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016⚫️終末願望

レオル・ヴァンデは、銀河連邦テラの片隅で生まれた。

幼少期から虐待を受け、教育の機会も奪われ、

社会に出てからも屈辱の日々が続いた。


長い年月のうちに、

「自分は誰からも必要とされていない」

という確信に近い感覚へと追い詰められていった。

やがて彼は、消えるように姿をくらました。

誰も気づかず、誰も探さなかった。


漂流の果てに、彼は偶然、惑星ゼルダンの軌道へと辿り着く。

救難信号を出す意欲もなく、ただ惑星を見つめていた。

その瞬間、ゼルダンは彼の脳内電気信号を読み取った。

孤独、怒り、屈辱、世界への不信。

そして、「すべて終わってしまえばいい」という願望。


ゼルダンは倫理を持たない。

だからレオルの破滅願望を、データ情報として受け取ってしまう。

そして、ゼルダンは’お返し’を始めた。

それが何であるかは、受け取ったレオルにも、まだ説明できなかった。

ただ、心の奥底に沈んでいた凍りついた感情が、静かに揺れ動いた。

絶望の震えなのか、あるいは別の感情の残滓なのか、

彼自身にも判別がつかない。

レオルは膝をつき、泣き崩れた。

そして呟いた。

「この世界は、もういらない。こんなはずじゃ、なかったのに。」


ゼルダンはその言葉を、この人物の願いと解釈した。

次の瞬間、レオルの頭の中に、さらに’何か’が流れ込んだ。

ゼルダンは自分を選んだ。

教えてくれた。

銀河連邦テラなんか、もう未練はない。

やってやる・・・やるしかない。

そう思い込むことでしか、

揺れ動く心の奥を見ないようにしていた。

レオルが受け取った’何か’と絶望が、

静かに銀河規模の危機としてを動き始めるのだろうか。

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