
ー王虎、無理じゃないか。レイディ・ココアのMK体が例の自律戦車に対応した時も、我らは出番がなかったからな。
ーくっ。一発で撃破してやるものを。
ーそうだな。だが、どのような相手に対しても、マイロードが守ろうとしておられる’ルール’があるからな。
ームサシ、あの’ルール’って、違反しても罰則はないんだろう?
ー違反することが、すなわちあのお方々は罰になる、とお考えなのだ。
ー不自由なことだ。わかった。しかたあるまいな・・・。
ココア vs 自律戦車については、第1部(とは表記せず、ただ「世界線をこえて」になっていますが)006●ココア、コーヒーをたのむ https://ncode.syosetu.com/n7021lz/6/ をご参照くださいね。
あなたも「世界線をこえて」みませんか?




