――管理者報告書No.02――
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【記録種別】実験観察/個人所感
【提出者】管理者X
【提出時刻】不定(周期認識不能)
研究は、ほぼ独学だ。協力者はいない。まあ、友達がいないのもあるが――最大の理由は、
「死の研究」なんて、誰も真面目にやろうとしないからだ。
科学者たちは「死を退ける研究」か、「より効率的に死を与える研究」ばかりしている。
死の“先”を探るなんて、宗教屋の妄言と決めつけているのだろう。
仮に成果が出たところで、今の時代には活かしようもない。
せいぜい、ドラえもんが生まれるより未来の話だ。
ともあれ、魂の重さを自分で確かめてみることにした。
もちろん人間ではなく、ヤギを使った。
道徳的に正しいか?――知らない。じゃあネズミならいいのか?虫なら?その線引きに意味があるか?
倫理なんていう曖昧な線引きには興味がない。
結果として、ヤギの死後には体重の変化があった。だが、全個体でバラバラだった。
オーガスタス医師がかつて述べたとおり、
「死亡時の体温変化や発汗など、生理現象による重量変化」が有力な原因だろう。
簡単に言えば、魂の重さじゃないということだ。
調べる前からそんなことは分かっていた。だが、自分で確かめることに意味がある。
私は、他人の言葉より、自分の目を信じる。
ひとまず、この実験は終わり。次は“過去”を調べるとしよう。
現在、能力者に関する監視・規制法案が国会で協議されている。
世界の自転を狂わせる者、流星を引き寄せる者、くしゃみで国家を滅ぼす者――
私のような能力など比べるのも失礼なレベルの“化物”たちだ。
だが、強力な能力者は現代だけの現象ではない。
歴史を遡れば、“MCJJJ”と呼ばれる記憶操作能力者の存在が記録されている。
他にも、魔法や魔術、神や魔王といった概念が過去には信じられていた。
それらが空想か実在かはどうでもいい。
私が興味を持つのは――
**「過去に、魂を超越した存在が存在した可能性」**だ。
居たかもしれない。
居なかったとしても、調べる価値はある。
それだけの話だ。
(了)




