表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/93

010⚫️世界の女性たちよ、立て!

冒険家はなぜ、次々と危険に挑むのか。

美食家はなぜ、最高の味を求め続けるのか。

酒飲みはなぜ、深みにハマるのか。

博打好きはなぜ、全財産を賭けてしまうのか。

そして男はなぜ、次々と浮気をするのか。


これらは別々の行動に見えて、根は同じだ。

ヒトという生き物は、基本的に「いま得ている満足」に長くとどまれない。

特にオトコは、その傾向が顕著に表れる。

手に入れた瞬間に価値が減衰し、

次の刺激を求めて動き出す。

これは道徳や理性の問題ではなく、

生物としての設計思想に近い。


経済学には「イースタリンのパラドックス」という現象がある。

所得が増えても、一定水準を超えると幸福度は頭打ちになる。

国全体の平均所得と幸福度の相関は弱く、

むしろ「他者と比べて自分がどの位置にいるか」が幸福感を左右する。

つまり、絶対的な豊かさよりも、相対的な優位が重要なのだ。

この構造は、男の行動原理にもそのまま当てはまる。


より危険な冒険、より希少な味、より強い酒、より大きな賭け、より新しい相手。

「女房と畳は新しいほどよい」そう豪語する国もあったのだ。

どれも「今とちがう変化」を求める相対的な欲望である。

満足は一時的で、すぐに基準値が上がり、次の刺激を欲する。

幸福の絶対量ではなく、変化量こそが快楽を生むからだ。


もちろん、これは男だけの特性ではない。

だが、課題を孕む現状の社会的役割や進化的背景の影響もあって、

男はより露骨に「飽和しない欲望」を抱え込みやすい。

満足できないことは欠点ではない。

むしろ文明を前に進めてきた原動力でもある。

しかし同時に、破滅へ向かう衝動にもなりうる。


だからこそ!

世界の女性たちよ、立て!

政治をひっぱるのは、’あなたたち’なのだ。

飽和しない欲望に振り回される文明を、

別の軌道へ導けるのは、

’満足の質’を知る者たちである!!


「司令長官、そういう理由で、マリカさんを選んだんですか?」

「むろん、彼女の資質を鑑みてのことだ。いいか、グレッグ大佐。この作戦は極秘だ。しかも、沈着冷静な判断を臨機応変に下さねばならん。適任なのだよ、彼女は。あの操艦技術が、それを証明している。」


銀河連邦テラ・宇宙艦隊司令長官、

山下六十五ヤマシタ ムソゴは、旗艦の一室で静かに語り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ